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【星組】天飛華音くん バウ初主演『My Last Joke』観劇|キャスト別感想

天飛華音主演 星組公演『My Last Joke』2023年10月24日11時公演を観てきました。

 

今朝5時台に目覚めたけれど、観劇あるし二度寝しなかったから睡眠不足はいなめないのですが

舞台も暗いので、睡魔が忍び寄る、忍び寄る…

 

目次:

歌上手、芝居巧者そろいで見応えありました

華やかで楽しい作品ではありません。

 

愛する人の「死」に怯えるエドガー。

エドガーの心に棲む、死の象徴として大鴉(鳳真斗愛)。

 

この大鴉の使い方、竹田先生、Good Jobです。

 

セリフのあるキャストは、皆さん説得力のある演技で、見入ってしまうところもありました。

 

ナウオンステージで、瑠璃花夏ちゃんが発声を工夫した、と仰ってました。

流石だな、と。

役者は声が一番、見た目ももちろん大事ですが、内容を伝える「声」がくぐもっていたり、しっかり出ていないと、お役の印象は薄いものになってしまいます。

 

以前、どなたか、男役さんも声を研究している、このお役だとどんな声をだすだろう、と想像して声を作った、とおっしゃっていました。(明日海りおさんでした?)

 

エドガーの場面は暗いけれど、出版社の人たちは明るく、若手も大勢観れて満足でした♪

 

⚠️以下、ネタバレあります、大丈夫な方のみお読みください。

 

 

 

 

キャスト別感想

エドガー・アラン・ポー    天飛華音 102期

安心安定の実力派。

それなのに、ご挨拶になると噛み噛みなのがご愛嬌。

ていうか…素のかのんくんが出て可愛いです^^

バウは客席近いから…お客さんと目も合うし、客席の圧に負けそうになるよね〜

 

幕開きの開演アナウンスは、声のトーンを落として…暗。

「死」の影に怯えるエドガー。

 

とにかく歌唱がいい!…のは前からわかっていたけど、改めて。

詩ちづるちゃんとのデュエットも美しい。

 

エドガーは、手腕を買われて編集長になり、その後は才能を発揮し、物語詩『大鴉』を著す…

傍目には成功しているように見えてあまり幸せそうでもない…

 

終始落ち着いた演技に好感♪

同期、鳳真斗愛くんと絡むダンスも迫真の演技、良かったです。

 

客席降り、客席登場もあり、楽しませてもらいました!

 

愛する者の「死」を強く意識していたエドガーをかのんくんが力強く演じていました。


ヴァージニア・クレム    詩ちづる 105期

すごく可憐でかわいいうたち(詩ちづる)。

13歳で結婚して、25歳で亡くなるまでを好演。

 

エドガーと出会ったばかりの頃の可憐なことと言ったら!!

ぴょんぴょんしたり、エドガーの仕事の邪魔になるほどのかまってちゃんなのが本当に可愛い!

 

幸せは長くは続かず、病を得たヴァージニア。

病床のヴァージニアは、夫・エドガー(天飛華音)に捨てられたと嘆くうたちゃんに思わず同情。


ルイス・G・クラーク    朝水りょう 96期

『ニッカーボッカー』誌の編集長。

シルクハットに白黒縦縞のジャケット、ピンクのパンツにステッキ…サーカスの人かと思う奇抜な出で立ち。

ちゃりお(碧海さりお)と対でセンターで歌い踊り、美味しいイケオジ。

カブちゃん、いつの間にか、なくてはならない存在になってますね…


マリア・クレム    澪乃桜季 98期

ヴァージニア(詩ちづる)のお母さん。

落ち着いた演技に好感。

 

ジョージ・グレイアム    夕渚りょう 99期

『グレイアムマガジン』発行者。

シルクハットに銀縁眼鏡、品格を感じさせる弁護士を好演。

 

フランシス・アラン (養母)  七星美妃 99期

富豪ジョン・アランの妻。

両親を亡くしたエドガーを引き取って溺愛している。

夫のジョンとエドガーが対立するのをハラハラと見守る養母。

結核?に倒れる。

 

実母に続き養母まで亡くなり、自分の愛する人達が次々に亡くなったことで、

エドガーは「死」を意識し始めることになりました。

 

ジョン・アラン    希沙薫 100期

富豪のエドガーの養父。

エドガーを支援していたが、詩作をしているとしり激怒、勘当する。

きさちんは、可愛い系の男役さんですが、役作り頑張っていました。


ルーファス・W・グリスウォルド    碧海さりお 101期

ちゃりおは、歌もダンスも芝居も巧い!

エドガーと敵対する編集者役で美味しい。

絶対、エドガーの詩を自身の新聞に載せたくないルーファス。

世間はエドガー絶賛なのに…

 

悪い顔や、ニヤリと笑う顔、仲間とヒソヒソするやな奴なルーファスのお芝居を観ていたくて、ちゃりおが登場するとつい目が行ってしまうのでした…


エリザベス・ポー    紅咲梨乃 102期

エドガーが2歳の時に亡くなった母・エリザベス。

エドガーの母のイメージとして、可憐な女性で登場。

お歌お上手なので、ソロもらってましたね〜♪

別箱公演の醍醐味^^

 

大鴉    鳳真斗愛 102期

「大鴉」はエドガーの物語詩のタイトルですが、「死」のイメージとしてエドガーにつきまとっています。

 

トート閣下のように背後に立って操る感じ。

衣装やマスクも血塗られたようなものもあり、メイクも青白いトートメイクで存在感抜群でした。

セリフこそありませんが、口で語らずとも、「死」を体現する力量は大したもの、

公演を経るごとに、成長をみせる鳳真斗愛くん、今後も目を離せませんねっ!


