宝塚ブログ 心は青空♪

夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

エリザベートに続く看板になるか、「はいからさんが通る」

友人(非ヅカファン)が、先日、日経新聞の文化面に宝塚のことが出てたよ、と8月7日の日経新聞・夕刊、文化面を持ってきてくれました。

 

ありがたいですわ~♪

 

8月7日といえば、はいからさんが通る」はすでに公演中止になっていたのですが、見出しは「舞台・人物描写 厚み増す」、小見出しは「宝塚 『はいからさん』看板に育てる」と!!

 

舞台・人物描写 厚み増す

舞台が厚みを増すのは当然ですよね~。

前回はドラマシティ(キャパ 898席)14公演と日本青年館ホール(キャパ 1249席)ホール14公演。

入るお客さんの数が全然違うから予算も違います、これ、すごく大きいです! 

大劇場公演は、二箇所で1ヶ月近くも上演するんですもの、

尺は同じでも、出演者が増えるから役を増やして、エピソードを増やせるから お芝居に厚み出ますよね~♪

舞台機構も、大劇場は盆やセリもたくさんあるので立体的につくれるのも見応えあります。

 

新たな登場人物は、青江冬星のお父さん(羽立光来)だったり、オペラ歌手の田谷力三(泉まいら)や原信子(糸月雪羽)でした。

 

今回 描きこまれた冗談社・編集長の青江冬星の心情について、

特に目立つのが脇役の描写の充実ぶり。忍の恋のライバルの青江冬星には父親役が新たに登場し、こじれた家族感情を表すセリフが追加。複雑な家庭の事情から朗らかな紅緒に心引かれる心情がより細やかに表現された。

 日本経済新聞 8月7日夕刊より引用

社会運動の活動家との関わりを持つ作家の高屋敷要が関東大震災を見届け新作小説を書き上げるのも新たなシーン。

「こんな時こそ言論の炎を消しちゃいけない」というセリフに大正期から戦前にかけての社会主義の勃興と弾圧が暗示される。

 日本経済新聞 8月7日夕刊より引用

 今回の「はいからさんが通る」では、大正という時代を感じさせるモチーフが多かったですね。

 

社会運動の活動家との関わりを持つ高屋敷要をストーリーテラーにして、時々お芝居に紛れ込ませる手法は面白いし、ストーリーの、まさに要となって、忍と紅緒の出会いからハッピーエンドまでを引っ張っていく役割を担わせて、小柳先生、ブラボーでした!!

 

今回、「大正時代」というのを感じる場面が多かったのも、高屋敷効果なのかもですね。

 

反政府運動のシーン、怖かった…緊張感ありました。

リーダーの高翔みず希さんの役作りが功を奏して、陰気な圧wがすごくて…^^;

盆も回して 以前にはなかった迫力のあるシーンになってました。

 

はいからさんを看板に育てる

宝塚は近年、「エリザベート」「風と共に去りぬ」など何度も再演される長年の看板作品に新たな一作を付け加えようと模索してきた。

  日本経済新聞 8月7日夕刊より引用

 えっ?? そうだったんですか! 

そりゃそうですね、安定収入が望めますもの。

ベルばら演ってりゃ客入る、って時代は終わったように思います。

今は「エリザベート」。もう全曲歌えるし(主旋律)、セリフも覚えて、なんなら代役いけますけど?なファン多数。

もう飽き飽きだわ、と言いながら、やっぱり観たら感動してしばらく いろんなことを考えてしまうぐらいインパクトのあるストーリーですね。

人気の演目は演者の人気に左右されず一定の集客効果が見込め、特にエリザベートはチケット入手が困難とされるほどだ。

 日本経済新聞 8月7日夕刊より引用

 ですです!! 演者が、役にハマっているかどうかが鍵、という部分は少なからずありますが、一定の集客が見込めるのは、なんと言っても

 

*楽曲の素晴らしさ もう、これだけで7割方成功してると思ってます。

*どこの家庭にでもありそうな問題が織り込まれているから主人公に感情移入しやすい。

(姑が口を出す、夫が姑の言いなり、自由がない、夫が不貞を働く…など)

*時代背景がドラマチック 

一つの時代が終焉を迎える時の 歴史のうねりが面白い。

 

小池修一郎先生の、歌詞、セリフが美しく 心に響く。

名作たる所以。

 

こういう作品を2,3本持ってると 困った時の…神頼みじゃなくて「エリザベート」。

 

あ、そっか!! 新たな看板作品にしようとしたのは、月組で上演したアレ。

I AM FROM AUSTRIA ですね?

