今日はそろそろ、会見の話題から離れようと思っていたのに…
神戸新聞ニュースを読んだら、またちょっと語っておきたくて、思ったことを書き留めておきます。
目次:
本気度の低い劇団の仕事に世間が集中砲火
遺族側会見をきっかけに、歌劇団を運営する阪急電鉄や、阪急阪神ホールディングス(HD)の姿勢を問う声が上がり始めた。
《中略》
ところが、11月10日に東京で遺族代理人が会見をしたことで論調は一変。長時間労働による心理的負担や、上級生の暴言が指摘され、過重労働問題として受け止められるようになった。
《中略》
歌劇団が調査報告を公表した14日には、Xで「宝塚の会見」「宝塚歌劇団」がトレンド入りし、ファン以外からも大きな注目を集めた。特に、いじめやハラスメントについて歌劇団が「確認できなかった」と説明したことに非難が集中。芸能界という枠を超えて、働き方、人権といった言葉が相次ぎ、「HDのイメージを左右する」「一般企業なんだから不祥事に対して株主は厳しいよ」と企業姿勢を問う投稿が続いている。
引用元:神戸新聞NEXT
▼外部リンク
阪急電鉄が批判の的に 宝塚歌劇団員急死問題、SNSの論調が遺族側会見で一変|社会|神戸新聞NEXT 2023/11/16 18:35
先日も記事にしましたが、宝塚歌劇団が11月14日の16時から開いた会見を聴いて、なにこれ…とボーゼンとしてしまいました。
確かに、過重労働問題があったことを認め謝罪、阪急阪神HDや劇団の幹部の方には減給というペナルティを課し、改善策も発表しました。
過重労働の件については亡くなられた生徒さん含め、すべての生徒さんにも朗報であり納得のいくものでしたが、
多くのファンが感じたのは、パワハラについて認めず、調べたけど何も出なかったよ〜というテキトーな回答で終わらせたことに対する絶望感でした。
今までも、このようなことがありましたが、今回は尊い命が失われてしまった、
その原因は、組織としてきちんと対応してこなかったからに他ならないと思っています。
今や、NHKゴールデンタイムのニュース7でトップニュース、翌日の朝刊の第一面で報道される事態に世間は、あの「清く正しく美しく」と唱えている集団だよね?と思っているのでは?
それだけに、批判の嵐が吹き荒れています。
遺族側代理人弁護士の川人弁護士の正論
今年2月に文春砲を受けた時に、プロデューサーから亡くなられた生徒さんに電話がかかってきたそうです。
お母様もいらしたので、やりとりは共有されているんですね。
プロデューサーが噛んでいるにもかかわらず、10月7日の会見で木場理事長は、なぜこうなったか全くわからない、と無表情で棒読みでした。
その翌日、上級生が亡くなられた生徒さんを会議室に呼び出した、その会議室を予約したのもプロデューサー(生徒名では予約できない)。
上級生4人が「このことにはもう触れないで欲しい」と希望した彼女の気持ちを踏みにじり宙組劇団全員がいる場でこの問題を取り上げました。
この上級生4人、というのが、ヒアリングを拒否した4人でしょうか?
文春報道に登場した4人の生徒さんなんでしょうか?
それにしても川人弁護士の会見を聴いていると、プロデューサーが本当に罪深い。
辛い、という悩みを打ち明けたのに取り合ってもらえなかったと言っていたようですし。
直接パワハラ行っていた生徒4人と同罪のかほり…
謝ったら死ぬ病?
