「柳生忍法帖」 2021年10月5日 15:30公演を観てきました。
今回S席観劇3回、どれも似たようなセンター席で写真が代わり映えしない…
幕が降りた瞬間、友人と顔を見合わせて苦笑。
観劇感想は、観劇した人の数だけあると思います。
今回は、「柳生忍法帖」への偽らざる思いを書いていますので、マイナスな言葉を聞きたくない方はブラウザバックお願いします。
友人夫婦は、好感触の様子。
大満足されている方もいらっしゃるので、あくまでも一意見として御覧ください。
礼真琴演じる隻眼の天才剣士・柳生十兵衛が、強大な敵に挑む宝塚剣豪秘録『柳生忍法帖』。星組がお届けする、山田風太郎氏の心沸き立つ世界に、どうぞご期待ください。
宝塚歌劇公式HPより引用
この説明のとおり、十兵衛(礼真琴)が強大な敵に挑んだなら、どれだけ胸のすく勧善懲悪の物語になっていたことか。
今回は、堀家の女性たちへの軍学指南役。
仇討ちは、女性たちに任せるため、十兵衛は手出しをしないことになってます。
漆戸虹七郎の脚の筋を切るのは「あり」なんですね。
武蔵と小次郎のような直接対決は、漆戸(瀬央ゆりあ)との対決のみ。
舞台上手袖にいて、決闘を見守る役。ちょっと物足りない。
ヒーローだけど、ヒーロー感が薄かったです。
コメディ仕立てで、小説の良さが感じられない
ページを繰る手が止まらない「柳生忍法帖」を舞台に載せたら、こんな風になっちゃったのね。
以前にもコメディ?と書きましたが、ところどころ笑えるのはいいのですが、全編セリフ回しが軽すぎる沢庵和尚(天寿光希)。
すごく癖が強いセリフまわしが気になりました。
こっちゃん(礼真琴)の十兵衛も、立ち回りや身のこなしが機敏でカッコよくてヒーローなのに、セリフをしゃべるとなんだか軽くて「小者感」が出てしまいます。
小説では、極悪非道の当主・加藤明成、悪の権化のような役で、芝居巧者のオレキザキ(輝咲玲央)がキャスティングされて、楽しみにしてたんですが、これまた、軽すぎて、全然悪役に思えない。
正義の対極にいる悪が、七本鎗含め、小説で描かれているほど悪くないのです。
善と悪の落差が大きいほど面白いのに。
花組の「MESSIAH」で、
島原藩藩主の松倉勝家の厳しい年貢取り立て、キリシタン弾圧の様子が描かれ、勝倉憎し、の気持ちが、ヒーロー・天草四郎への思慕を駆り立てました。
今回の加藤明成や七本槍の悪事は、セリフで説明されるだけで、分かりづらい。
しかも オソロシイはずの明成が、ヘタレな感じに描かれているのも解せないです。
役者の配分、セリフの分量がアンバランス
ゆら 舞空瞳
トップ娘役で、幕開き一番に登場、そして、ラスト、こっちゃん十兵衛が銀橋を渡っている間に本舞台でスポットライトの中せり上がり下がり。
十兵衛とは、舞台上での絡みというか、感情のやりとりがあまりないので、取ってつけた感があります。
娘1だから用意した場面、という感じ。
なこちゃん(舞空瞳)は可愛いし、衣装も豪華で、アイキャッチですけど…
セリフ場面があまりないのに、父親・芦名銅伯が憑依している場面、なこちゃんとあいちゃんの声が重なっているのです。
もともとセリフ少ないのに…
初回(9月19日)は聞き取りにくかったのですが、今回は割と聞きやすかった。
それでも、長いセリフだと、ズレが気になって…
3回観て、「お慕い申しておりました」がようやくゴックンできたのですが、衣装が重いせいか、あまり動きもないので ちょっともったいない なこちゃんの使い方だと思いました。
芦名銅伯 愛月ひかる
