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【雪組】「心中 恋の大和路」観劇感想|和希そらの新たな挑戦、名脇役陣がサポート

宙組の公演ラインアップ出ましたね!
めちゃくちゃ語りたいけど、もう記事書き始めてるから、雪組公演の感想、忘れないうちに書いてUPします^^

 

本日、雪組 東上公演「心中・恋の大和路」11:30公演を観てきました。

 

もう一つの雪組公演「ODYSSEY」、本日初日ですね、おめでとうございます。

 

大阪も兵庫も、コロナ感染者数過去最多を更新しましたので、くれぐれもお気をつけて…公演関係者も、私達ファンも気を引き締めて公演に臨みましょう♪

無事千秋楽を迎えられますように!!

⚠ネタバレあります、ご注意ください

⚠個人的感想ですのでご理解ください

 

 

和物の雪組で本格和物に挑戦の和希そら

そらくんが忠兵衛を演じる日が来るとは…

そらくんの持ち味とは違う亀屋忠兵衛。

そらくんの中の引き出しからいろいろ引っ張り出してきて作ろうとしている、とナウオンで話してました。

元気で明るい、すばしっこくてお茶目…そんなイメージのそらくんが、一途な愛ゆえに破滅の道に進んでいく忠兵衛役。

 

初めてのちょんまげ姿も、お化粧が美しい、これも頑張りましたね~♪

ポスター撮影のために、お化粧の研究に随分前から練習してたそうです(ナウオン)、研究の成果が現れてますね。

 

そらくんが着物を着て舞台に立つのは、宙組時代は和物ショー「白鷺の城」と「エルハポン」、「夢千鳥」。

雪組に組み替えになり、「夢介千両みやげ」。

どれも、江戸時代の人情物とは違う和物で、「夢千鳥」に関しては和物ではないです、着物着てたけど。

でも、色気ダダ漏れでした!

 

今回、ちょんまげに着流しの心中もの、初挑戦。

歌劇7月号の鼎談で、谷先生が

「この作品は”型”で見せる部分が多いし、やっぱりそこが決まっていると美しい。」

そこは努力してほしい、とまでとおっしゃっています。

 

ダンス巧者のそらくんなので、所作や姿勢など、体の動きに関しては習得が早いと思います。

雪組生のように慣れていないので大変だったかもですが、難なくこなしていましたね。

 

再演ものは比較される

今作で6回目の再演だそうですが、私は2014年の壮一帆様の「心中・恋の大和路」がインプリンティングされていますので、私の中の忠兵衛=壮一帆の忠兵衛、なのです。

 

もっと前にご覧になった方も、それぞれが自分の忠兵衛像をお持ちだと思います。

誰が演じた忠兵衛がフィットするかは、人それぞれですね。

 

亀屋の若旦那・忠兵衛は、一年中お花見や~と言われている極楽とんぼ

商売に身が入らずふわふわしている感じは、どうしても、壮一帆忠兵衛がワタクシ的に(←ここ大事) ハマるのです。

関西出身の壮さんだから、関西弁…商人言葉で、なよっとした感じも、いかにもダメ男な感じもお上手でした^^

 

そらくん忠兵衛は、割りとしっかりした感じが抜けきってなくて…for me

今日は2公演目なので、まだ硬く、これからダメ男な忠兵衛らしさが出てくるのかも知れません。

一幕ラスト、二幕ラストの山場、圧巻のシーン

一幕最大の見せ場にしてラストシーン、忠兵衛ご乱心で、ついについに、耐えきれず他人の金子の封を切ってしまい、毒をくらわば皿まで、の勢いで小判をばらまく。

忠兵衛の狂気、ここが最大の見せ場。

そらくんのやるせない表情に胸が絞られます。

 

あぁ、やってしもた…

 

わかっているよ、わかっているけど、苦しい。

狂気に走らせるほどに思い詰めた一途な愛。

ここ、ほんとに頑張ってました! 天晴♪

 

この場面、上手と下手から登場する台の上での演技なんですが、10センチほど隙間が空いていて、ちゃんと固定できているのか?とか、落ちないで~とか気になって、せっかくの場面なのに集中力が少し削がれました。

 

かもん太夫が身請けされて、大門を出て遊郭から去っていった後に、大門に佇む梅川(夢白あや)。

いつか自分も…と憧れているのを細い背中が語っていました。

このあたりから、どんどん落ちていくふたり。

 

二幕ラスト、こんなに悲しく切ない場面ってある?

 

雪山に入る二人(忠兵衛=和希そら、梅川=夢白あや)が切なく美しい。

その先には破綻しか見えないけれど、二人にはこうする他なかった…

愛を成就するには。

 

背中を見せて遠ざかっていく、という終わり方は、花組の「巡礼の年」もそうですが、余韻を残しますね。

 

脇役陣の演技も素晴らしい

専科・汝鳥伶

忠兵衛の故郷 奈良・新口村へとやってきたけれど、忠兵衛と梅川(夢白あや)の噂はもうこの里にも聞こえていて…

忠兵衛の父・孫右衛門、下駄の鼻緒が切れて転んだところへ思わず飛び出して、器用にこよりを作ってすげてあげる梅川。

その美しい手を見て、孫右衛門は二人が来てることを悟り、思いの丈をぶつけます。

ここ、好き~ 父の思いを直に物陰で聞く忠兵衛の表情もいい!

