鎌足 2019年5月9日 12時公演を観てきました。
鎌足、というタイトルを聞いた時は、全くわくわくしなくて、
鎌足が主人公でも ほかにタイトルの付けようもありそうなものなのに
そのものズバリ「鎌足」 なんだかな~~~~~でした。
サブタイトルの「夢のまほろば、大和(やまと)し美(うるわ)し」 は 素敵なフレーズ。
大和は国のまほろば たたなづく 青垣 山隠れる 大和しうるわし から。(古事記)
う~む 生田先生のファーストネーム 大和(先生の名前はひろかず)ですね♪
この作品が 生田大和先生演出、と聞いて チケットを取ろうと思いました。
演目とか 贔屓組とかじゃなく 演出家で、というのは かなり珍しいです ワタクシ的に^^
折しも 生田先生演出の 花組のCASANOVA公演中に チケットのエントリーがあったので。
生田先生の作品をもっと観たい!って思っちゃったんですね^^
私としてはどうしても好きになれなかった あの、CASANOVAを素敵な作品にしてくださって。
もちろん CASANOVAを演じた主演の明日海りおさんも素晴らしいし
花組生も 楽曲を提供してくださった ドーヴ・アチアさんも素晴らしいですが^^
で、鎌足は 大化の改新では大きな役割を果たした人物ですが なかなか主演になりにくい人物。
そこを主演に持ってきた 着眼点というか 意外性というか、面白かった。
以下 ネタバレありますので ご注意ください。
予想外の展開でもありました。 それは…
一幕では、主人公は、蘇我入鹿?と思うほどに専科の華形ひかるさんの存在が際立っていました。
とにかくかっこよく描かれています。
学堂に遅れて来た鎌足を悪し様に言い、おまえとは机を並べたくない、とまで言う級友たちに、
皆が一目置いている入鹿が 「それならおまえが出て行けばいい」、と言い放ち、
それを拒まれると、ならば自分が出て行く、その机を使え、と鎌足に譲る、
まさに、ヒーローです!
もっと自由に生きたい、と願う鎌足に 志をもって ともにいい国をつくろう、と誓い合う。
一幕の鎌足は 軟弱な男に描かれていて それをベニ(紅ゆずる)が好演♪
逆に 専科華形ひかる様は 頭が良くて 力強い かっこいい入鹿役。
どちらが主演??と思うほど出番が多い華形ひかるさんでした。
大化改新をすすめた、中臣鎌足と中大兄皇子の事は、学校で習っただけで、もうすっかり忘れていましたが、
今、生田大和先生に命を吹き込まれた鎌足と中大兄皇子、蘇我入鹿らが放つセリフが、
とても美しく、胸に迫る内容で お芝居に引き込まれました。
鎌足と蘇我入鹿は、もっと自由な国を作ろうと誓いあったのに、
いつしか全く違う道を歩いて、鎌足自らの手で、入鹿の息の根を止めてしまうとは。
その事が、鎌足の胸に楔のように刺さって彼を苦しめていました。
今回、二番手役のせおっち(瀬央ゆりあ)as中大兄皇子は、一幕の終盤にようやく登場。
蹴鞠に興じていた時に飛ばしてしまった靴を 鎌足が拾って、中大兄皇子に跪いて履かせたのが運命の出会い。
2人にピンスポットが当たって シャラン♪と運命の出会いの音が鳴ります^^
中大兄皇子(瀬央ゆりあ)の母 皇極天皇(有沙瞳)は 蘇我入鹿と心を通わせていて
その皇極天皇の眼の前で 蘇我入鹿は殺されてしまうのでした…
皇極天皇と入鹿の淡い恋?はフィクションですね…
歴史を動かした 入鹿、鎌足、中大兄皇子も面白いし
そこに 絡んでくる 予志古の存在も面白く いいスパイスになっていました。
蘇我蝦夷の書記官 恵尺をストーリーテラーに配したのも成功してると思いました。
歴史を編むのが私の仕事、と言う恵尺が、ラストで
歴史は、生き残った者が作る、というシーンが面白く 説得力がありましたが
鎌足は、入鹿やたくさんの血が流れた結果、今がある事が記録されない事に不満と驚きを隠しません。
私たちが、今、史実と思っている事も、勝者が自分達の都合の良いように書き変えたのかもしれないです。
歴史は作られる、書き加え、あるいは削られて 歴史になっていくと言う…
壮大な歴史ロマン。面白かったです!!
キャスト別感想は また後日。
今日は 客席に雪組の真地佑果さんと
星組全ツ組の 紫りらちゃん、天華えまちゃんが来てました。
りらちゃんが 最後涙を拭っていて 可愛かったです~♪