宝塚ブログ 心は青空♪

夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

【衣裳担当】加藤真美さんのデザインされる衣装が好き(王家に捧ぐ歌を除く)

ワタクシ、宝塚の裏方仕事に興味があります

以前にも記事に書きましたが、スカイステージの「ステージ・ドア」という番組では、大道具さんの仕事場風景や、衣裳部さんが、鬘に植毛されているところなどが紹介され、いつも楽しみにしています。

 

最近インスタグラムで制作現場から、雪組「Fire Fever」花火のシャンシャン、星組の「モアー・ダンディズム」真っ赤なバラのシャンシャン、花組「The Fascination!」の食虫花のセットや、月組今夜、ロマンス劇場で」のシャンシャンなど紹介してくださっていて嬉しかったです!

 

大道具、小道具、衣裳など、製作する仕事は時間との闘いで大変だと思いますが、憧れるわ~^^

中でも衣裳は、宝塚ならではで、その豪華さたるや、日本一、いや世界一ですね~♪

 

エリザベート」では、帝劇に比べてエリザベートの衣裳の豪華さは比ではないです。

 

10年ほど前、「王様と私」(主演:松平健)のチラシをどこでかでもらいました。

映画演劇文化協会の主催による公益事業としての上演で、チケット代はおどろきの一律3500円!!

チラシの写真、お衣装がペラッペラでした…やはり、削れるところは、衣裳とセットですね…

宝塚の豪華な衣裳は、衣裳というよりもはや芸術品の域ですね。

素材も高級!!

 

宝塚グラフ4月号の加藤真美先生のコーナーが興味深かったので自分用備忘録として書いたメモ的記事です ⇓

宝塚グラフ4月号の「衣装デザイナー・加藤真美の世界」

加藤真美先生は、ファッションデザインコースで学ばれていて、アパレルデザイナーを目指されていたのだそうです。

そこへ、宝塚の衣装担当の任田幾英先生が講師としていかれたときに、リアルクローズではなく、舞台衣装もひとつの道としてある、と教えてくださった。

ちょうど就活のタイミングで、それまで何年もなかった衣装デザイナーの募集があったので、運命を感じたそうです。

これって…任田幾英先生の誘導にかかって…先生の思う壺だったかも。

加藤先生を宝塚に入社させる作戦大成功?

 

加藤先生は、宝塚は取り扱う生地や飾りの種類が膨大で、こんなに様々な素材を料理できるなんて素晴らしい、と感動された様子。

宝塚独特の仕様、縫製の仕方も理解した上でデザインしないといけないんですね。

 

初仕事は2009年瀬奈じゅん主演「エリザベート

エリザベート」といえば、有村淳先生ですね。ゴージャス担当。

ここで助手として付き、生地選びから同行したのだそうです。

デザイン画に近い色でも、照明に当たると色が違って見えることなども計算して、生地を選んでいかれるんですね。

飾りの重さや、長期公演に耐えうる素材かという実質的なことも確認されていたそう。

イメージだけで選んではいけない、と身をもって学ばれたようです。

2012年雪組「JIN 仁」で大劇場デビュー

それまで和物の作品の助手も数えるほど。

和物の公演自体少ないからしかたないですね^^;

和物のスペシャリストの衣装部さんに打ち合わせから参加してもらって、着物の色使い、履物の種類など様々なことを教えてもらったそう。

花魁・野風(愛加あゆ)の鬘、衣装、三枚歯下駄のバランスに苦労した、と。

 

加藤先生の中では「出島小宇宙戦争」や「元禄バロックロック」は和物のカテゴリーに入れてないそうです。

和物の知識を派生させ、自由に発想していくのはおもしろい作業だ、と^^

ショーを担当する時は

ショーは総合芸術、照明、音楽、装置、振り付けと衣装がピタッとあった瞬間に醍醐味を感じるそうです。

宙組「HOT EYES!!」(2018年)で朝夏まなと様が一人で裸足で踊る場面。

振り付けの羽山先生から、裾の形やグラデーションについてリクエストがあり何度か描き直してやっとOKをもらえたのだそうです。

実際に舞台を見て、何が足りなかったのか、納得だったようです。

ショーはテンポが早いので衣装の色味や動きの計算が難しく、仮縫いと舞台で大きく変わることもあるそうです。

 

加藤真美さんの作品から

花組

Cool Beast!! ベスティア 柚香光 

片足スリット、片足プリーツ

半身半獣、性別不明の妖艶な雰囲気…宝塚としては際どい路線を狙ったそうです。

れいちゃん(柚香光)ならではの見事な着こなしでした!

