宝塚ブログ 心は青空♪

夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

韓国ミュージカル『エリザベート』ON SCREEN、感想|違いを楽しむ3時間

7月23日に、「韓国ミュージカル ON SCREEN」5作上映の皮切りとなる作品『エリザベート』を映画館で観てきました。

 

 

今後、「ファントム」、「マリー・アントワネット」、「笑う男」、「モーツァルト!」と上映されるようです。

 

韓国ミュージカルがグイグイ来てる〜!!

natalie.mu

このニュースが発表されたのは、今年の3月28日 でした。全然知らなかった〜 😅

 

「ファントム」、「マリー・アントワネット」、「笑う男」、「モーツァルト!」は、東宝で上演されヅカファン、ミュージカルファンにおなじみですね。

 

韓国は近いのでサクッと現地へ観に行くファンは多いですし、観に行った、とお茶会で話しておられた現役のせいとさんもいらっしゃいました。

 

韓国ミュージカルは、歌唱クオリティの高さが大きな魅力です。

 

出演者はメインキャストと脇役、アンサンブル入れても50人もいないから

すっきりしてますね。

観るべきところに集中できます。

 

宝塚は、ついつい下級生とか、その他大勢の場合「小芝居」とか観てしまったり…ということも。 

 

今回の5作品、一挙公開はすごい訴求力になると思うので、日本人俳優さんたちも戦々恐々かも?

 

宝塚歌劇にはもう『エリザベート』の版権を譲渡しない、的な噂をたまに聞くのですが、本当かしら?

歌唱力を理由にされたら、それはもう諦めもつくぐらいの「実力差」はあるけど。

 

来年は宝塚初演から30周年のアニバーサリーイヤーなので、エリザ祭りかな?と思ってたけど。

演るなら、VISAガールのひとこちゃん(花組トップスター 永久輝せあ)で、よね、とブロともさんのお一人がおっしゃってました。

 

2026年の公演スケジュールが気になります。

 

宝塚・雪組トップスター 朝美絢さんのプレお披露目公演が『愛の不時着』でした。

和希そらくんがヒロインを務めた『梨泰院クラス』。

こちらは、社会現象にもなった人気ドラマの舞台化でした。

 

以前から『マタ・ハリ』(日本初演:2018年)、『笑う男』(日本初演:2019年)なども日本人キャストで上演されています。

『マタ・ハリ』は10月に柚希礼音・愛希れいかのWキャストで上演されますね。

 

演出の違いを楽しんだ3時間でした!

鳥頭なので、3秒で忘れがちなアテクシですけど、もし、お家でライブ配信で観ていたらいろいろと書きとめておけたのに…残念!!

 

覚えているところだけ、アットランダムに…

といいながら、2014年花組の『エリザベート』のプログラムを観てます^^

 

⚠️ 下記感想は、あくまでも管理人独自のものです

 

まず、歌唱は断然韓国版が素晴らしい。宝塚はビジュアル。

ここはもうわかりきってるので…。

 

思ったこと、気づいたことをダラダラ書いていきます

幕開きは、ゾンビたちぞろぞろ…は同じです。棺桶ないけど。

 

韓国のトート閣下は、跳ね橋のような装置が上手から下りてきて歩いて登場されます。

舞台センターの一番高い所で逆光、ピンスポ浴びて登場、の宝塚の方がインパクトあります。

トートが宝塚版より薄味に感じたのは、宝塚版トートが、ロングヘアの鬘とヅカメイクで作り込んでいるから。、

韓国版トートは短髪(地毛?)で、メイクも眦にライン入れているぐらいの普通メイクなので顔だけ見てたら、他のキャストさんとの差があまりないので

「異世界の人」というのがわかりにくいです。

歌唱力は、素晴らしいです、エリザベートとのデュエットや、ルドルフとのデュエットもあるので、聴き所満載です。

 

黒天使も断然宝塚・東宝の方がキリッとしててカッコいいです

片側(左腕)に黒い翼をつけている時もあり、ちょっとおどろおどろしい。

韓国版黒天使は、金髪が…メタルロックバンドのお兄さん風でこれはちょっと…好みではなかった。

 

