『鴛鴦歌合戦』2023年7月19日11時公演を観てきました。
安心してください、駄作ではないです。
原作映画がいいので、綺麗にまとまってるし笑いあるし、ラスト大団円だし申し分なし。
目次:
『鴛鴦歌合戦』はタイトル以上に音楽に萎える
個人的に残念だったのは、やっぱり音楽がヅカ的ではなかったからだと思いました。
宝塚を観ているのではなく、大衆演劇を観ているようでした。
本作では、江戸時代の登場人物が当時最先端のジャズに歌い躍る。冒頭部、お富(服部)と若者のコーラスの掛け合い、そして峯澤丹波守(ミネ)が家来たちとスウィングに乗って歌いながら登場するところから、楽しい世界に引きつけられる。当時も、同作を観た宝塚歌劇団の高木史朗、音楽評論家の野口久光がわざわざ京都ホテルまで出向き、「これこそ初めての日本のオペレッタ映画だ」と絶賛した。
引用元:鴛鴦歌合戦 Wikipedia
映画『鴛鴦歌合戦』は、当時珍しいオペレッタ映画。
しかも登場人物が江戸時代の殿様や浪人…という斬新な設定で注目を集めたのでしょう。
当時の「最先端」は、今では懐メロ。
音楽をそのまますべて使う必要があったのか、と考えたら…
あの作品には、あの曲で良かったのかな??
ふとした瞬間に
♪とかく浮世はままならぬ〜 チャカチャンチャン 日傘さす人作る人〜
♪さ〜てさてさてこの茶碗〜 ちゃんちゃんちゃわんと音も響く フンフフ〜♪
など頭の中をぐるぐるしてることがあり、2回観ただけでも影響力絶大!
鴛鴦歌合戦の懐メロ風曲調が思いの外脳みそに食い込んでいると言うか…
日本人に馴染みのあるメロディだから、染みやすいのかも。
それでも、宝塚のトップコンビが歌うと、うーーーーん、なにか違う!と思ってしまいました。
『鴛鴦歌合戦』はパブリックドメイン
省エネな作品になっていると思います。
音楽はそのまま使っているので、新たに作曲する必要がなく、編曲のみで済みます。
ストーリーも原作があるので、一から作らなくてもOK。
役を増やして、お家騒動の件を付け加えるという作業が生まれましたが。
そして、1939年に公開された『鴛鴦歌合戦』は、公開から70年以上経つのでパブリックドメイン。
版権使用量必要なし。
これは、お・と・く!!
今後もパブリックドメイン原作が増えるのかしらね?
宝塚で上演した『カサブランカ』『ローマの休日』『凱旋門』『雨に唄えば』もパブリックドメインです。
音楽の話が長引いたorz
『鴛鴦歌合戦』は、とにかく明るく楽しく笑える作品
⚠️ネタバレあります
鴛鴦歌合戦が、宝塚歌劇オリジナルで、曲も座付き作曲家が書かれたものだったら?
もっと気持ちが盛り上がったのかも知れません。
それでも楽しいのは、
- 礼三郎さん(柚香光)は、女性3人から想いを寄せられてモテモテ。
- ちょっと引き気味で? 俯瞰しているところもある。
- 礼三郎さんは、お春ちゃん(星風まどか)に想いがあるのにツンデレ。
- おとみちゃん(星空美咲)の礼三郎へのストレートな愛とお春ちゃんへのマウントw おとみちゃんは出てくるだけで笑ってしまうw
- 花咲城の殿様(永久輝せあ)は、頭の中も花咲状態で、毎日楽しく骨董遊び。
- お春の父(和海しょう)は傘張りで糊口をしのいでいるのに、骨董には目がない、でも偽物つかまされている。お春は苦労ばかり。
- 陽気な殿の弟君の秀千代(聖乃あすか)の「嫌じゃ嫌じゃ〜」も可愛く微笑ましい^^
客席は、まどかちゃんが、ポソっと落とす一言が面白くて、クスっと笑ったり、爆笑したりしています^^
とにかく、柚香光と星風まどかの並びがすごく似合う。
本当に、まどかちゃん、花組に来てくれてありがとう〜♪だわ。
その他のお役について
お芝居は単純でわかりやすいのがいいです。
他に神経集中したいので。
要するに、どこに誰がいるか、どういう芝居をしてるかって言うことです。
さて、花組のトップ2、3も決まってスッキリとした番手になりました。
その下は、と言えば、現在休演中の希波らいとくん(103期)でしょう。
良いポジにいらっしゃる生徒さんといえば
99期 帆純まひろ
笛の名手にして美丈夫の平敦盛役(劇中劇)
平敦盛が熊谷直実(峰果とわ)に首を差し出す名場面を担当、本当に美しいわ♪
100期 一之瀬航季・102期 侑輝大弥
チョンパからのプロローグで、歌い踊ったあとに、本舞台で瓦版売りをして目立っています。
出番は3回(最初と最後、夏祭りの場面)でも目立つ美味しいお役。
だいやくんの眼差しが色っぽいわ…声も通るから聞き取りやすい♪
104期 天城れいん
今公演で大躍進のれいんくん。
新公初主演が決まっていたところへ、らいとくんの休演により代役で三吉。
これは美味しいお役。
おとみちゃんの追っかけの殿(しんがり)についていて、最後に平身低頭して去っていくのですが そこが見せ場、とっても可愛い丁稚さんです♪
105期 美空真瑠
小柄なので、少年役が多い真瑠くん。
今回も、秀千代の小姓役。
ふわふわしてる秀千代よりしっかりもののイメージで真面目に演じてて微笑ましい。
ほのかちゃんと二人、きれいな並びです^^
いつも役付のいい、106期の鏡星珠くんですが今回は小間物屋さんの役で、いつもみんなでおとみちゃんを追いかけているのであまり目立たず。
今回は我慢のターンかな。
お家騒動と言うより、戦いのさなかにはぐれてしまった跡継ぎ探し
原作にない、小柳先生が作られたストーリー。
礼三郎様にそんな過去が?
そして、山寺の蓮京院へと繋がっていくという…巧くまとめましたね^^
舞台は総合芸術、宝塚は音楽、美術とともに生徒さんの美・芸も楽しむ
ストーリー(脚本)、音楽、美術(装置)、衣装、映像美術などのエレメントが舞台を作る要素ですが。
宝塚は、生徒さんもその要素のひとつ。
お顔も、スタイルも、振り付けひとつにも個性が現れていて、その部分を楽しんでいます。
後ろの方に立っていたあの人が、今はとても目立つ役をもらっている…なんて、ポジションアップを目の当たりにするのも楽しいもの。
今回の『鴛鴦歌合戦』、古臭いと言えば古臭いのだけれど、大好きな花組のみんながいきいきと楽しそうにお芝居しているのを観てるだけで頬が緩んでくるので…
また来週も楽しみに行きます!
梅雨が明けて、暑さ本番!
体調整えて、走り切ってください!!