フランシス・S・オズグッド    瑠璃花夏 103期

職業婦人が珍しかった時代に、詩人として自立した女性だったオズグッド。

その凛とした生き様を表現して素敵なるりはなちゃん。

とにかく声がいいし、お歌もお上手だし、今後が気になります、

『Le Rouge et le Noir赤と黒〜』も『1789』も存在感有りましたが、今回はグッと年齢の上がった大人の女性、

初めての経験だと思うのですが、好演してましたね〜^^

 


ブレット(編集者)    羽玲有華 103期

先日、『Stella Voice』の録画を観た時に、お歌お上手だわ…と発見したんですが、今日、少しだけソロがあって…うん、やっぱり良かった!

ちゃんと使ってもらってて嬉しかったです!


ナサニエル・P・ウィリス    稀惺かずと 105期

狂言回し役。

滑舌がいいのと高めの声がとても聞き取りやすい、だから狂言回しは適役。

スポットライトを浴びるいいお役でした。

 

エドガーの才能を高く買っていて、エドガーの哀しみにも寄り添う温かい役。


ヘンリー・W・ロングフェロー    大希颯 105期

エドガーのライバルの詩人。

Wて書いてあるから、気づかなかったけど、ワーズワースやん。

 

あいみちゃん、ソロもらってて、ロングトーンで伸ばすところは見せ場、客席から熱い拍手が送られて…これは美味しい!

 

「顔、優勝!」と歌ってもらって、見る方も楽しい場面でした^^


エリザベス・F・エレット    乙華菜乃 106期

星組の若手娘役の中でも抜擢されているなのちゃん。

史実では、エドガー、オズグッド(瑠璃花夏)を巻き込んだスキャンダルを起こしていますし、エドガーの妻のヴァージニアの知るところにもなっている女性。

 

今作では、サラッと描かれていてちょっと物足りない感じ。

 

それでも、ドレスは、真紅のビロードで、他の女性キャストが寒色の中、ひときわ目立っていました。

 

熱いカンパニーが生み出した、熱量を感じる芝居

竹田悠一郎先生のプログラムのご挨拶の中に、ある一節、

星組出演者30名それぞれが与えられた役、役割に向き合い、生徒同士でもその時々の心情、立場などについて議論を重ねる姿は非常に頼もしく活気の溢れた稽古場にその完成を楽しみに感じるところです。

『My Last Joke』プログラムより引用

 

いいですね〜♪

生徒同士で議論を重ねられる自由な空気はやる気を育てますよね^^

 

以前雪組でも、同じ役同士で話し合って決めたというのをスカイステージの番組内で聞いたことがあります。

 

下級生の意見も吸い上げる、上級生の懐の深さが素敵だな、と思ったものでした。

 

みんなで話し合うことで、全員で作り上げている感が盛り上がりにつながるのでしょう。

 

演出にはなにこれ?な部分も…

竹田悠一郎先生、

「舞台にも確固たる正解はありません。ごらんになった皆様それぞれの感想をお持ちいただければ幸いです。」

 

…ということで、思ったことなど

 

1幕ラスト 真っ赤なバラの花弁がハラハラと舞い落ちる演出は、ヴァージニア(詩ちづる)の死を予見させて美しいです。

 

そこから続く 2幕冒頭の 大鴉(鳳真斗愛)とエドガー、ヴァージニアの場面。

大鴉の衣装が白地に血?と見紛う赤いバラ? 大鴉の持つマスクも血で汚れている…

不穏な幕開き。

 

エドガーの心象風景を表しているのかも。

 

ヴァージニア、今わの際のシーンが長い。

それを見守る、ナサニエル (稀惺かずと)とオズグッド(瑠璃花夏)はずーっと2人で立ちっぱなしで動き無し、ライトのあたらないところで風景と化していました。

 

ここなんとかならないのか? もったいなすぎます!

もういっそ 天飛華音くんと詩ちづるちゃん、二人の場面でいいのに、と。

 

手持ち無沙汰に佇むナサニエルたちの描き方を考えて。

 

自分用覚書

カゲソロ(第一幕)

茉莉那ふみ 108期

カゲコーラス

乙華菜乃 106期、詩花すず 107期、茉莉那ふみ 108期

 

カゲソロ(第2幕)

紅咲梨乃 102期

 

スタッフ

作・演出    竹田悠一郎

作曲・編曲   手島恭子

振り付け    若央りさ・西川卓

装置      平山正太郎

衣装      植村麻衣子

演出助手    古川愛梨

 

 

観劇の帰りに、タイトルの『My Last Joke』、何がジョークなんだろうね、と友人と話してました。

 

プログラムにエドガーが亡くなった年に執筆された小説『跳び蛙』の最後の一節、

「俺の最後の冗談だ」から取ったそうです。