宝塚ブログ 心は青空♪

夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

MITSUKO~愛は国境を越えて~ 5/17 13:30公演観劇♪

MITSUKO~愛は国境を越えて~ 観てきました

長いです↓ ネタバレすぎです (私の観劇記録のため)

しかも ちょっぴり辛口批判もあり 

それでも読んでみる、という覚悟のある方のみどうぞ~

10数年前に「クーデンホーフ光子 (タイトルうろ覚え)」を読みました

光子の強い愛と勇気、そして

伯爵家に嫁ぎながらも

当時の国際結婚故の苦労を重ね 

決して幸せと言えなかった晩年

彼女の波乱の人生に 心揺さぶられる思いでした

その「光子」が舞台化される・・・小池修一郎演出で、絶対観たいでしょっ!!

と、もう1年近くも観たいと思っていた作品です

1941年、ミツコの次男リヒャルトがパン・ヨーロッパ構想を

アメリカ議会で演説するところから始まります

この、成人リヒャルトがストーリーテラーとなり話が進んでいきます

彼のもとに、大使館員の娘である日本人女学生・百合子が

母・ミツコの訃報を届けに来ました

その彼女に、リヒャルトは、母ミツコの物語を語り始めます・・・

クーデンホーフ伯爵がオーストリアの全権大使として日本に赴任して来ました

ミツコの運命を大きく変えた人物の登場です

来日する船のデッキで歌う、夫役・マテ・カマラスの歌が酷い! 

声が全然出てない(特に高音部)、伸びない、こもってる

何故この人をキャスティングする必要があったのか?

一気に観る意欲ダウン 

ウィーン版エリザベートでトートを演じておられたとか

へぇ~~~ (¬_,¬)

小池氏のコネ?

どこかの劇団じゃないんだからコネは止めて

観客の納得できる実力のあるキャストにして欲しいわ 

TVで ヨーロッパのミュージックシーンで大人気、と紹介されてたけど

それはルックスだけで 実力は・・・???です

骨董品屋に案内され、店の娘の光子と出会った伯爵

伊万里焼の皿を渡そうとして落として割ってしまった

見つめ合う二人、恋の芽生える瞬間

ここは かなり「クサイ芝居」になっております

ありきたりで 全然キュンと来ない・・・

骨董品屋のおかみ、ミツコの母親役、未来優希さんの歌が素晴らしい

萎えかけてた私の観劇欲がよみがえった!

(未来さんは、夫の親戚や 後半 日本人記者の役でも登場・・・忙しい)

若かりし日のミツコを演じる為か、

とうこさんが草履でチョコチョコ歩く姿は…うーん、ちょっと無理がある ^^;

でも とうこ(安蘭けい)さんの透明感のある声、力強い歌を聴いて

あ~、これを待ってたんだ!と思いました

どなたかは分かりませんが 

ハンセン病施設のシスターの歌も、すごく良かったです

外国人に恋をしたミツコに 耶蘇だ、毛唐だ、と怒る父

父に勘当を言い渡されたミツコは伯爵と結婚し二児をもうけます

領主が亡くなり、母国に帰ることになった伯爵と共に

海を渡る決意をしたミツコ (当時まだ21歳だったらしい)

もう、後には引けない人生に一歩を踏み出したのです

初めて国際結婚をした日本人であり、

初めて海外に行った女性であり

初めての外国人貴族に嫁いだ女性だそうです。

昭憲皇太后に拝謁し 扇子を賜り(ポスターで持っている)

日本人女性としての誇りを失わぬよう、と言葉をかけられます

きっと下賜された扇子は ミツコの生涯 

日本人の誇りを保ち続ける 心の支えとなったのでしょう

オーストリアに渡ったミツコは

夫ハインリヒの親戚から 野蛮人のように蔑まれたり

貴族でないことを理由に 嫌がらせを受けるけれど

夫の厚い庇護の下、彼の教育のお陰で

立派な貴婦人に変身を遂げた。

長くは続かなかった幸せ

結婚10年で 夫は他界

親戚が 遺産相続に異議を申し立てるが

裁判で毅然として真っ向から闘い 

伯爵夫人としての地位と名誉を守りぬいた

異国の地で 7人もの子供を女手一つで育て 生きていかねばならない

まだ若きミツコの心細さを思うと 胸が締め付けられます

孤独の中で 子供の教育のためウィーンへ

最後に子供たちとともに歌う「後ろを振り向かずに」がすごくいい!