汝鳥伶さんは、ここだけの出番ですが、しっかりと印象に残ります。

 

専科・悠真倫

宿衆・藤屋。宿衆6人の顔役というか長。

本来この寄り合いに忠兵衛も参加すべきところを欠席続きで物議。

落ち着いた演技で締めてくださっていて…ことを荒立てないように、と丸く収めようと年長者らしい采配を振るって。

安定の演技で、同じ宿衆でも亀屋(忠兵衛)とえらい違いや~というところを見せてくださってます^^

 

専科・凪七瑠海

忠兵衛の友人・八右衛門。

本当にいい人! 人の良さに泣けるぐらい魅力的な友達思いの人。

破綻へひた走る忠兵衛をなんとか止めようと頑張ってくれてるのに、忠兵衛ったら…!

普段の人柄のよさも相まって、そらくんとカチャの丁々発止のやりとりもグッとくる。

宿衆が、逃げる二人を追っていく場面、八右衛門も八右衛門なりに、追いかけて、ぱったりと葛城川のあたりで宿衆と出くわし、これ以上追わないでやってくれ、と頼む件も、かっこいい、の一言に尽きます。

こんなにいい人を裏切るような真似をしてまで遊女に走って身を持ち崩した忠兵衛のアホ~!!

カチャ…、専科に異動して大成功ですね、御本人の努力に負うところが大きいですが。

専科にぴったり。

かつてのみっちゃん(北翔海莉)のように、いろんな組に特出して、良い芝居をして、みんなを引き上げてくれる感じ。

ソロの歌唱も聞かされました。

 

千風カレン

忠兵衛の義理の母・妙閑。亀屋のおかみさん。

出番は少ないけれど、見せ場で笑いを取ってお上手でした、笑わされました^^

高齢者、というかおばあさんな感じが出て良かったです。

五峰亜季さんのときはしっかりもののおかみさんでしたが、こちらが好みかなぁ。

 

真那春人

芝居巧者のまなはるは、番頭・伊兵衛。

忠兵衛のためにご苦労なことです…

番頭さんは、あちこちから来る督促や苦情の対応に頭を下げっぱなし、極楽とんぼの忠兵衛との対比としてとてもいいお役で、まなはる好演♪

 

ほたて(帆風成海)が演じた番頭さんは、クールで落ち着いた印象で、輪郭をボールペンで描いたような硬質なイメージ。

まなはるの番頭さんはクレヨンで描いたようなホッとなイメージ。

色濃く、印象に強く残りました。

 

諏訪さき

手代の与平、すごく良かったです!

与平、巻き込まれ事故みたいなお役ですが、一生懸命忠兵衛のことを思っているのが伝わります。

ソロの歌唱場面をもらっていてお上手でした。

しゅわっちの人柄の良さがお役にそのまま現れている気がしてよかった!

 

その他の印象に残った場面

亀屋の丁稚(紀城ゆりや、霧乃あさと)と女中の場面が笑わせポイント、女中・おまんは愛羽あやねちゃん、元気いっぱいで可愛いですね。

 

忠兵衛の故郷・新口村の女中役の琴羽りりちゃんが、超早口で笑わせます^^

以前「Sweet Little Rock'n'Roll」に出てたときは、ものすご~~~くゆっくり喋る女の子のお役だったのに…^^

 

妃華ゆきのちゃんは、「夢介千両みやげ」の遊女役が良かったですね、その御蔭か、かもん太夫に大抜擢!

鬘と衣装がすごく重いらしいのですが、その衣装を付けて舞を舞ってました。

腰を痛めそう…気をつけてね…

この場面は、新たな歌姫…愛陽みちちゃん?でしょうか?

きれいな歌声で、新たな歌姫ですね、雪組の歌唱担当は愛すみれちゃんですが、世代交代を見せつけられた気分。

 

あっさりしたラストが余韻を残して

雪の山中に二人して登っていくラスト…で幕。

ご挨拶は、白装束の二人が並んで一礼、そのまま雪山に消えていって幕。

 

小劇場公演なら、ここで下級生から順に出演者全員が出てきて、組長(または副組長)のご挨拶、主演の方のご挨拶などもある所もカット。

 

すぐに客電が点いて 終演のアナウンスがありました。

 

そのおかげで、ずっと恋の大和路の世界の余韻に浸ったまま帰宅出来てよかったです!

 

後、もう一回観ます。

もっと練れて、いい感じに熟成されているはずです。

 

東京公演の千秋楽までどうかご無事で!!