花組『アルカンシェル』2024年2月14日 13時公演を観てきました。
心配してたけど、良かったわ^^
目次:
ネタバレしていますから、自己責任でお読みください。
ダンサーのれいちゃん(柚香光)の退団公演の演目が発表になったときは…
退団公演…えっ? 一本物?(;゚Д゚)…と残念でした
れいちゃんはダンサー、と言うのは周知の事実。
だからこそ、ショーがない1本物より、2幕もので、さよなら要素のある華やかなショーで送り出してほしい、と思っていました。
れいちゃんのトッププレお披露目公演は2020年のオリンピックイヤーの幕開けを飾る『DANCE OLYMPIA』。
タイトルに「DANCE」が入っているのも納得。
最後もダンスで締めくくって欲しかったわ、タイトルにRayをいれるとか、退団色のある言葉をいれて…。
演出が小池秀一郎先生…で不安しかなかった
『アルカンシェル』の演出が小池修一郎先生、と聞いて不安になったファンが多かったのでは?と想像しています。
2023年の宙組トップスター退団公演の『カジノ・ロワイヤル』の悪夢再び、にならないかと心配してしまったわ。
お金かけて立派なセットや装置を使い
実際 内容は過去作品パッチワークで内輪受け、ストーリーペラッペラ、きっつー、な作品でした。
小池作品は、脚本の出来が遅いから、生徒やスタッフさんに負担がかかります。
何故、初日の日が決まっているのにそれに合わせて出来ないのか?
スカイステージの番組『ミライ演出家』など観ても、みなさん時間厳守で頑張っておられるのに…大御所故の甘えかな?
ごめんなさい、愚痴ってしまいましたが、『アルカンシェル』は『カジノ・ロワイヤル』よりずっとずっと見応えのあるいい作品です!!
観たら、不安吹き飛ぶ華やかなダンス場面多用の1幕
公演解説に、
「宝塚歌劇ならではの絢爛豪華なレビューシーンを交えてお届けする、大作ミュージカル・レビュー」とあり、
ホッとしました。
幕開きからダンスシーン、
これぞ正統派宝塚男役の、黒燕尾、シルクハットにケーンという出で立ちで登場する、れいちゃんと男役さん場面。
ショーが付いていない分、ここで宝塚男役・柚香光を見納める!という気になります。
ジャズやラテンもあり、すごく楽しい!!
人物相関図を見た時に、モブばっかりじゃない?と思ったけれど
はい、たしかにモブなのですが、舞台上にいつも一緒に出てるので、どこに誰がいるのか、オペラで追っかけるのが楽しいのです。
下級生のファンの方も、下級生も舞台に出ているので楽しいと思います。
組子もれいちゃんと同じ舞台に立てて嬉しいんじゃないかな!
まどかちゃんは、歌姫のお役なので美声披露の場面が1幕と2幕にそれぞれありました。
れいちゃんもまどかちゃんも、特技で見せ場がありますし、「劇場」、「稽古場」シーンが多く楽しいです。
小池先生 グッジョブ♪
人物相関図のに役名として
『モンマルトルのピエロ』の中尉役とか、コゼット役とか書いてあるので劇中劇があるのかと思ったのですが…無かったです!
衣装を着けての稽古場風景はありますけど。
ストーリーが動く2幕が面白い
1幕で下地が整えられて、2幕でそれらがいきいきと動き出して見応えありました。
1幕で、
マルセル(柚香光)とカトリーヌ(星風まどか)
フリードリッヒ(永久輝せあ)とアネット(星空美咲)、
2組に恋の花が咲き、
ドイツ軍はパリを占領しています。
ドイツ軍のコンラート(輝月ゆうま)がカトリーヌに言い寄っている、
ミュージックホール「アルカンシェル」の歌手のジョルジュ(綺城ひか理)がドイツ軍に寝返って広告塔になるという裏切りが描かれています。
悪役の輝月ゆうま、綺城ひか理のお二人がいい仕事をしているので、観客はアルカンシェルやレジスタンスのメンバーに感情移入して客席の心もひとつに?^^
悪役が悪ければ悪いほど、正義とのコントラストが強いので面白いですよね〜^^
ジャズを演奏したことでドイツ軍に責任を問われる「アルカンシェル」。
ドイツ軍に楯突いた道化のぺぺ(一樹千尋)は収容所送り、演出を担当したマルセル(柚香光)も酷い取り調べを受け、カトリーヌ(星風まどか)はドイツ送り。
ジャズの演奏をOKしたドイツ軍のフリードリッヒ(永久輝せあ)も配置転換。
そんな都合よくいくかい!な展開があって、
ぺぺも、カトリーヌも無事戻ってこれました。メデタシ!
