月組公演『フリューゲル』、マイ初日から2週間、
2023年9月5日11時公演を観てきました。
目次:
コメディは、回を経る程に面白くなる!
回を経るのは、観客もですし、演者もですね。
前回は、タケノコ席だったため、反対側がよく見えなかったので、声(セリフ)は聞こえるのだけれどピンとこなかった箇所がありました。
昨日は、センターから観たのですごくわかりやすく、改めて腑に落ちた場面や、納得でスッキリ!
コメディは演者の芝居がこなれてきて、芝居の間や阿吽の呼吸が心地いい。
よく生徒さんが、お客様が入って初めて舞台は成立する、とおっしゃいますが、
特にコメディは、客席の笑い声に助けられ、乗せられている部分はありますね。
面白いことを演じているのにシーン…だったら辛いけど
演じた瞬間に、ドッと笑いが起きたら、自信もつくし、もっとやってやろう、と気合も入ります。
そんなこんなが初日から続いて、20日近く、すっかりお芝居も熟して流れもさらにスムーズ。
国家人民軍、と言っても陽気な人民軍(笑)
人民軍広報部は、前線にでる舞台とは違うので、いつも執務室で屯してる(一応仕事もしてる)4人グループ。
うーちゃん(英かおと)とぱる(礼華はる)は軽口叩いたり、冗談言ったりして
東ドイツ共和国の軍人という硬さも怖さもないのでホッ。
コメディですものね、でも時々、軍人としての気合も入ります^^
天愛るりあちゃんも明るくて元気な軍人…『ELPIDIO』あたりから役付いいですね^^
白河りりちゃんは、こじらせ系? ちょっとおもしろいタイプの女の子。
役作り頑張っています^^
で、この面々の上司がぐっさん(春海ゆう)。
どこにでもいそうな、上司、サラリーマンみたいな中佐で笑ってしまう。
そして、トップの大佐に新組長の梨花ますみさん。
初見の時に、ロングのソバージュヘアが軍隊なのに違和感ある、と書きました。
今回新たな発見、もっと違和感、真紅のジェルネイル!!!!
アメリカ軍の女性兵士にマニュキュアが許されたのが2021年。つい最近。
西ドイツに潜入した諜報部員のミク(彩みちる)は、西側の文化をことごとく批判しているのに、トップの大佐がマニュキュア…というか真紅のジェルネイル〜??
せめてピンクベージュでお願い。
安定のクオリティのれいこちゃんとうみちゃん♪
わがままなお姫様に振り回される設定がこんなに似合うトップさんはれいこちゃんだけ!^^
ものすごい美形だから女性を4、5人手玉に取って遊んでてもおかしくないモテ男…でもいいのにそうじゃないところが味噌♪
逆にすごく感情移入して、応援したくなる、はい、ツボです♪
夜中に無理やりドライブ要求、ベルリンの壁に登る、ナディア(海乃美月)にひやひやさせられっぱなしのヨナス(月城かなと)に同情しつつ、もっとやれ〜〜!とか思ってしまうw
いろんなトップコンビの形があるけれど、こういうパターンも好き!
初見は、蓮つかさ演じるニコラの出自がわからなかった→わかった!
初見ではっきりとわかってなかったのは、ヨナスは母をすごく憎んでいたこと。
ナチス党員というのが許せなかった。
ナチスの党員だったヨナスの母(白雪さち花)がホロコーストに逆らって、こっそりユダヤ人を助けていたのでした。←ここはわかっていました
助けられた家族の子供、ニコラ・シューバルト(蓮つかさ)←ここわかってなかった
長じて弁護士となり、命の恩人のヨナスの母の面倒をこの先ずっとみていく、と誓ったのでした。
硬派で温かいニコラをれんこん好演♪
ベルリンの壁が崩壊して、ヨナスがやってきても、6歳で生き別れた為、顔もおぼろげで、母は認知症が進んでいるので息子とは気づかず…
せっかく母への誤解も解けて再会できたというのに悲しい。
【書き忘れ追記 2023.9.7 ナディアのマイク回収の件】
2回目で観てスッキリしたのは、マイクに爆発物が仕掛けられているので、ナディアからマイクを回収しなくてはいけない…という所。
ここ、端っこからじゃ見えなかったのですが…そういうことだったのね、って観て納得、本当にスッキリ!
上手から下手のおだちん(風間柚乃)にマイクを放り投げる(実際には投げてない)所はわかってたのに、舞台上の細かい所がね…
やっぱり複数回観ないとダメなワタクシでした…
あちこち気になってオペラさまよってたりするから、大事なポイント見落としてる時もあります。
斎藤先生の小ネタがいっぱい詰まっていて、発見するとクスッと笑えます
うみちゃんは、これからツアーで海外を回ると言って
「日本にも行く、宝塚歌劇を観るのが楽しみ〜」
「今、万華鏡百景色 演ってる」とちゃっかり二幕のショーを宣伝^^
アフガン兵のサーシャ(天紫珠李)をナディアの部屋で匿う時に、追っての前でセクシーすけすけガウンのうみちゃんがれいこちゃんを誘ってみせる場面は‥
ピンクのライトに、ドリフターズの加トちゃんの持ちネタ「ちょっとだけよ」的な音楽で笑いを取ってます。
くすっ、クスッと笑わせるのがいいですね。
2016年の星組公演『こうもり』。
笑わせることに自信のある紅ゆずるさんと星条海斗さんが、笑え笑えとばかり、ゴリ押しにドタバタ喜劇を演じていて…逆に冷めました。(私見です)
気がついたら笑わされてた…ぐらいのほうが、観劇後が爽やかです。
日本に行くと言ってたナディア、30分後に日本に着くという幕が降りて…二幕にうまく繋げていました。
最初から最後まで楽しませてくださるのが齋藤吉正流。
今回最初はなかったけれど『I AM FROM AUSTRIA』も幕開き前からカウントダウン、
『風の次郎吉』は幕間にも映像が映し出されて楽しかった記憶。
目が2つじゃ足りない役の多さ
前にも書いた気がしますけど、路線の方でもモブっぽいのは、大勢にお役を与えているからなんですね。
どこに誰がいるのかを確認しようとすると完全に脳みそのキャパオーバー。
でもそのモブのちからを感じるのがベートーベンの第九「喜びの歌」。
東も西も、それぞれの民衆が心をひとつにして歌っていて胸熱です。
あの合唱は… 声の重なりは感動を呼びます、うるうるしちゃう。
ここ、盆が回り、いろんな生徒さんが見えすぎて苦しい。
下級生ファンの方なら、こんなにあちこちでお姿を拝めることは少ないのではと思うほど。
配信は真ん中やストーリーの中心を写すから下級生は映りにくいけど、この作品なら見えるかも??
…ということで、ひとりひとり語りたいですが長くなりすぎるので割愛します。
チケット余ってるらしいけど、毎回立ち見は出てます。
後半に向かって、ますます楽しくノリノリの舞台になりそうです!