月組『Eternal Voice』 2024年4月23日、11時公演を観てきました。
れいこちゃん(月城かなと)、うみちゃん(海乃美月)、生観劇での見納めでした。
以下、個人の感想です、タイトル通り、思ったことを正直に書いていますのでご理解いただける方のみお読みください。
⚠️ネタバレあります、ご注意ください。
なんか、釈然としないもやもやが残るのは何故?
このもやもやはどこから来るのでしょうか?
難しいストーリーでもなく、英国の歴史(メアリー・スチュアート、ヴィクトリア女王の服喪)も織り込まれていて、
カトリックvsプロテスタント、英国議会、降霊会などのモチーフも興味を引きますし、ストーリーも破綻してないけれど
観終わった後に、( ゚д゚)ポカーン
観〜て〜た〜だ〜け〜〜〜。
全く感情を動かされなかった…orz
ストーリーだけがスルスルと脳みその表面を滑り落ちていきました。
王室不要論の自由党議員のゼイン(高翔みず希)も捉えられ、ユリウスとアデーラの活躍も認められてめでたしめでたし、のはずなのに。
重箱の隅を突くようで恐縮なんですけど、
ヴィクトリア女王のセリフで、
ミスターユリウス、ミスアデーラ、と呼びかける場面にものすごい違和感を感じます。
ミスター、ミスの敬称の後に、ファーストネームのみ、はありえない間違いです。
親しみをもってファーストネームで呼びかけるなら、ミスターもミスも必要ないのに。
ロイヤルファミリーに多大な貢献をした人に与えられるというガーター勲章をもらった二人、胸熱…とはならなかったのです、取って付けたみたいなシーンに感じました。
特定秘密局
正塚先生の好きそうな、「秘密」。
ここに、風間柚乃くんや、次期トップ娘役の天紫珠李ちゃん、菜々野ありちゃん、花妃 舞音ちゃん、
いつもいいところで使われているみよっしー(柊木絢斗)、と見どころたっぷりです。
元気な局員とほんわかな局長(夢奈瑠音)の対比も面白いし、正務先生が狙っている?
阿吽の呼吸で、セリフの応酬は、こちらが緊張してしまうのですが…^^;
見どころかな?
王室不要論者
エゼキエルの(彩みちる)とマクシマス(彩海せら)の霊媒師と呪術師の姉弟は、笑いを取る場面、というかスパイス的な場面。
みちるちゃんが霊媒師ならでは?のエキセントリックな感じをうまく出していましたが…、大変だったと思います。^^;
二人を利用しているゼインに花組以外の組に初特出の高翔みず希さん、なんだか新鮮です。
凛城きら休演につき 役替りの3役
専科のりんきらさんが正塚作品に特出、と聞いた時は、楽しみで仕方なかったのに、
初日と翌日の計3公演のみで休演されてしまわれました。
宙組の『パガド』並の、なんとかスカイステージの初日映像で観れるだけという、あっと言う間に観れなくなってしまいました。
東京公演には戻ってこれるでしょうか?
正塚芝居の面白さを堪能させてくれるのがりんきらさん(凛城きら)。
飄々とした、味のあるボケや、独特の間を表現するのがお上手です。
今公演の骨董店のジェームズも、正塚先生が思い切り当て書きされていたと思うので、りんきらで観れないのが残念です。
役替りは、
セバスチャン 佳城葵 →大楠てら(102期)
ハミッシュ 大楠てら →爽悠季(103期)
ジェームズ
やっちゃん(佳城葵)も芝居巧者ですから、ちょっととぼけたおじさん役を巧みに演じて健闘しています。
それでも、やっちゃんに、りんきらを重ねて観てしまって…ごめんなさい。
セバスチャン
バチカンの守護戦士、教会の闇の部分を背負っている感じで、言葉は発しないけれど、すごい圧を感じさせる怖さがあります。
長身のてらくん(180cm)が見事に演じていて…
逆にこの役はやっちゃんは想像がつかないです。
ハミッシュ
フォザリンゲイの丘の上でメアリー・スチュアートの心臓の入った鉢を掘り出す村人役。
このお役も…元のキャストの大楠てらくんより、役替りの爽悠季くんの方が合ってるような??
英国王室関係者は出番少なめ
なんといっても、最後の最後に登場するヴィクトリア女王役の梨花ますみさんの出番が少ないです。
大御所は最後にちょっとだけ?
『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』の五峰亜季さんも、最後にどっか〜んと登場されてましたし^^
今公演、出番は少ないものの、メアリー・スチュアート役の歌上手・白河りりちゃん、目立つお役で、ひとりだけ真っ赤なドレスが印象的。
美声聴かせてくれていて、
侍女のアンナ役の歌上手の麗泉里ちゃんとの場面も素晴らしい歌声で耳福なシーン。
心に残る場面ですが、出番はここのみ、ですね。
アンナの血を引いているのが、霊感のあるアデーラ(海乃美月)なのね。
れいこちゃんとうみちゃん、最後の作品もお二人らしく
ワタクシ的に、ストーリーは淡々と進んでいるように思います。
何かが呼ぶ声が聞こえる…同じ体質の二人が
メアリー・スチュアートの魂の叫びを感じて、フォザリンゲイ(メアリー・スチュアートの城のあった処刑地)へと導かれます。
正塚作品だけに、トップコンビの間にキラキラの愛があふれるでもなく、さらっとしています。
でも、それこそが、れこうみらしい、静かに燃える青い炎のようで(青い炎は、赤い炎よりも高温)、微笑ましかったです。
多くを語らずとも思い合ってるような安心感と言いますか。
世代交代で、また一つの時代が終わったんだと思うと寂しさが募りますが、東京の大楽まで元気に駆け抜けていただきたいです。
なんか語り足りない気がするけど…ま、いいか。