宝塚ブログ 心は青空♪

夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

【花組】愛か、祖国か!苦悩が胸に迫る『舞姫』

舞姫』2023年5月12日 14:30公演を観てきました。

宝塚歌劇団元理事長の小川さんと、演出の植田景子先生が来られてました。

 

美しい世界…景子先生の演出のすべてが好き♪

近代日本の黎明期の雰囲気がよく伝わりました。

優秀な官僚が国費留学で欧州諸国に赴き 新しい国家の礎を築くため法学を学びに行ってたのですね。

 

2度目のバウホール公演主演のあすかちゃんは、安定のお芝居で頼もしい。

真っ白い軍服の似合うこと! 

品のあるお顔立ちは優秀な軍人にピッタリ!

ドイツで学んで来るように、という勅命を奉じると、ボーっと汽笛が鳴る所からもう、心はベルリンに!

 

エリスと扇を持って踊る場面、幸せそうな二人。

最後に、エリスは正気を失っても、豊太郎からもらった扇を大切にしているところが泣かせますね。

 

エリスとの恋沙汰で免官になってしまった豊太郎の行状を知った母は自害。美風舞良

豊太郎の生き方に大きな影響を与えた馳芳次郎は異国の地で病に倒れます。侑輝大弥

 

そのお二人が、二幕後半で白い衣装で並んで現れスポットライトに照らし出されます。

神々しい。

物語の肝は、愛と祖国の板挟み=自業自得

燃え上がる恋、というのはいろいろと障害のある恋。

自分の中で、ダメだ、ダメだ、とブレーキをかけると余計に燃え上がる危険な恋。

障害は、燃料になりますよね。

 

豊太郎は、日本人の留学生仲間や上司から諌められたり揶揄されたりしますが、かえって豊太郎を意固地にする結果を生んだのかな、と思いました。

 

エリスへの断ち難い思いから同居するようになり、夫婦同然の仲に。

結果、エリス妊娠。

 

豊太郎がロシア赴任中も寂しさを募らせるエリスなのに、その彼女を置いて帰国を決意するところは…

豊太郎自身、身を引き裂かれるような思い…あすかちゃんの芝居見ものです!

 

天方伯爵の要請に「はい」と答えて崩れ落ちる豊太郎にスポットライト&金の紙吹雪が降り注ぐ…美しい…♪

 

ラストは、豊太郎、エリスがなにもない舞台上で離れ離れに立っていて幕。

で、幕一旦上がっって、二人抱き合ったところで、再度幕、という面白い造りでした。

 

印象に残ったキャストについて

聖乃あすか

お役にハマってました!

愛と祖国の板挟みになって、結果、エリスを捨て帰国した豊太郎。ワル〜

 

それでもあすかちゃんが演じると手堅く、何事にも真摯に向きあう「好青年」と思わされます^^

 

今回の公演は、難しい役どころですが、好演してますね。

愛(エリス)と祖国(天方伯爵)の間で揺れる心。

自分に与えられた使命を全うすべき、と頭ではわかっていても、皮膚感覚でエリスと分かれがたい豊太郎。

苦渋の選択を迫られ苦悩するあすかちゃんの姿にハートを掴まれます。(苦悩する姿大好き^^)

 

もう堂々のセンターで、安定のお芝居、とっても良かったです!

早く次の大劇場で、どう化けるか観てみたいです。

美羽愛

笑顔が可愛いあわちゃん(美羽愛)

エリスにぴったり!

恋に落ちて嬉々とするところは可愛く、置いていかれないかという心細げな表情、多彩な表情でメリハリのある演技に好感。

お歌はまだ、ブラッシュアップの余地ありに思えました。

帆純まひろ 

豊太郎の親友・相沢謙吉、持ち前の明るくソフトなホッティー全開で、思ったより軽い印象でした。

豊太郎が困ったら、すぐに駆けつけてくれる優しく頼もしい人。

ホッティーが爽やか過ぎて、エリスにダメージ与えるところもさり気なくて…

もっと黒い感じを出してもよかったかも。

侑輝大弥

私費でドイツに渡り、日々の暮らしも困窮し得る貧乏絵描き・馳芳次郎役。

自由人で、しっかりと自分の夢を描いているところに憧れ、羨む豊太郎。

 

病院に行くお金もなく、病に伏してしまう馳。

死ぬ間際の演技は、だいやくん涙を流しながらの熱演で…、もらい泣きしちゃいました。

だいやくん、めちゃくちゃステップアップしたようです!!

紅羽真希

悪役。

豊太郎を締め付けることに快感を覚えているかのごとく、ダメージを与えにくる。

やらしー、と思わせるということは、芝居が巧い、ということですね。

泉まいら

苦しい場面でも、まいらくん演じる岩井直孝は、ほっこり、クスクス笑いを誘うお役。

清涼剤のような、印象に残るお役でした。

美空真瑠

ホットワイン売りと青木役

ホットワイン売りは2幕冒頭、下手袖にワゴンを出してきて、いきなり歌うというちょっとハードル高い場面ですが…

さすが歌上手まるくん! 第一声から違うね、声がいい!

自信があるから堂々としていて巧い!

少年ぽい、礼真琴風味ですが大事に育てて頂きたいです。

 

青木英嗣の方は…国費留学生。

新たにドイツに渡ることになり、豊太郎にアドバイスをもらいにくる若き軍人です。

 

専科・一樹千尋

天方伯爵など、重鎮は、この人しかいない!の一樹千尋さん。

蒼穹の昴』で西太后役をされたのも記憶に新しいですがこの作品の天方伯爵もまた…

セリフ回しが一樹節で、それがまた味があっていい♪

 

今日は、本人確認の公演でした

2,3日前にバウホール公演が入場認証の公演になる、と劇団からメールが来たと友人が言っておりました。

私のところには来てないよ…

 

バウ公演のチケットが当たった人にだけ来てたのかしら。

 

本日発券機は使えなくなってました。

 

…ということは大劇場も入場認証のみ、だったのかな?

転売対策の抑止力になるといいですね…