The Fascination! デュエットの淑女S 星風まどか
元禄バロックロック クラノスケ 永久輝せあ
銀ちゃんの恋 倉丘銀四郎 水美舞斗

月組

ダル・レークの恋 ラッチマン 月城かなと
ダル・レークの恋 カマラ 海乃美月

演出の谷貴矢先生がダル湖の水とカマラの花のようなイメージを融合させた衣装にしたい、とおっしゃったので淡い水色からピンクに変化するグラデーションの衣装に。

何度も染め直してやっと思い描いた色になった…と。こだわりがスゴイですね!

今夜、ロマンス劇場で 俊藤龍之介 鳳月杏
今夜、ロマンス劇場で 大蛇丸 暁千星

雪組

CITY HUNTER 冴羽獠 彩風咲奈

リアルな男性を追求するため、Tシャツ、本革~~!!!厚みをもたせたそう。

その代わり、ジャケットはとても薄い素材で、宝塚の男役としては最も着こなしが難しい衣装だけれど咲きちゃん(彩風咲奈)の等身バランスでセーフ!

ヴェネツィアの紋章 リヴィア 朝月希和

中世ヴェネツィアのドレス、ということで様々な資料を読んで研究したそうです。

袖のふくらみがクラシカルでしたが、この時代特有のものだったんですね。

淡いミントブルー地に金糸の刺繍がゴージャスで美しかったです。

演出の謝先生から「水都の雰囲気を」と注文があったとのこと、それでこのブルー、納得。

ほんものの魔法使 アダム 朝美絢

演出の木村先生から「君ならこのキャラクターをどういうふうに表現する?」と加藤先生に下駄を預けられたようです。

木村先生、考えるの面倒だったのかな? で、この後の加藤先生との仕事が「王家に捧ぐ歌」ですからね。。。なんだかな…やる気、あげてこ?

壮麗帝 イブラヒム 和希そら

そらくん組替え前の宙組時の衣装。ターバンのサイズと衣装のバランスをなんどもチェックしたそうです

星組 星組のみ3番手不在

眩耀の谷 丹礼真 礼真琴

謝先生のリクエストは「ラストシーン 重厚かつ爽やか(←相反して難しい!)で、今から新しい時代が始まる様を表現したい」だったそう。

一番外側の布には古代の青銅器から着想したデザインをグラデーションで表した、と。

衣装の形に合わせて描いたので大変だったのに、舞台では一瞬だったので、グラフで取り上げられて日の目をみました^^

舞台では中央せりに上がってちょっと遠かったし、グラデーションかどうかまではっきりとは分かりませんでした。地模様のある布、なのはわかりましたが…

衣装展などでお披露目するといいですね♪

Ray 星の光線 パレードの淑女S 舞空瞳

マーメイドドレスは人によってきれいに見えるバランスが違うのでスカートが開き始める位置にはとてもこだわって、仮縫いにも長く時間をかけているそうです。

VERDAD!! フェーゴ男A 瀬央ゆりあ

宙組

Delicieux! ベラミ 真風涼帆

ちょっと話題になった、フォレノワールの場面の真風軍服。

帽子も含め、オールベルベットの軍服、ゴージャス~♪

「場面のハードな雰囲気は意識しつつラグジュアリーさと上品さを取り入れた」、真風だから着こなせた軍服~!その通り!!

Delicieux! デリシュー女S 潤花

振り付けの羽山先生から意外性のある色を組み合わせてみたいとお話をもらったそう。

大階段の真ん中で両手を広げる潤花ちゃんの衣装がきれいだったのはとても印象に残っています。

スカート部分が幾重にもかさなり、グリーンも入ってて凝っているなと思ってました。

ブルー、水色、グリーン、パープルの生地を重ねオーロラのように見えたら、との狙いがあったようです。

群盗 カール 芹香斗亜

壮麗帝 スレイマン 桜木みなと

エメラルドとルビー(のような石)を衣装の各所に埋め込んだ、と。

コートは総スパン地に更に色を塗って、毛皮もアレンジ、さすがスレイマン一世、ゴージャスです!

 

私好みの衣装は加藤真美先生と有村淳先生の作品です。

上品でゴージャスで美しい!

 

来週、神戸ファッション美術館に「華麗なる宝塚歌劇 衣装の世界」を見に行きます。

加藤先生の作品も展示されているでしょうか?

しっかり観てきます!