先日、テレビを観ていたらダイハツ工業の車両の認証試験をめぐる不正の記者会見の様子など報じていました。
そうよ、これが世間一般の不正、不祥事が起きた時の対処の仕方よね、と宝塚、阪急阪神HDとの違いを目の当たりにして、企業体質の差に愕然。
ここが違う、宝塚とダイハツ・トヨタ
今年4月 内部通報により不正が発覚
今年5月 ダイハツと利害関係のない外部の法律面及び技術面での専門家から構成される第三者委員会を立ち上げ
ここだけでも、宝塚歌劇団の場合、
内部通報: できても上層部が捻り潰してなかったことになる
亡くなられた方は、上層部に相談したが、結局なにも改善してもらえなかったし、阪急にも伝わらず
第三者委員会: 第三者委員会を設置する予定はないとして、阪急と関係の無い法律事務所にお願いするとしたが…結果、阪急と関係のある大江橋法律事務所に依頼
ダイハツの車両試験の不正は滋賀のテクニカルセンターで行われたそうです。
正義感のある方の告発で明るみに出ました。
親会社のトヨタの豊田章男会長が滋賀工場に原因究明の視察に行った際、
「この中に告発者がいらっしゃると思います。本当に、言ってくれてありがとう。」
さすが世界のトヨタ。
この一文読んだときに涙が出そうになりました。
隠蔽体質が不正やイジメの温床になる
ひるがえって宝塚歌劇団。
都合の悪いことは隠蔽、隠蔽でなかったことにして、
都合が悪くなると責任ある立場の人間を辞任、退任という形でトカゲの尻尾斬り。
本当に無責任。
口では真摯に対応とか言っていても、実際あとになってから
真摯に対応してなかったことが発覚するので、企業として本当に恥ずかしい。
宝塚では「正そう」として勇気のある発言を行った者は、理由なき休演に処されます。
トヨタの会長を見習うといい。
不正を正す告発を行った人にお礼を言える器の大きさ、素晴らしいです。
なぜ不正を行うようになったかの原因究明でも
ダイハツ工業がトヨタ傘下に入り、利益を上げるために人員削減、新モデルが早いサイクルで出る、など社員に負担がかかり、不正が起きてしまった、と結論づけ、謝罪しています。
トヨタの中嶋副社長は、
ダイハツの不正体質を見抜けず、「供給増が負担だったと認識できず反省」と反省の弁を述べておられます。
トヨタグループ、ダイハツの不正体質見抜けず…中嶋副社長「供給増が負担だったと認識できず反省」 : 読売新聞 2023.12.21
絶対謝らない宝塚歌劇団と大違い!!
中島副社長と村上理事長は同じ大学を出ておられるエリート同士。
入った企業の体質に違いがあるとこうも対応に差が出るのか…と、ある意味阪急阪神HDの社員の方はお気の毒だな、と。
「トヨタは一連の不正をグループ全体の問題と受け止め、再発防止に取り組む方針を示している。」(上記読売新聞記事より)
会長の資質も問われるところ。
利益第一主義は最前線の人間に負担をかけていることを念頭におくべき
宝塚歌劇団と共通するのは「利益を追求する余り 従業員に負担をかけた、結果の不祥事」
以前と違い、宝塚でも大劇場公演(本公演)の合間に、別箱公演を定期でいれるようになりました。
そのせいで、本公演の大楽が終われば、すぐに別箱公演のお稽古が始まる、という過密スケジュール。
しかも、外部の先生を招くと振り付けの難易度の高いダンスなどを要求されます。
そのため、自主稽古が必要になり、ひいては過重労働、ということに。
ファンは見ごたえのある場面を拝めて嬉しいのですが、出演者は本当に大変ですね。
外部の振り付け師の難易度の高い振り付けは、外の舞台の方だからOKなのでは?と思います。
難易度の高い振り付けを踊られるのは、主演(ほか、プリンシパル)ではなくダンスユニットの方、アンサンブルの方たち。
宝塚は、歌って、踊って芝居して、を宝塚、東京で2ヶ月以上続けます。
特にメインキャストが踊る場合、体力的な消耗は計り知れません。
男役さんは、役の上で男性ですが、中身は女性なのに、娘役さんをリフトもしますし。
メインキャストの生徒さんたちは、舞台以外にスカイステージや、機関誌用の写真撮影、インタビューなどの仕事もあるので、時間に追われているのでしょう。
西宮労基署が入るのも納得ですね。
金儲けに走れば、結局足元を掬われる。
製品なり、舞台なり、作っている社員・劇団員を大切にしないといつかそのしっぺ返しが来る。
起きてしまったら、対処のしかたで天と地の差
でも、ひとたび事が起こった時の対処の仕方で、さらなる炎上を呼ぶか、
内部告発という自浄作用が働いて、上が適切に動いたかどうかで大きく結果が分かれるな、と。
宝塚歌劇団の場合は、
・第三者委員会を設けなかったこと
・第三者委員会ではない調査チームの報告書をもとに会見を行ったこと
・過重労働のみ認めて謝罪したものの、パワハラはなかったと結論づけ幕を引こうとしたこと
第三者委員会を立ち上げなかったのは、調べられると困ることがあるからではないか、とファンや世間がもつ印象です。
11月14日の会見の後の炎上はもう焼け野原になりそうな勢いでした。
劇団が自分たちの都合のいいように報告して終わりにしようとしてるのが見え見えだわと思っていました。
さすがに今回は今までのようにいかず、戸惑っているのでは??と言ってるうちに労基署が立ち入り調査に入って…
今までのように有耶無耶で押し切ることもできなくなったのは朗報。
宝塚歌劇団のやり方にずっとモヤモヤ感を抱いていただけに胸の溜飲が下がる思いです。
神戸市の甲南医療センターの26歳の医師が過労自殺された件では、病院と院長を書類送検した西宮労基署。
逮捕権がある、証言拒否は許されない、という鬼の労基署が入ったので、
一生懸命公演日程を見直しているところなのでしょう。
今まで、新しい風を入れず、イエスマンで固めたような印象の宝塚。
これを機会に
トヨタの企業風土を学んで、本当に清く正しく美しい企業に生まれ変わって頂きたいです!!