2番手の愛ちゃんの退団公演ですが 宝塚人生最後のでこのお役、あまり魅力的に感じず 残念。
「十兵衛の敵」なので、2番手の愛ちゃんなのでしょうか? ん~~~。
数々の難役・悪役をこなしてきた愛ちゃんには適役かと思ったけれど、これまたそんなに悪い感じでもなく、中途半端。
天海大僧正と双子で、天海の自害とともに芦名銅伯も絶命…って意味不明。
原作の下巻読んでないからわからないけど、これでいいんですかい? 愛ちゃんの最後のお役…。
沢庵和尚 天寿光希
出番も、セリフの量も、2番手の愛ちゃん(愛月ひかる)よりも、3番手のせおっち(瀬央ゆりあ)よりも断然多くて驚く。
小説よりも目立っていて、癖のある台詞回しも、コメディ感があって馴染めずorz
みっきーは、お芝居が上手だと思っていますが、今回のお役は…(ry
千姫 白妙なつ
東慶寺門前での七本槍の横暴を、収めたまではいいけれど、説明セリフが長い。
救いは、滑舌と発声のいいなっちゃんだから 聴いてられるけど、長台詞、説明セリフは、集中力が必要で疲れます。
中だるみの原因にもなるのも残念。小説より、存在感を増している千姫様でした。
トップ娘役や2番手が出番やセリフが少なく、沢庵和尚が出過ぎで、なんだかアンバランスに感じました。
若手にチャンスを与えないと、育たないよ…orz
渋い!朝水りょうの柳生宗矩(やぎゅう むねのり)
こっちゃん十兵衛の父親・柳生宗矩役の朝水りょうが渋い。かっこいい!!
ニコリともしない父親・宗矩の前では、いかに十兵衛であろうとも頭が上がらず、といういのが面白いです。
柳生宗矩(朝水りょう)のような渋さで、加藤明成や沢庵和尚を作ってくださったら、もっと感情移入できたのではないかと思います。
礼真琴も10年に一度の逸材!!
こっちゃんは、動いているときや立ち回りは、キレッキレでかっこいいのに、ちょっと三枚目な十兵衛に描かれているので そのギャップを楽しめば良いのでしょうけれど、私は徹頭徹尾、かっこいい十兵衛でいてほしくて…。
素晴らしい低音ヴォイスのこっちゃんの歌唱を堪能しました。
ビシーっと矢のように耳に、心に刺さります。
「柳生忍法帖」で、こっちゃんが歌い出すと、わやわやした舞台の中で、こっちゃんがクローズアップされて 芝居が3段階 レベルアップする感覚!
かつて 星組トップスターだった柚希礼音さま(85期)が「10年に一度の逸材」と称賛されましたが、
今また、星組トップスター・礼真琴(95期)も「10年に一度の逸材」だと思います!!
絶賛、大満足されている方もいらっしゃいます
ですから、未見で、いろんな噂を気にされる方は別ですけど、さらっと一度は観たほうが良いです♪
緊急事態宣言明けの10月2日の土曜日は、立ち見も出てたそうです。
平日の2回公演は…1階23列以降、ほぼガラガラ。2階も推して知るべし?
星組で、こんな空席観たこと無い!という程。
緊急事態宣言で売止めになってましたから、急に緊急事態宣言が明けても予定を入れてしまって行けない、という方もいらっしゃるのでしょう。
でも、新たなリピートはきつい、という噂も耳にします。
私も予め友会で取った4公演を観ます。
残りはSS席。
良いお席で船を漕いだりしないように、脳天を舞台に向けることのないよう、しっかりと観たいと思います。
前の方はキラキラがいっぱい飛んで来るから、睡魔も来ないかも!
そうそう、この公演、文化庁芸術祭賞の参加作品なんですよね。
観る前は、こっちゃんの歌唱力と、星組組子の熱演でイケるんじゃないかと思ってたんですが、今はちょっと…