なんかあっさりと終わってしまった感。
演出:小池修一郎 ✕ オリジナル作品 ✕ 退団公演=危険な香り
目次:
⚠️感想は十人十色、とご理解いただける方のみお読みください。
ネタバレしていますので、未見の方はご注意ください。
2023年、宙組オリジナル一本物で…
れいちゃん(柚香光)の退団公演が小池修一郎演出『アルカンシェル』と発表になった時は、大きな不安に襲われました。
大劇場公演9作の真風の最後、9作目、『カジノ・ロワイヤル』は、
観終わった後、( ゚д゚)ポカーン な、中身の無い作品、いわば張り子の虎みたいな感じでした。
ただひたすら真風がかっこよく見える、ただそれだけ。
真風の退団公演だから、真風ファンのためにこれでもか!とかっこよく作られたのはよかったですけど…
「小池先生は潤色はいいけど、オリジナルは…(ry」との定説を覆せず。
退団公演の作品は、何度も思い出し、話題にするので、いい作品であってほしいのです。
大御所先生の作品は一本ものに限るの?
れいちゃん主演作品で初めて小池先生の演出です。
れいちゃんのようなショースターの退団公演は、二本立てで、お芝居+ショーがいいな、って思っていたので、最後の公演が一本物で残念!
小池先生にお願いすると、絶対一本物になっちゃう、というか、一本物しか書かない、という決まりでもあるのでしょうか。
小池先生演出の『アデュー・マルセイユ -マルセイユへ愛を込めて-』(2007年 花組)は、 グランド・レビュー『ラブ・シンフォニー』(作・演出/中村一徳)と併演。
2008年の『THE SCARLET PIMPERNEL』が
第16回読売演劇大賞優秀作品賞、第34回菊田一夫演劇大賞を受賞したことで、小池先生が「別格」演出家になられたのでしょうか?
これ以降、一本物ばかりですね。
2014年の『PUCK』は『CRYSTAL TAKARAZUKA-イメージの結晶-』と併演でしたが、初演が1992年で、再演でした。
小池先生の潤色作品はどれも一大スペクタクル!!
『THE SCARLET PIMPERNEL』ブロードウェイ・ミュージカル
『太王四神記』韓国ドラマ原作
『カサブランカ』映画原作
『ロミオとジュリエット』フレンチミュージカル
『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』漫画原作
『1789 -バスティーユの恋人たち-』フレンチミュージカル
『ポーの一族』漫画原作
『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』映画原作
小池作品はお金かけてるので、衣装も、舞台装置もセットも華やかで楽しませてもらってました。
でも…『アルカンシェル』は、お金かかってない感がありありと見て取れて…
れいちゃんの最後の作品なのに、割と簡素でした。
時代背景が「戦時中」ということもあるのかもしれませんが、アルカンシェル劇場のセットはシンプルでしたね。
パリの劇場なら、もう少し派手もありだけど…
今、劇団が宙組公演を出来ていないので…ケチった?^^;
お金かけなくても感動作は…大御所なら作れるはず。
臭い芝居が残念だった…
マルセルには熱い思いがある、と知ったカトリーヌ(星風まどか)がマルセルに手を握られた時に、アチッ!って手を振りほどいて言う場面。
客席にくすくす笑いが漏れてますけど、ワタクシ的には…
臭い芝居。
これ、『鴛鴦歌合戦』でまどかちゃんが「チェッ…」って言うのが受けたから、今回は「アチッ」なの?と深読み。
そう言えば、まどかちゃんカトリーヌが、ドイツ軍のコンラート(輝月ゆうま)に、「悪魔!!」って言う場面観て、
これ『THE SCARLET PIMPERNEL』でマルグリットが、ショーブランに言ってたのをそのまんまだな、と思ってなんだかな…。
モブが多いのが不満でした
先日、2回目観劇した時にちょっと不満だったのですが、
3回目の観劇で花組組子は、たくさん舞台上でれいちゃんとご一緒できたし
れいちゃんの背中をみて踊れる場面がたくさんあってこれで良かったんだろうと思いました。
娘役さんは、星風まどかちゃん、星空美咲ちゃん、美羽愛ちゃん、湖春ひめ花ちゃんと組長さんぐらいしか目立ってなくてほとんどの娘役さんがモブ状態。
セリフあるお役が少なくて…orz
物足りないしバランスが悪い感じがしたのだけれど、
退団公演だから、れいちゃんとまどかちゃんにたくさん出番があってオールオッケーってことですね。
そんな中ひめ花ちゃんは、セリフも出番も多く大活躍でしたね〜♪
男役さんは、レジスタンスグループ、ナチス軍グループが見せ場があって良かったです。
レジスタンスは劇場仲間でもあるので出番多し。
とは言え、ほってぃ(帆純まひろ)とはなこちゃん(一之瀬航季)以外はセリフほとんどなし。
いろんな生徒さんのお芝居(セリフあり)を観たいので、物足りない〜
アルカンシェル劇場と宝塚歌劇団が被って
『アルカンシェル』は、パリのアルカンシェル劇場が舞台なので、宝塚と被るところもあり、ダンスシーンが多く、楽しいっ!
今回1階で1回、2階で2回観て、舞台にいる人数が多いので2階で観劇の時は奥の方の生徒さんまで見えたのがよかったです!
花組子の多くがアルカンシェル劇場の劇団員、ということでいつも大人数が舞台に立っていてごちゃごちゃしてしまりのない感じがした1幕は、ちょっと退屈。
2幕に、マルセルがドイツ軍に捕らえられ、まどかちゃんもドイツに行くことになり、ぺぺ(一樹千尋)は強制収容所送りに、と大きくストーリーが動いてやっと芝居らしく…^^;
音楽学校時代、ピアノの成績がよかったというれいちゃんが、『巡礼の年』に続き、また舞台上でピアノ生演奏してくれるのは、大サービスですね^^
フリードリッヒが可愛すぎる!
ひとこちゃん(永久輝せあ)演じるドイツ軍の文化統制官が、アネット(星空美咲)にぞっこんでベロベロで可愛い♪
次期トップコンビ売りはOK。
プロポーズして、「奇跡だ〜」のセリフとアクションはちょっと違和感ありましたよ、小池先生。
フリードリッヒの配置転(異動)換多すぎて、演出家のご都合主義な感じが否めず、ちょっと白けました ^^;
ストーリー破綻してないし、最後、めでたしめでたしで虹もかかってハッピーエンドで満足。
終わり良ければ全て良し、ってことで、特別感動する場面もないけれど、温かい気持ちになれました。
全然期待していなかったから、印象がよかったわ。
いつもどんな公演でも期待過剰すぎる私が悪い、ということで、ゴックン。