すっごい期待したけどね、オーストリアでは大人気だっていうし。

でも当初から一抹の不安はありましたよ、感動ポイントがハリウッドで活躍する女優がアイデンティティを取り戻して、自分がオーストリア人であることの誇りに目覚める話でしょ?

オーストリア人が感動するに決まってます、だけど日本人が同じ気持ちになれるか、というと違うと思うの。

 

ウィーン劇場協会が、「エリザベート」で大成功を収めたから、って またIAFAを売り込んできたけど。

感動ポイントがずれてる、ってことに気づかないと!w

 

曲はすごく良かったし、さくらちゃんお上手だったから良かったけど、感動ポイントが上述の、オーストリア人であることの誇りを取り戻す、だから 日本人はそこまで感動できずなんですよ、少なくとも私は。

るうさんの支配人も面白いし、パブロのジェンダー問題も異色だし 全体に楽しめるけど 心揺さぶるものがあったか?というと さらっと楽しみましたです、ハイ、な感じ。

 

チケット難~!とかは、どの組が演じても なりそうにないですね。

 

前にも記事に書いたと思うのですが、人気の演目って、原作が面白いし普遍的だから、どの時代、どの国で演じても感動できるのです。

それが シェイクスピアロミオとジュリエット 不朽の名作だわ。

 

これは ロミオとジュリエットの愛もだけど ライバルのティボルトも魅力的に描かれてるし、マーキューシオ、ベンボーリオらの仲間や、乳母、ロレンツォ神父様などの脇役もいい味出していて 誰が演じてもこけない作品ですね。

名作たる所以。

ロミジュリも再演が多くて、星組でも再演予定です。

 

ただ・・海外ミュージカルは、版権を買うのに多額の費用がかかります。

 

はいからさんが通る」を上演するのは、大和和紀先生に版権お支払いするのかもしれませんが、全楽曲、劇団員作曲ですので音楽使用にかかる費用が押さえられる利点があります。

ベルばらも、自前だったので 版権問題は助かっているのだろうと思ってました。

 

ビジュアル的に誰でもできるわけではない?

海外ミュージカルと違っていいところは、割と歌いやすい歌が多いから役者を選ばないですね。

海外ミュージカルは、歌えるトップでないと厳しい、とされています。

ただ、二次元の三次元化は、ビジュアル重視ですから、たまたま花組で「はいからさんが通る」や「ポーの一族」で成功しましたけど、なかなか 皆がピタッとハマるのは難しいのかな、と思います。

 

今は 柚香光✕華優希しか観てないので そう思うだけで、他の組で上演したら、これもありかな?と広い心で見ることができるようになるのかもしれませんね。

現に、今回、退団された方のお役を演じている 牛五郎の飛龍つかさくんや、環役の音くり寿ちゃんは、どうかしら?と思ったけど これもありだな、と頼もしく拝見しています。

 

ただ、トップコンビだけは ピッタリ忍と紅緒にハマっていて欲しいです。夢見れないですから。

 

先日 「フライングサパ」を映画館で観ました。いい話なのかもしれないけど、なにか物足りなかったんですね。

いつも劇場を後にするときの爽快感がなかったんです。

 

それは歌もほとんどなく ダンスもいつもとは違うだんすで フィナーレもない。一貫してSAPAの世界でした。

ヅカファンの求める、キラキラとした幸福感が薄かったです。

感動のクライマックスもなく、衣装も近未来、という事でシンプルで地味なものが多かったです。

(違法ホテルにいる人達は派手w 特に若翔りつくんと京三紗さんの衣装はど派手)

 

ドラマシティで始まった「壮麗帝」は、主演コンビは愛に溢れているし ドラマティックなストーリーで観る者を惹きつけているようですね。

宮邸話なので衣装もゴージャスな様子。

フィナーレもついて、これぞ宝塚、な作品のようです。

 

チケット持ってたのにリスケになって払い戻されたので 火曜日にライブ配信で観ます。

楽しみ~♪

 

やっぱり、愛があふれたドラマティックな作品がいいです!

そしてその時代背景として、革命や社会問題や戦争などが絡んで話が膨らんでいくと面白い。

 

はいからさんが通る」は、エリザベートに続く定番作品になるよう「コンビとともにじっくり育ててきた」とのこと!!

 

外箱公演だった作品を 大劇場用に書き直したのも、定番化するためだったんですね…

 

これからもいろんな組で再演を繰り返す作品になるのですね、新たな 忍、紅緒が生まれるということ、そう思うと楽しみになってきました!!