レジスタンスのメンバーに加わったマルセルはパリを守るために仲間とともに立ち上がります
史実に基づいた展開で、なんか胸熱。
ドイツ軍撤退で
パリに自由と平和が戻ってきて、エッフェル塔に希望の虹
今公演で退団するトップコンビのラストが希望に満ちた終わり方でとても爽やかでした。
セットやら衣装やら音楽やら
主題曲
主題曲の『たゆたえども沈まず』
芝居冒頭で、子供のイヴ(湖春ひめ花)が旗になんて書いてあるの?と聞く場面があります。
「たゆたえども沈まず。パリのことだよ」
『たゆたえども沈まず』はすごく耳馴染みのいいステキな曲です。
作曲は小澤時史さん。
作家の原田マハさんが書かれた小説も『たゆたえども沈まず』、パリ時代のゴッホが描かれていました。
たゆたえども沈まず、は旗に書かれるぐらいメジャーな言い回しなんですね。
小池先生にしてはセットがシンプル
とにかくお金がかかっているのがわかる小池先生のセット。
細部にまでこだわり、大掛かりで派手。
ボンもセリも、舞台機構を最大限に使っていた小池先生
今公演はシンプル。
ドイツ軍のコンラートの宿泊するホテルのお部屋、フリードリッヒのお部屋は装飾もきれいです。
稽古場メインですし、戦時下が舞台で大掛かりな舞台転換もなし。
でも、芝居はストーリー命、出演者のパフォーマンス命ですので問題なし。
フィナーレの衣装は _(┐「ε:)_ズコー
初日映像の、れいちゃんのご挨拶を観た時に、何?この7色の付け襟!
安っぽい!! ブサイク!! って萎えました。
せっかくビジューの付いた美しいれいちゃんのジャケットの襟が7色の布で隠されています。
さらに、娘役さんの衣装、首元から右肩にかけて虹のような布、腰から下にも…orz
スッキリとしたウエストラインが見える方がきれいだと思うんですけども、まあ好みの違い?
「アルカンシェル」だから、って衣装に無理に7色持ってこなくていいのに…と友人と話していました。
月組の『万華鏡百景色』フィナーレで、黒白の衣装を交互に並べたように、
7色の衣装を立ち位置に合わせて並べた方が美しいのでは…?と思っています。
95期の2大・劇団推しトップさんの退団
初バウ主演から、トップ就任から、細かいことを言えばファーストフォトブックの発売時期まで、星組トップ・礼真琴と合わせて推してきた劇団。
早くから抜擢され、その名の如く光輝いていたれいちゃん。
2014年、初バウ主演の『ノクターン-遠い夏の日の記憶-』の登場シーンが衝撃でした。
強いスポットライトの真ん中へ、真っ白のスーツで躍り出てきたれいちゃん。
まさにスター誕生!!というイメージでした。
あ、あれ、原田諒・演出でしたね…
あれから10年、いいトップさんになったなぁ…と思って4年、
振り返ればあっという間。
星風まどかちゃんという最高のパートーナーに出会ったことでいいパフォーマンスをいっぱい見せてもらいました。
95期3トップの先陣を切って退団とは…寂しくなりますが、大千秋楽のその日まで、お元気で、ステキな『アルカンシェル』を描いてくださいませ♪