『39 Steps』 2024年4月30日 11時30分公演を観てきました。
客席には、雪組トップの彩風咲奈、諏訪さきほか5名のジェンヌさん(『ALL BY MYSELF』組)。
専科のカチャ(凪七瑠海)と雪組のメンバーがタッグを組んだ『39 Steps』期待以上に面白く、
お芝居に続くAct 2のショーがこれまた素敵で…
お芝居もショーともに大好きだった花組公演、『MESSIAH』『BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』に匹敵する満足感でした(個人的好み)。
目次:
⚠️ネタバレ箇所あります、ご注意ください
「スパイもの」なのに、コメディとショー要素たっぷり!
スコットランドの作家、ジョン・バカンが1915年に書いた『39階段』は、世界初のスパイ小説と言われています。
『007』のような大掛かりな国をまたいだ大活劇ではなく、ほんわかラブロマンスあり、ショー場面ありの宝塚版『39 Steps』、
ラストは胸のすく思いのそう来たか!!なハッピーエンド。
キャストが発表になったときの「顔に傷のある牧師」(叶ゆうり)が、いかにも一癖ありそうな、悪役の香りがプンプンしてたのですが、やはり…^^
スカーフェイスは、悪者だったわ^^;
「手下の男」(壮海はるま・蒼波黎也)は誰の手下かというと、牧師の手下です。
ミュージックホール『アリアドネ』が舞台で楽しさ倍増!
ヒロイン・アリス(野々花ひまり)はミュージック・ホール『アリアドネ』のショーガール。
…ということで、ショーや、ダンスの練習風景も多く、娘役さんたちの見どころたっぷり!!
MCの久城あすくんとボーイの紀城ゆりやくんも。
ひまりちゃんがダンス、芝居、歌唱で安定の実力発揮、プリプリのプリンス、カチャとの息もピッタリでキラキラしてました。
研22のカチャが、軽やかに演じ、雪組に溶け込んで
カチャ(凪七瑠海)と言えば、雪組の前トップ・望海風斗さんと同期。
退団後のご活躍も目覚ましいだいもん(望海風斗)と同じぐらい、宝塚でご活躍のカチャ。
今回は、すっかり重鎮の学年なのに、そんなことも感じさせず、以前から言ってますが、親和性の高い雪組生と和気あいあいの舞台で観ていて楽しいです。
この作品には、2番手役がないので、カチャのための作品、という意味合いが大きいです。
(お餞別か、と疑っています ^^;)
出演者の滑舌がよくストレスフリー!
特にセリフが多い、
凪七瑠海さん、野々花ひまりちゃん、組長の奏乃はるとさん、久城あすくん、妃華ゆきのちゃん、叶ゆうりくん…
皆さん声が良い、滑舌良くてセリフがスッと入ってきて気持ちいい!
演劇役者は「一声、二振り、三姿」、といったのは世阿弥だと言うのでちょっと古いですが、声が通ると聴くものの意識が集中しやすいです。
マイクのない時代は余計ですが、マイクがあっても、滑舌のいいセリフは、空気を切って鼓膜まで進んでくるように感じます、そして脳みそに刺さりやすいのです。
今公演、ストーリーは面白いし、ダンスシーン多いし、コメディだし、出演者がいきいきしていて楽しかった〜♪
39 Stepsの謎と顔に傷のある牧師集団
リチャード・ハネー(凪七瑠海)の部屋に入り込んで亡くなった男・スカッダー(和奏樹)が死の直前に口走った言葉「39階段」と彼に託された黒革の手帳。
お陰で警察からは殺人容疑で追われ、偽牧師の手下からも黒革の手帳を狙われて。
自宅の時計の中に隠した手帳を楽屋にある衣装で変装して取りにいくことにしたリチャードの変身お着替え、ヘンリー8世、ナポレオン…
最後に決めたのは、謎の中国人・クァーチャー(カチャ)。
牛乳瓶の底のメガネをかけて、筮竹を振り回して、刑事(紗蘭令愛)を煙に巻いてまんまと手帳を持ち出すことに成功!
手帳を狙う叶ゆうりが最高! 濃ゆいわ〜^^
手下の二人(壮海はるま・蒼波黎也)も長身でクールでかっこよい♪
39 Steps、ステップは階段のことじゃなくて…「ステップ違い」で待ち合わせ場所の謎が解けました。
ハネーはアリス(野々花ひまり)の機転でピンチ脱出!
