宝塚ブログ 心は青空♪

夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

【星組】『ディミトリ』千秋楽も近くなり、ますます演技に深みが増していた!

星組公演『ディミトリ』2022年12月5日 13時公演を観てきました。

 

原作本は、セリフが少なく、人物描写も浅いのでストーリーは良いのですが、物足りなさを感じていました。

 

宝塚の舞台に載せて、こんなに素敵な世界が描き出されるとは…と改めて、生田大和先生の手腕に拍手!!

いつものことですが、初見は、目から入ってくる情報を処理しきれず、自分の中にある小説の場面とが入り混じってやや混乱気味でした。

 

今回、落ち着いて見れたこともありますし、星組のみんなも、お役が馴染んでいて、楽しかったです!

 

ホラズムの帝王、ジャラルッディーン

ルスダンとディミトリの物語ではあるのですが、

せおっち(瀬央ゆりあ)演じるホラズムの帝王ジャラルッディーンを、ジョージアを侵略してくる敵というだけでなく、

男気のある、強くて優しい「漢」として描かれていて、ディミトリ(礼真琴)が毒を呷って息絶える場面でさえ、

最後までディミトリに信頼を貫こうとしていて、キュンときます。

 

本で読んで脳内で展開した図と、目の前のディミトリとジャラルッディーンのお芝居がきれいに重なって、不思議な既視感がありました。

 

悪者は悪ければ悪いほど、ヒーローの正義が際立つのですが、この作品では、ジャラルッディーンは、完全な悪ではなく、ディミトリに裏切られてしまう…

ディミトリは、二重スパイを働いてまでも、愛するルスダンと子どもたちを守ろうと、自分の命を犠牲にして…つら。

 

一番泣けるのは、ディミトリの訃報を伝えようとするのを遮るルスダン(舞空瞳)。

王配(ディミトリ)が帰ってきたら、議会への出席を認めてくれますか?と尋ねるルスダン。

もう彼は帰ってこないとわかっているのに…と思うと胸を締め付けられて嗚咽が漏れそう…

 

副宰相・アヴァク・ザカリアン

今回の成功に欠かせない存在が副宰相・アヴァク・ザカリアン(暁千星)。

原作本では、名前は登場するものの、セリフもない役でしたが、舞台では、ちょっとダークな…裏で画策するお役で、影の立役者と言ってもいい、スパイス的なお役。

 

月組から組替えしてきたありちゃん(暁千星)にお祝儀的なお役だな、と思いました。

主要キャストとしてポスター入も果たしています。

 

ギオルギ王(綺城ひか理)の遺言とは言え、ルーム・セルジュークから来たディミトリがルスダンの王配になるのが面白くなさそうなので、ルスダンの王配には自分が適任と思ってたようですね^^(私見

 

このお役のありちゃんが、重みのある役で、すごく似合ってて惚れます。

ふらつくルスダンを後ろから支えたり、ぐっとくる演出。

壁ドン、顎クイ、鼻チョン、に匹敵するぐらい、ぐっときた〜〜〜〜〜!

 

組替えして、一皮むけて、大人の男味を出せるようになりましたね!

今後がますます楽しみです!

 

98期の天華えま、有沙瞳

ありちゃんと同期のぴーすけ(天華えま)もユニークな役で、印象に残ります。

ご主人のジャラルッディーンにウインクしたり、投げキッスを飛ばしたり…^^;

ジャラルッディーンは、美しい若い男が好きらしいから、主従関係以外の別の関係もありそうね…^^;

 

ギオルギ王の妻のバテシバ(有沙瞳)も原作本には、名前しか登場しないのに、舞台では、重要なメッセージ、

「離れていても愛は引き裂かれない」ことを歌い、諭します。

 

礼真琴、綺城ひか理、有沙瞳の歌上手3人の歌唱は、聴き応えあり、心が震えます。

ここは、観客に対する大サービスの耳福場面になっていて、こんなシーンを作ってくださった生田先生に感謝!

「Le Rouge et le Noir」が楽しみでしょうがない、まだまだ先のことなのに!

 

小説ではタイトルロールのルスダン

宝塚版では、男役が主演なので『ディミトリ』というタイトルですが、もともとはルスダンが主人公の物語なので、ルスダンの喜びも、不安も、悲しみもたっぷり盛り込まれて、なこちゃん(舞空瞳)が大活躍!

 

歌上手のくらっち(有沙瞳)と歌唱で激しく言い合う場面も、負けていませんでした。

 

ディミトリに裏切られた、と自暴自棄になって奴隷のミヘイル(極美慎)を誘ったり、複雑な心境を演じる場面が多い作品ですが、それぞれ丁寧に演じていましたね。

 

研4での就任で、実力派トップの礼真琴の相手役、ということで苦労もあったと思いますが、本当に成長したな、と嬉しいです!

 

悲しき王配・ディミトリ

トップのこっちゃん(礼真琴)がこの役? と最初はとまどいました。

王配だし、議会にも参加できず、ルスダン以外四面楚歌。

ヒーロー感のないお役だわ…とちょっぴり残念でした。

 

「活躍の場を与えられない」ディミトリは二重スパイという暴挙に。

 

ヒーローにはなり得なかったから、自分を犠牲にするしかジョージアを守る道はなかったのか…

ディミトリの心中を思うと、胸がキリキリ痛みます。

 

普通なら、ぐいぐいと真ん中でオーラ放出するこっちゃんが、王配故に、控えめな感じでいるのがとても新鮮♪

たまには、こういう姿もいいわね。。。と意外な発見。^^

 

スタッフ(覚書)

原作      並木陽

脚本・演出   生田大和

作曲・編曲   太田健

振り付け    御織ゆみ乃、桜木涼介、ノグチマサフミ(ジョージアンダンス)

装置      國包洋子

衣装      加藤真美

演出助手    熊倉飛鳥

 

音楽、壮大な雰囲気、きれいなメロディラインの音楽、太田健先生の楽曲もいつも素敵です。

 

衣装は、ゴージャスな衣装でおなじみの有村淳先生についてお勉強された加藤真美先生。

上品で美しいドレスなど、私好みの衣装をデザインされるので、いつも楽しみにしてます。