フランク・ワイルドホーン氏書下ろしの曲です

何故彼はこんなに心の琴線に触れる美しいメロディーを生み出すことができるのか

素晴らしい才能に拍手!

胸の中に感動の嵐を呼びます!!自然と涙が頬を伝うような・・・。

本当に感動しました!

ここで1幕終了

とうこ(安蘭けい)さんはやっぱり 歌がお上手!!

彼女の歌にはやっぱり聴き入ってしまいます

伸びやかな声がとても心地いいです

お芝居は全体にさらっとした印象です

愛は国境を越えるというサブタイトルの割りに

2人が愛しあってると実感できる場面が少なかった

だから 夫ハインリヒが亡くなっても その悲しみに重さを感じない

淡々と、事実として語られていきます

愛情が迸り出る感が希薄で ちょっとつまらない

が、従者が夫の日記を燃やしていた時に出てきたメモを読むミツコ

夫の3つの誓いが書かれていました 

1.神に信仰を捧げ 2貧しい人たちを救い 3ミツコを守り通す

ここは結構胸にキュンと来ました

第2幕は ミツコと子供たちのウィーンでの生活が描かれていきます

社交界で東洋の真珠と謳われ 注目を浴びたのもつかの間、

長男ハンスは 航空ショーの女性パイロットと結婚。

次男で高校生のリヒャルトは14歳も年上の女優と恋仲になり

光子は激怒して、子供たちに一層の厳格な教育をほどこすようになった。

そして・・・だんだんと 子供たちはミツコから離れていく

ますます孤独を深めるミツコ その寂しさは計り知れない

異国で日本人としての誇りを頑なに貫いたが為に

皮肉にも 愛する子供たちは去り 心を許しあえる友もなく

孤独なミツコの心の内を思うと切なくなります

2幕では 時代が戦争へと動き始めるので

時代背景などを説明するような シーンが多く

ミツコ=とうこさんの出番は減ってきます

それが 物足りないと感じる理由のひとつでもあります

タイトルロールを務める安蘭けいさん

未来優希さんが 歌に芝居に八面六臂の活躍

大月さゆさんも 女学生百合子役で健闘

(チラシには名前が載ってないんですが・・・)

女優イダ・ローラント役のAKANE LIVさんは、元宝塚雪組男役で

ちえ(柚希礼音)ちゃんと同期だったらしいけど知らなかった・・・

(在団時は神月茜、以前は岡本茜を名乗っておられました)

宝塚OG4人、皆さんそれぞれ

素敵な女優さんになっておられて、退団後の活躍も素晴らしいですね♪

若きリヒャルトの辛源さん、若いながら すごく頑張っておられました

若手有望株です。

ただ、このお芝居全体は・・・

う~~~~~ん、

盛り上がりに欠けるミュージカルでした

女の一生 全部を描こうとするから ミツコの生涯をなぞっただけに終わっている

もっと どこか一部分にスポットを当てて

愛がテーマなら 夫への愛、子供への愛、そういったものを

色濃く描いて欲しかった

二人が国境を越えて行くほどの熱い「愛」情を交わすシーンは

殆ど無かったと言っていい

言葉や宗教や髪や目の色の違いを超えてまで

愛を貫くのは当時大変だったはずなのに あっさり結婚してしまう

激しい感情の発露というものが感じられず 

お芝居に関しては 感動が薄かった

ミツコが夫の死後も ひとり異国の地で日本人女性として、

凛と胸を張って誇り高く生きていく姿を表現する女優さんは

安蘭けいさんの他には考えられないかも。

あの強い目力が 強力な意思を湛えていますね!

カーテンコールで 演者全員で手をつないで

主題歌「後ろを振り向かずに」を

今疲弊している 被災地に向けて、日本に向けて、合唱されました

力強く前向きに生きていこう、後ろは振り返らずに。

ミツコの思いのこもった名曲です。

感動しました♪