ラスト、そういうことだったのか…(ここは配信あるので内緒にしておきます)
『アリアドネ』でのシーンは、びっくり&胸熱で、感動!
田渕先生の筆が光る、『39 Steps』でした。
田渕先生、宙組にもこんな楽しい作品書いてほしかった…
Act1の『アリアドネ』でのショー、という趣向のAct2
自分用備忘録ゆえ、ネタバレしてます。
幕開き、壇上に真っ白のスーツのカチャにピンスポが集まって眩しいぐらい。
すごくキャッチー!
スパイものだ、ということで、ゴールドフィンガーで娘役さんの群舞、男役さんの群舞、
007のオープニングのテーマ曲(ジェームズ・ボンドのテーマ?)で紗蘭令愛くん以下若手8名(紗蘭令愛、蒼波黎也、和奏樹、紀城ゆりや、藤影ゆら、乙瀬千晴、榊歩、清見ひかり)で。
21人のカンパニーだから、若手も顔や名前を覚えてもらえて美味しいです^^
美しい…
若い将校の壮海はるまと叶ゆうりがマタ・ハリを取り合う場面は、短いけれど濃厚な愛憎ドラマで、息をするのを忘れて見入ってしまいました。
田渕大輔先生演出の花組公演『アウグストゥス』では、カチャにクレオパトラ役を当てた大輔先生ですから、カチャのスタイルと女役を高く評価されてのことですね。
コミカル場面の名探偵ニワニワにはヒマリとサランという助手がいて…Mr.カチャを探せ…なのですが(ニワニワとサランくん、下手前方にちょこっと客席降りあり)
ここで、カチャがかつて演じた舞台写真が壁に次々と投影されます。
そうか…これをご覧になった方が、カチャのお餞別公演ではないのか?とおっしゃるのも無理はないです。
クラブ・コパカバーナでは、あべちゃん(叶ゆうり)がセンターでソロ、もらってました^^
久城あすくんとかあべちゃんとか…耳福場面多し♪
娘役さんのブルーダイヤモンド場面はしゃんたん(壮海はるま)が聴かせてくれました。
そして、黒燕尾…35分のショーに、黒燕尾まで盛り込んでくださった田渕先生に感謝です!
カチャが残って、壇上から登場するひまりちゃんとデュエット。
ここ、カチャ出突っ張りの踊りっぱなしなんですが、ホントすごいわ。
大劇場公演じゃない短期ならできるのかも?
ひまりちゃんとカチャのデュエットもうっとりする美しさでなんか胸熱。
カーテンコールの紹介場面も楽しそう
下級生から順に、役の衣装を身に着けての登場で、みんなとてもうれしそうです。
下級生に「ワクワク(今公演のキーワードはワクワク)」を聴くコーナーは、
乙瀬千晴くんと星沢ありさちゃん。
乙瀬千晴くんは、紀城ゆりやと同じ犬種のミニチュアシュナウザーを飼っていて、
いつか一緒にお散歩したい、と思っていたから…
昨日(4月29日月曜日)、4人?(二人と二匹)でお散歩できてワクワクしたそうです。
ありさちゃんは、公演が終わったらパンをたくさん食べたい!と、可愛い希望。
昨日は、公演折り返し地点だったので、あと少しでパン食べられますね^^
観終わったあとに、良いもの観た〜っていう満足感でいっぱいになった『39 Steps』でした!!
出演者の皆様、田渕先生、ありがと〜!
スタッフ(覚え書き)ー助手が大勢!
脚本・演出 田渕大輔
作曲・編曲 青木朝子、植田浩徳、多田里紗
振付 御織ゆみ乃、若央りさ、AYAKO、桜木涼介、三井聡
擬闘 栗原直樹
装置 川崎真奈
衣装 薄井香菜
照明 佐渡孝治 → 今回の照明、良かった!感動に直結!!
演出助手 竹田悠一郎、谷垣開🆕
音楽助手 城家菜々
振付助手 鈴懸三由岐、井上弥子
擬闘助手 西村聡
装置助手 山本真澄
衣装助手 渡邉佳菜
照明助手 嶋田友紀子
音響助手 澁谷博
スタッフの高齢化も進み、ブラックな働き方で辞められた方も多かったのかな?と深読み…
最近よくスタッフ募集されていたので、これからご活躍のスタッフさんの学びの場なのかな?
竹田先生や、鈴懸先生は以前からご活躍ですが…
サポートに入っておられるのでしょう。
今回の2部のショーが素敵だったので、田渕大輔先生には、本格的にショーの演出、どんどんしていただきたいです。