宝塚ブログ 心は青空♪

夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

【宙組】夢千鳥でデビュー 栗田優香先生の演出が素晴らしい♪

栗田優香先生、演出家デビュー、おめでとうございます!

「夢千鳥」、デビュー作にしては、クオリティ高すぎますけど??

いきなり名作の域よ?

「栗田優香」でググってみますと、2014年に宝塚歌劇団に入団されましたが、

ちょうどその年に『さよなら、イーストボーイ』という短編映画を制作されていますね。

慶応大学の「創像工房 in front of.」というサークルで、演劇作品を制作しておられたようですね。
谷貴矢先生も想像工房の作品「ぼくもういかなきゃなんない」に参加されたことがあるようですので お繋がりがあるのかしら?

 

前回書ききれなかった、栗田先生の演出の感想を書き留めておこうと思います。

 

スタッフさん、演出家さんに興味のある方は、現役生徒さんのファンより少ないかも知れないですが、栗田先生の演出が素敵だったので…興味のある方のみどうぞ。

メーテルリンク「青い鳥」と夢二をリンク

ポスターに、鳥かごと、羽根を持つそらくん…で、何の暗喩かな?と思ってたんですが…

メーテルリンクの「青い鳥」のお話とリンクして、「幸せを追い求める」お話だったのですね。

 

劇中でも、彦乃が夢二の息子に「青い鳥」の本を読み聞かせる場面があります。

チルチルとミチルが、幸せの青い鳥を探すお話です。

 

チルチルミチルのように、夢二は、次々に女性を愛しては捨て、幸せを求めてさまよう旅人のようでした。

青い鳥だと思っていても 赤い鳥になったり、死んでしまったり…本当に青い鳥はいるのだろうか?

青い鳥の卵は 青い鳥になるように大切に育てなければ 青い鳥にはならない、と最後に悟らされる場面がこの作品の肝ですね。

 

これは、栗田優香先生のパンフレットの「ご挨拶」にありました。

最晩年の夢二が外遊先から日本の友人に手紙でも書こうかと思ったが、友人が一人もいないことに気づいた、と日記に認められていました。

誰も真剣に愛してこなかったから、誰からも愛されなかった…と。

 

 数々の女性を愛し愛されてきたはずの男が、遠い異国の地で一人、己の愛について省みたこの文章に、言葉では言い尽くせない悲哀を感じました。

愛とは一体どういうものなのか…夢二の人生を掘り進めた先にぶつかったこの問いに誠心誠意取り組んだ結果、本作「夢千鳥」が生まれました。

 公演パンフレット 栗田優香「夢千鳥」より引用

 

演出の妙

幕が上がる前から、小さな声で歌う「宵待草」が流れています、すでにここから始まっているのですね。

 鳥&鳥かご

上述のように、鳥をモチーフに使っていますから、幕開きから、水色の衣装の鳥たちが舞い踊ります。

 

ナウオンステージで言ってたように、水色の衣装を身に着けた「鳥」は、それぞれ、誰を象徴する鳥か、決まっているのです。

夢二=秋音光、他万喜=湖々さくら、彦乃=花宮沙羅…、という具合に。

 

鳥が離れていく=二人は別れる…ような、鳥たちに意味を持たせているんですね。

 

鳥の羽も効果的に使われていて、夢二(和希そら)が他万喜(天彩峰里)にナイフで切りかかった時、とっさに黒い座布団で防御するのですが、黒いおざぶから真っ赤な鳥の羽が飛び出して‥と羽根が効果的に使われていて印象的でした。

 

バックに大きな半円の鳥かごのセットが時々下りてくるのですが、ラストで、夢二がその扉を開けるシーンが印象的。

鳥かごは、シンプルですけど「アーネストインラブ」や「こうもり博士の愉快な復讐劇」を思わせる感じ。

鳥たちは、自由を得て飛び立っていったのか…

 夢二の相手役 天彩峰里のテーマカラーは赤

 上述の「ナイフで切りつけ場面」は緊張の場面展開ですが 真っ赤な羽根が出てきてホッ。

 

夢二と他万喜の愛憎を描いたタンゴシーンが、これまた素晴らしいのですが、ここの他万喜の着物も黒、裾模様と長襦袢が赤。

ライトも赤で、暗い部分とで赤と黒コントラストが、視覚的に愛と憎しみ感を出していましたね。

3組のタンゴダンサーズの衣装も黒です。

 

じゅりちゃん(天彩峰里)は、昭和の女優役も演じてますが、 こちらも真っ赤なドレスでした。

強く、情熱的なイメージをカラーでそこはかとなく出してるのかも。

 

愛憎渦巻く人間ドラマを「大正浪漫」の世界観の中、美しく描かれていて、デビュー作とは思えないクオリティの高さでした。

 

 リピート観劇したい名作だったから、お家でもう一度、配信で観れるのが嬉しいです!

6公演しかできなかったので、多くの方からの配信のお願いが、劇団を動かしたのかな、と思ってます。

 

これからも、外箱公演で 主演が3番手以下でも、配信があると嬉しのだけれど‥

バウホール公演って、いつもチケット難ですから。

 

とにもかくにも、栗田優香先生の演出家デビュー作、配信で多くの人に観てもらえる事になってよかったです!!

 

 

備忘録的メモ スタッフ

演出     栗田優香

作曲・編曲  手島恭子

振り付け   原田薫 百花沙里

衣装     大津美希🆕

演出助手   菅谷元🆕

 

明日は、「エリザベートTAKARAZUKA25周年スペシャルガラコンサート」千秋楽と、宙組公演「ホテルスヴィッツラハウス」のダブル観劇@ホームです!!

 

気持ちが忙しい1日になりそう…