昨日幕が上がった星組シアターオーブ公演『BIG FISH』。
いよいよ来週6月3日月曜日から、星組2番手、暁千星主演の『夜明けの光芒』が始まります。
昨日ファーストランが流れた『夜明けの光芒』稽古場映像を観て、ワクワクしています。
目次:
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稽古場でお芝居が映った10人
原作が「名作」と言われるだけに絶対に面白いはず!
原作本「大いなる遺産」は壮大なストーリーで描きこみも多く、上下巻本の長編大作でしたが先が気になって思ったよりサクサク読めました。
「不朽の名作」と言われるだけある面白さでした。
これを、2時間半に収めるのは至難の業。
どこを取ってどこを切り捨てるのか、演出家の腕の見せ所ですね。
映画『大いなる遺産』(1997年版)DVDも観ましたが、映画版は舞台を現代のアメリカに置き換えてあり、原作のスリリングな面白さが感じられずでした。
稽古場映像は、一点を除いて、原作に近いように思いました。
ピップの恋のライバル、ベントリー・ドラムルの役の比重が大きい
小説の中では、あまり出番もなく、「ベントリー・ドラムルが…」とか「男爵の三男が…」とセリフとして出てくることのほうが多いベントリー・ドラムル。
ここが小説と今公演の一番違うところ、に思います。
ベントリー・ドラムルは貴族の立場を笠に着て、周囲を見下す嫌な男。
当然、面と向かってピップを下げてマウント。
ピップは愛するエステラがこの男とだけは結ばれてほしくない、と心底願っていました。
が、高慢で意地悪なエステラは、ピップが自分を愛していると知りながら、鼻を明かすかのようにわざわざこの男と結婚し、結果不幸になります。
小説ではちょい役のベントリー・ドラムルに、路線のかのんくん(天飛華音)がキャスティングされたのを見た時に、
ピップのライバルとして、見せ場をつくるのだな、と思いました。
果たして、やはり稽古場映像で、貧しい鍛冶屋の青年が、遺産を譲り受けて晴れてロンドンに行ったところが映りました。
「ようこそ、ロンドンの社交界へ!(ニヤリ)」なかのんくん、今回は薄黒いお役、似合ってます。
こういうお役は若手のうちにたくさん経験しておくと肥やしになりますよね。
演じ甲斐もあるでしょうし、観客の印象にも残る美味しいお役。
ドラムルが黒ければ黒いほど、観客は主人公のピップ(暁千星)にシンパシーを感じますので、しっかりと対比を見せてもらえたら、と思います。
ヒロイン・エステラ役の瑠璃花夏ちゃんに意地悪が似合わない
小説の中のエステラは、本当に嫌な女性なので(ミス・ハヴィシャムがそういう女性に育てた)瑠璃花夏ちゃんどうかな、と思ったら…
やはり意地悪味が薄かったです。
これから、舞台に上がったら、もっと練れてくるかも!
今後に期待♪
棚ぼたで転がり込んだ大金で田舎の青年が紳士修行
子どもの頃からエステラに蔑まれていたので、愛するエステラと同等になるため、貴族への憧れがあったピップ。
朴訥とした田舎の好青年をありちゃん(暁千星)が好演。
上述のベントリー・ドラムルと対峙する場面は一触即発のような、ピップの怒りを表現していました。
稽古場映像の冒頭で、ビディ(綾音美蘭)と追いかけっこするありちゃんが映りました。
本当に無邪気で可愛いお二人、ビディはピップにふざけて金槌を振り上げて…もうこちらの顔もほころんでしまう〜♡
幼馴染のビディは自分のことを好きでいてくれていると高をくくっているピップがいます。
ビディを求めたときにはビディはピップの義兄のジョーと結ばれていた…というオチ。
今回そこまで描かれるかどうかわかりませんが。
美稀千種さん、若いお役!!
組長の美稀千種さん、いつもはお父さんとか長老的なお役が多いのに、
今回はピップの義理のお兄さんのジョー役!!
鍛冶屋を営んでいて、ピップを弟子にしています。
幼いピップ(藍羽ひより)が義兄のジョーと語らうシーンが映りました。
こちらも、仲良しでほのぼのするワンシーンです。
弁護士・ジャガーズ(朝水りょう)がピップが遺産相続人になったことを告げに来た時、
「なんだと?」と言った感じで(声は発してないです)一歩前に出るみきちぐさん。
それを止めるピップありちゃんでした。
後ろでビディ(綾音美蘭)がかたずを飲んで見守っています。
幼い頃からエステラはちょっと意地悪
ミス・ハヴィシャムは自身の結婚式の当日に新郎となる男性に裏切られてから、ずっとウェディングドレスを着たまま過ごしています、そして男に仕返しを、と
エステラを通して男たちを蔑み、翻弄するのでした…
ミス・ハヴィシャム(七星美妃)の前で、「鍛冶屋の歌、歌える?」とイギリスが舞台ゆえの職業蔑視的な発言をします。
幼いエステラ(乙華菜乃)と幼いピップ(藍羽ひより)のシーンは、この物語を貫く序列意識を象徴するシーンでした。
ハーバートは、心のオアシス♪^^
慣れない貴族の真似事で心折れる日でも、ハーバートが親身になってピップにアドバイスしたり助けたりしてくれます。
好青年、を好青年と言えば、のつんつん(稀惺かずと)が演じています。
髪色がオレンジでかなり目立っています。
で、ハーバートはミス・ハヴィシャムとは親戚なのです。
ハヴィシャム家の悲劇を知ってるかい?と言って歌い出すところが映りました。
宝塚歌劇お約束のラストはハッピーエンド
シェイクスピアの悲劇『ロミオとジュリエット』でも最後は天国でラブラブだったので、
『夜明けの光芒』でも、ピップとエステラのダンスが映り、稽古場映像なのに、なんかじわ〜っと来た!
うわっ!アブナイ!!
宝塚歌劇は基本、主演コンビがハッピーで終わるのがお約束なので、みんな幸せな気持ちをお持ち帰りできていいですよね〜^^
フィナーレがある!
劇中のダンス(ペア、群舞)も素敵です。
振り付けはどなたでしょうか?
かっこいい振り付けの男役群舞が映りました、そしてラストでありちゃんがソロで踊りまくり!!
これは楽しみですね〜!!
今回残念ながら映らなかったキャスト
エイベル・マグウィッチ 輝咲玲央
ピップが幼い頃に助けてあげた脱獄囚。
いつか恩返しをしたい、と手にした大金をピップに贈る
モリー 紫りら
エステラの母、弁護士のジャガーズ宅で住み込みの家政婦をしている。
描かれるかどうかわからないけど、エステラは、モリーと脱獄囚・マグウィッチとの間の子。
コンペイソン 夕渚りょう
マグウィッチを陥れた悪いヤツ
こちらの3キャストはマグウィッチ関係。
敢えて出してないのか…
オレキザキ(輝咲玲央)なんて、マグウィッチしか考えられないハマり役で楽しみにしてますけど ^^
『夜明けの光芒』、めちゃくちゃ期待してます!
来週観てきます。