宝塚ブログ 心は青空♪

夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

金色の砂漠は、語り継がれる作品♪

花組公演 雪華抄/金色の砂漠

明日明後日の2公演を残すのみとなりました。

 

金色の砂漠2

 

 

3回目の観劇では いろんな場面でストンストンと腑に落ちて

やはり 一番楽しめました。

 

ダラダラと思ったことを書き連ねておりますので

OKな方のみお読みください♪

 

本当は いろんな人物をもっとじっくりみたいのだけれど

「目がいくつあっても足りない状態」なのです。

 

お稽古場レポでも言ってましたが 「砂の女」が素敵で、

じっくりみたいのに 登場人物も観たいし 悩ましい!!

 

幕開け、華やかな宴の場面で

 

第一王女の婚約者テオドロスは、

宴で素晴らしい歌を披露した奴隷ギィ(明日海りお)に声をかけると…

奴隷には声をかけないように、と言い渡す女官長

才能を認められながら 奴隷という立場ゆえに 

衆目に晒されながら 土や砂と同じに扱われてしまうギィ。

第一王女の輿が着いたと同時に 

踏み台になるべく サッと地面に伏せる様にキュ~ン。

 

衝撃の幕開けに お話の展開を憂えてしまった初回。

苦しくて胸が張り裂けそうなシーンの連続です。

 

タルハーミネから 蔑まれ 翻弄され…憎しみを抱きつつも

幼い頃から共に過ごし 美しく成長した彼女に恋心。

主人であるけれど 彼女を征服したいという男の本能を抑えられないギィ!

心の中に相反する感情を宿す苦しさを

私達観客も ギィに心を重ねて味わってしまいました。

 

タルハーミネは 王女というプライドがありますが

奴隷であるけれど 賢く気高いギィもまたプライドを持っていました。

王女は、ギィのプライドを打ち砕き 想いを踏みにじります。

 

そんな彼女を力づくで 命をかけて押し倒すところは

生唾ゴクリ。緊迫のシーンです。

 

奴隷の妻になると愛を誓ったのもつかの間、

父王に殺されそうになり、国の誇りを守るため、ギィに死刑を宣告します。

「殺せ!」 

驚愕の表情のみりおちゃん(明日海りお)に泣かされました。

 

この前は タルハーミネ、酷いわ、と思ったのですが

今回は 愛する人に死を宣告せねばならなかった

タルハーミネの苦悩にも寄り添えました。

 

観劇を重ねれば重ねるほどに 深く観ることができて

もっともっと観たい!と思わされる作品です。

味わい深い作品です!

 

国の威信を守るため、実の娘の喉元に剣先を

突きつけなければならない 砂漠の王 ジャハンギールの

生き様にも思いを馳せることができました。

 

息子たちを生き長らえさせるために

ジャハンギールの妻となった前王の妃アムダリヤの心中を慮る。

幼子の命を守りたい けれど 茨の道に進ませてよかったのか?

イスファン国の誇りは??

 

第二次大戦時の「生きて辱めを受けず」と自決した人々の思い。

いろいろと考えてしまいます。

 

第二王女ビルマーヤ(桜咲彩花)と その奴隷のジャー(芹香斗亜)は愛し合っていますが

身分の違いから 結ばれない運命。

求婚者のゴラーズ(天真みちる)が優しくてホッコリ♪

 

第三王女は跳ねっ返りのお転婆娘シャラデハ。

奴隷のプリ-(瀬戸かずや)は大変です 

 

 

三王女ともに めでたく求婚者と結ばれるのですが

それぞれの人生を考えると感慨深いものがあります。

 

幼いある日のギィは 奴隷という立場に納得がいかず

王妃アムダリヤ付きの奴隷ピピ(英真なおき)に苦しい胸の内を打ち明け

諭される所が好きです。

英真なおきさんの 懐の深い 包み込むような愛を感じるのです。

英真なおきさんは、ベルばらのメルシー伯爵や

ロミオとジュリエットの神父様のような 父親のように見守るお役が

とてもお上手ですね♪

 

盗賊となって イスファン国を取り戻したギィ(本当の名前はイスファンディヤール)のもとに

母である王妃アムダリヤが自ら命を絶ったと知らせに来た時の

英真なおきasピピの演技に涙しました。

 

敵王であるジャハンギールを

「憎んでおられました そして 愛してもおられました」

王妃アムダリヤもまた、その胸の内に愛と憎しみを抱え苦しんでいたのですね…

哀しみを抑えて 絞り出すように アムダリヤの苦しい胸の内を伝えます。

「この奴隷(ピピ)は、25年間おそばで見てまいりましたから・・・」 泣く~~

 

復讐は完結した、イスファンを取り戻し

憎きジャハンギールを撃ったのに…母は喜ばなかったのか orz

 

イスファンを手に入れ、かつて愛したタルハーミネを手に入れようと言う時に

タルハーミネは 砂漠へ走り出ていったという…

 

栄光と幸せを掴んだはずだったギィの指の間から

砂漠の砂のようにそれは サラサラとこぼれていったんですね…

 

 

胸にズドーンとバズーカ砲喰らいますね。

 

登場人物ひとりひとりの人生に思いをはせてしまいます。

 

胸の中に熾火のように 「金色の砂漠」のことが、 

二人の行く末がどうなったのかと

くすぶり続けるのです。

 

今日 久しぶりに 宝塚公式サイトの「金色の砂漠」のページを見ましたら

演出家 上田久美子をひもとくというコーナーができてました♪

 

上田が作品創りで最も大切にしているのは“ストーリーの面白さ”

 

そうよ!一番大事なことよ♪

 

「出演者を素敵だと思えるのも、その話自体を理解できてこそだと思います。

特定の出演者のファンでなくても楽しめるもの、宝塚歌劇を初めて観る方でも

その物語にどういう人物が登場し、

どういう人間関係だったかを一度で理解できるものにしたいと思っています」。 公式サイトより

 

えらい!!

何がえらいかというと 出演者の人気に頼らない所。

以前「元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略」という本を読みました。

 

そこには、

本はめちゃくちゃでもトップがかっこいいと評価されるとチケットは売れると書かれていました。

それは事実なのかも知れませんが

トップの人気頼みで 本(原作本 台本)は二の次かいっ???て思いました。

 

それならば、宝塚の座付き演出家は、テキトーな作品でもトップが客入れてくれるわ、と

左うちわでやってればいいと思ってるのかしら??と憤慨してたのです。

 

でも 上田久美子先生は、「期待される演出家」です。

次はどのような世界を描き出してくださるのか?とみんなが楽しみにしています。

それは ヅカファンはもちろん 演じる生徒さんもまた…。

 

100周年以降、若手演出家が どんどんいい作品を書かれていて

演出、◯◯先生だって!と 最近では 若手演出家の先生の

作品の傾向も分かってきて 公演ラインアップが発表になると

楽しみにできる演出家先生が増えてきて嬉しい限りです。

 

往年の演出家先生って 行儀悪い方多いんですよね

 

マスコミを招いての制作発表会の場ですら

机に肘をついて マイクを持って挨拶する、

腕を組んでマイクを持つ等、お行儀が悪い。

 

若い先生方は 壇上にいる事を心得て皆さんキッチリされてるのに…。

 

100周年以降 理事長も変わり 歌劇団にも新しい風が吹いて

旧弊を吹き飛ばして欲しいものです。

 

瑞々しい感性を持った 若い先生方のご活躍を

これからも楽しみにしております!!

 

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