エリザベートのオク・ジュヒョンさんの歌唱が美しいのと、可愛い声なのでとても引き込まれました。

シシィがパパのところに来る、最初の場面の可愛いことったら、ジュヒョンさん44歳には見えない^^

韓国版は、自作のポエムを読む場面がなくてすっきりです^^

 

姉のお見合いでバート・イシュルへ

エリザベートの一行、遅れて付いた理由、「この暑さ」よ少し休みたいわ、とルドヴィカ(エリザベートの母)が言う場面、

韓国版、遅れの理由は「台風」になってました。嵐に見舞われて遅れての到着だったのか、史実はどうだったのでしょうか。

 

宝塚では、銀橋でネックレスをプレゼントして婚約へ…ですが

韓国版は更にロマンチックで、盆に乗ってでてきたゴンドラ(ベニスのような)に2人で乗り込みます。

スモークの中、ゴンドラは二人を乗せて去っていきます。

ゴンドリエはルキーニ^^

 

結婚式の場面、

宝塚版では、参列者のセリフはないのですが、

韓国版は、まだ子どもね、扱いやすいわ…などと陰口を叩かれているのです。

世間知らずのエリザベートだったことを印象付ける韓国版はわかりやすいなと思いました。

 

初夜を迎えるために、皇帝とエリザベートが寝室に入っていく場面が韓国版にはあって。

側近たちが入っていく所を見届けていました。

小鳥が自ら、鳥かごに入った…とルキーニ。

 

トートとダブル主演、ぐらい出番のある韓国版ルキーニ

トート以上に舞台にいる感じ。

とにかく歌がお上手、芝居がこなれていて、引き込まれました。

ルキーニはストーリーテラーですが、宝塚版よりもっと歌って、芝居に絡んでいました。

カーテンコールでも歌いっぱなし!

とにかく、ルキーニから目が離せない公演でした。イ・ジフンさんか、憶えとこ。

 

ゾフィーはめちゃくちゃ怖くて貫禄があって…フランツを支配する凄みが宝塚以上です。

新婚のシシィの寝室にゾフィが現れるのも宝塚ではない場面。

 

第三の男(トート、ルキーニに次ぐ)、皇帝フランツ。低音(バリトン?)声がいい。

宝塚ではトートはフランツをライバル視していますが、韓国版はあっさり。

 

息子との断絶は、宝塚より明瞭な感じがしました。

宝塚だと、ラスト付近で、皇帝になるのは難しいぞ、と息子にダメ出ししますが、もう少し早い時点で叱責していたような。

ゾフィの前で、エリザベートを選ぶ、とはっきりと言い渡す場面があるのがよかったです。

優柔不断な当初の「牛耳られているフランツ」ではない!

男性が演じているせいか? エリザベートに拒否られてばかりな皇帝に同情しちゃう。

 

 

民衆の不満爆発、ミルクの場面は、韓国版は、最後にミルクの缶を高々と掲げて逆さにする演出が、ミルク缶は空っぽ、一滴もない、と全員で表していてよかったです。

 

 

もうひとり、エリザベートの被害者・ルドルフ

ゾフィの教育に反対して取り戻したくせに、全然面倒見てあげてない。

ルドルフすら、自分の意見を通すための駒にするエリザベート、ひどい。

助けを求めに来たルドルフに、もう解き放たれたから戻りたくない、と息子の助けを拒絶。

宝塚では、ママは僕の鏡だから、と歌いますが

韓国版は、僕がママの鏡だったら、僕を見てくれたのに…とどこまでも母・エリザベートを求めるルドルフ。切ない。

ここの演出も、鏡の枠の向こう側のエリザベートが透けて見えて鏡の向こうとこちら、という演出が巧い。

 

マダム・ヴォルフのコレクション

宝塚ではとてもかわいくて華やかな場面ですが、わりとあっさりめ。

マダムを演じた女優さんは年嵩風(メイクだけかも)で、宝塚の色っぽいマダム・ヴォルフとは違い、置屋の女将さん風でした。

 