「怪我をさせておきながら、謝罪を何一つしていない。謝罪をすることは、不可欠な同義です。劇団はこの問題について、故意ではないというだけで、怪我をさせた事態のことについては何ら批判をしていません。」(川人弁護士)
96期事件の時に、宝塚歌劇団って頑なに謝らないのだな、と苦々しく見ていました。
親元から離れて暮らす未成年の少女たちの中でいじめる側、イジメられる側を作ってしまったのは、ひとえに指導者側、管理側、大人の責任なのに、未成年の生徒たちを矢面に立たせて、自分たちのことは棚に上げて逃げました。
世間でも不祥事などが発覚したらまず、校長が管理責任ができていなかったことを謝罪するのに一切しなかった劇団です。
これは、アメリカ的に、謝ったら負け、ってアドバイスする弁護士がついているのか、と思ったほどです。
そして、不思議なことに、劇団は、必ず加害者を守る、という悪手に出ますね。
証拠のLINE
「調査委員会はLINEで亡くなった彼女が訴えて書いたことについて、ほとんど全て否認してるんですよ。」(川人弁護士)
以前に、LINEがある、とおっしゃってたのに、会見で全くその話がでないので不思議に思っていたのですが、意図的に、(と管理人は思っていますが)そこに触れていなかったんですね。
やはり、調査は第三者委員会にお願いすべきでしたね、劇団はいやでしょうけど。
もう一度、きっちりと第三者委員会で調べ直すか、
きっちりと法廷で、証拠を精査して判断してもらうかしないと納得できないですね。
今回の会見は、劇団から一方的に言いたいことを都合よくまとめただけ、な印象です。
今までは大丈夫でも、これからもこの手が通用すると思ったら大間違い
劇団がテキトーにお茶を濁して幕引きしてもなんとかなってきた過去があります。
今度こそ、と期待したのがあっさり裏切られてボーゼンとしてしまったのかも。
今回は、敏腕弁護士が付いておられます。
そして一番変わったのは、世間の目が厳しくなっていること。
96期事件のときは、音楽学校の生徒さんで、劇団員ですらなかったけれど。
今回は、多くのメディアが取り上げ、会見は中継で放送されるほど注目度が高かった。
それだけに舵取りは慎重を要すはずですが、いつもの手を使ってしまって非難轟々。
ホント、宝塚歌劇団は、世間を敵に回すのが上手。
ついには、本体(親方)の阪急阪神HDへの風当たりも強くなっているというのも懸念材料ですね。
スポンサーがざわついているのではないでしょうか、下りたほうがいいのかな、と。
第二のジャニーズ事務所になりかねない大ピンチ。
というのも…
「縦の関係を過度に重視する風潮をそのまま容認し、上級生のパワハラ行為を認定しない」(川人弁護士》
過重労働は、長期に渡ると健康に害を及ぼします。
が、過重労働よりきついのが、パワハラだと思っています。
たとえ重労働であっても、期間の終わりが決まっていたり、共に働く仲間とがんばろーという仲間意識と励ましがあれば乗り切れます。
過重労働に加え、度重なるパワハラはメンタルやられます、亡くなられた生徒さんは本当にお気の毒な環境でした。
「エンターテインメントの世界の中でも宝塚歌劇団は特別で、聖域化された存在だったのではないか。そのイメージが劇団側のおごりにつながり、時代錯誤な厳しい上下関係や、長時間労働につながっていたのではないか」同志社女子大学の影山貴彦教授談
引用元:NHK NEWS WEB「宝塚は聖域化 そのイメージがおごりに」
▼外部リンク
宝塚歌劇団 劇団員死亡 長時間活動など強い心理的負荷の可能性 | NHK | 兵庫県
公演が終わってからも新人公演のお稽古を遅くまで頑張っていた、との生徒さんのお話、よくインタビューなどで耳にします。
元雪組トップ娘役の朝月希和さんの芸名の由来も、お稽古頑張った帰り、ふと見上げると朝空に月が出ていた(有明の月)ところから付けられたのでしたね。
音楽学校の時から、厳しいのは当たり前、長時間労働は当たり前、むしろ「美談」、という場所なので世間とのズレに気づきにくかったのでしょう。
11月14日の会見は、「会見を開いた」という既成事実を作るための会見のように思えて仕方がないです。
来年は宝塚110周年
年が明けたら、すぐ1月9日から宝塚音楽学校の願書受付が始まります。
2024年度の試験の競争率は…?
少子化もあって、毎年競争率が下がっていることに危機感を覚えて、最近では地方でもタカラジェンヌが生まれる所、とCMを流しているそうですが
こんなところに大切な娘を預けたいと思うでしょうか?
競争率が低くて受かりやすいかも??と逆に受けたい層もいらっしゃるでしょうね。
110周年の年に入学、にこだわりのある方はいる?
初舞台生が「清く正しく美しく」の挨拶、世間から冷ややかな眼差しで見られそうですが…
来年の株主総会、厳しい質問が飛んできそうです。
こんなに夢があってきれいな舞台は他にはありません。
だから宝塚はずっと続いて欲しいです。
劇団からしたら、生徒さんたちは商品に例えられます。
商品だとしても、タカラジェンヌは心を持った人間だということを忘れないで欲しい。
世間の感情を逆なでするような手法で今まで乗り切ってきた劇団ですが、生き残りをかけて、今度こそ、襟を正して誠意のある劇団運営をしていただきたいです。