宝塚では、マダム・ヴォルフのコレクションのきれいどころが宮廷にやってくる、という設定でしたが

韓国版では、ゾフィの側近のグリュンネ伯爵が一人でマダム・ヴォルフのお店に赴き、お店から、かわいい女性を連れてくるのです。

これが現実的、受け入れられる。

 

宝塚版、あんなに大勢、いかがわしい女性たちが宮廷に来るなんて考えにくいわ。

カンパニーの人数が多いから多くの生徒に役を当てる為でしょうけど。

韓国版は、皇帝の慰めに、と連れて帰ったマデレーネは、よりよって性病持ちだった、と歌っています。

よく考えたら宝塚版の、人魚姿のマデレーネとか…なんだろね、あれ(笑)

 

宝塚版では、聖職者のラウシャーが入れ知恵したことになってます。

聖職者がまさかの!という方がインパクトあるけど。

 

フランツがもらった性病がエリザベートにも移ったこと

ルキーニがエリザベートが倒れる場面で言ってました。

宝塚で「性病」はすみれコードでNGですよね、史実に反するけど、エリザベートは、ヅカではダイエットで倒れたことになりました。

 

エリザベートの死と物語の終焉

ルキーニに刺されて絶命するエリザベート、宝塚版。

韓国版は、もう少し長い場面で、刺されてからまわりが気づくまで少し時間がありました。エリザベート自身、何が起きたかわかってなかったそうです(史実)。

侍女がドレスを緩めるとブラウスに血、誰か〜と助けを呼びに行きます。

 

エリザベートは黒いドレスを脱ぎ捨てると真っ白なドレスになってトートの元へ。

ここのトートは、真っ白のキラキラスーツで新郎新婦か?というトートらしからぬ出で立ちでした。

 

幕開きから、裁判長への説明が本編という趣向なので、エリザベートが亡くなったところで説明終わり、

ルキーニは自らロープを引き寄せ首を…

 

以前、雪組の『仮面の男』(児玉明子演出)で囚人たちが並んで首吊ロープを首にかけて歌うシーンがありました。

あまり気分のいいものではないですね。

 

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エリザベートの人生を象徴するような帆船

子役のルドルフが帆船の模型を持って出てきます。

ママに会いたい、というルドルフに会ってはいけない、と冷酷に言い渡すゾフィ。

 

一人で寝るベッドの横に帆船は置かれていて、暗闇で(目を閉じて)そっと触れているのはママを思っているから?

 

2幕の「夜のボート」の場面でエリザベートがこの帆船を持って登場。

もう一度やり直したい皇帝はガゼボでエリザベートが来るのを待っています。

エリザベートは、それぞれの人生を歩むのだ、とスモークのたかれた盆の上にそっと置くと

帆船は静かに霧(スモーク)の中を去っていくのでした…

 

く〜〜  この演出、素敵〜 めっちゃ余韻残りました!

 

婚約の際は、2人で舟に乗って同じ方向を見ていたのに、いつの間にか離れ離れになってしまったのね…

 

エリザベートの肖像画と重ねる手法

皇妃・エリザベートの肖像画の映像がバックに映った時に

同じ衣装、ポーズで立つオク・ジュヒョンさん。

 

この演出が素敵でした。

圧倒的存在感!を示す場面です。

 

鏡の間の、扉の奥からエリザベートが現れたときのおぉ!と息を呑む演出は宝塚の方が感動的。

 

 

舞台装置や映像など

宝塚は大道具さんが、本物に忠実にセットを作り込まれますが、韓国版はセットはあまりお金がかかってないシンプルな感じ、

 

それを補うように、映像が美しくリアルでした。

 

韓国版の一番大きな装置はトート閣下の下りてくる上下するブリッジ。

 

セットや衣装、かつらなどは断然宝塚版が美しく、ビジュアルで優勝♪

歌唱は韓国圧勝。

 

好みは人それぞれです。

曲もストーリーも同じで変わってきますね、演出の違いが興味深かったです。

 

もっと書くこと会ったと思うけど、4500文字以上になったので、今日はこのぐらいにしておきます。^^

 

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