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夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

【雪組】2回目でようやく『ボー・ブランメル』を100%堪能、美しさだけじゃない朝美絢

雪組公演『ボー・ブランメル』2025年11月25日 11時公演を観てきました。

 

1回目(初観)は11月5日、何をぼーっとしていたのか、

初見あるあるで、ストーリー追いかけつつ、役付やら、

どこにどの生徒さんがいるのか、オペラロックオンしてたらセリフ聞けてない

舞台全体の状況がわからない。

 

衣装のことや、キャストのこと、細かい感想が頭の中を駆けめぐって脳内処理が忙しく、感動どころではなかったのですが…

 

今日は、一度観てるので、落ち着いて観たせいかストーリーやセリフにぐいぐいやられ、

前回、全然刺さらなかったワイルドホーンさんのきれいなメロディラインの楽曲が良かったです!

 

 

NHKが高市内閣が新閣僚と写っている写真をダッチアングルで放送して話題になっていましたね。

 

ダッチアングルは、見る人に不安、緊張、混乱、異常といった心理的な印象を与え、不安定な状況や非現実的な世界観を表現します。(ダッチアングル‐AIによる概要より)

 

幕が上がると、この傾いた劇場の観覧席。

ボー・ブランメルの人生を象徴しているかのようです。

ジョージ・ブランメルは父の上流階級への憧れと固執に苦しむ

幕開きは、一度壁の向こう(上流階級の暮らし)を見てしまった父が、その暮らしを忘れられず、息子(ジョージ)に、壁の向こうへ行くんだ、と自分の価値観を押し付けて来る場面。

 

パパ・ブランメルは諏訪さきちゃん、狂気の父親を好演しています。

子供時代のジョージ役の愛陽みちちゃんも、父の勢いに気圧され、苦しむ表情、巧い

父子はずっと二人芝居ですが、ボー・ブランメルのバックボーンを描く大事な場面ですから、何度か登場します。

 

2人を取り巻く亡霊のような(初見では、『エリザベート』幕開きの亡霊を彷彿としました)ロココの夢が不穏な雰囲気を盛り上げていますね。

「ロココの夢」という言葉のイメージとは全然違う〜!

ロココの夢の衣装(担当:加藤真美先生)は片足がズボン、片足が網タイツ、奇抜!

 

デボンシァ公爵夫人邸のパーティでプリンスの愛人となったかつての恋人・ハリエットと再開するブランメル。

 

大学時代、芝居小屋に入り浸ってハリエットと遊んでいたブランメル。

芝居小屋のメンバーの中でも、一人だけうさぎの被り物を付けた華世京くんが目立つ、目立つ!!

ピルエット?くるくる回るたびに、うさぎの耳がぴょこぴょこ動いてとっても可愛い、可愛いのに技術は確かな華世京くん、頼りになる若手♪

 

ブランメル(朝美絢)は、過去の自分(ジョージ)を捨てて、下町から出ていきました。

ハリエット(夢白あや)は「ずっと待っていたのに、帰ってこなかった」と寂しかった胸の内を告白。

 

今は社交界で一目置かれるまでになったボー・ブランメルと、プリンス(瀬央ゆりあ)の愛人となったハリエットは、社交界という舞台で新しい役を演じ続けようと決意。

 

この時は、まだ互いの想いは過去のものだったのに…

 

プリンスとブランメルとハリエット。

プリンスは気づいていないけれど三角関係が息苦しいハリエットはロンドンを離れることを提案。

 

ブランメルと離れるため、デボンシァ公爵夫人の館へ。

それなのに、ブランメルも同行することに…。えっ?

 

狩りは服が汚れるのでw パスしたブランメルと、森を散策するハリエットが出会い、かつての恋が再燃🔥

こうなるの、予想できたよ!

 

かつてはプリンスの愛人だったデボンシァ公爵夫人(華純沙那)は、ハリエットにカマをかけて、森で誰と過ごしていたのかと、

誰かとあっていたのをさも知っているかのように問い、ハリエットはブランメルの名前を出してしまう…

 

あぁ… orz

 

デボンシァ夫人の華純沙那ちゃんが、嫉妬心をメラメラさせ、社交界で力を持っている公爵夫人を好演。

発声、セリフまわし、佇まい、表情、存在感バツグン!!

新公学年とは思えない芝居巧者ぶり、あっぱれです。

 

一度火が付いたら最後、もう止められない!!

ロンドンに帰っても、プリンスの目を盗んで逢瀬を重ねる2人、面白くなってきた!!

見つかりはしないかとドキドキ!

 

で、ピアポント(縣千)に見つかるw

 

浪費が止まらないプリンスをぎゃふんと言わせたいキャロライン皇太子妃(音彩唯)

自分を捨てて女遊びに余念のないプリンスに一泡吹かせたいデボンシァ公爵夫人が手を組んで…

 

プリンスにハリエットの裏切りを報告

愛人の中でも最も愛していた美しいハリエットと、

心酔していた「己の美学を貫いて生きる」ボー・ブランメル、2人から裏切られて憤懣やる方なしのプリンスは、

 

「ふたりとも」追放、ではなく、「どちらかひとり」を追放することにしました。

これは辛い!残っても去ってもどちらも辛い。

 

プリンスの側近らがハリエットを固唾を飲んで見守るところにボー・ブランメルが駆けつけた!

 

ブランメルは、ハリエットを救うため、

プリンスの憎しみを一身に集めるように、言葉巧みにひどい言葉を浴びせるのでした、そしてブランメル一人が追放に。

これは、聞いているハリエットは辛いはず!

愛する人が、自分のために悪者になってくれているだなんて。

 

「ボー・ブランメル」として社交界の寵児だった頃の勢いがなくなると、

仲間だったウォーティアクラブの3人(ピアポント、アルヴァンレー卿=蒼波黎也、マイルドメイ=紀城ゆりや)ですら、請求書のリストを手渡して去っていく。

結局彼らは、「ボー・ブランメル」という人間を賭けの対象に使っていただけだったのね。貴族の遊び。

結局のところ、貴族か否かで線を引いていたので社交界で真の友人はいなかったのね。

背伸びをせずに、身の丈のあったところで実直に生きていれば「普通の幸せ」は手に入ったのに…

父の言葉が呪文のようにブランメルを煽って、野心に火を付けた。

不幸の始まり。

 

ボー・ブランメルに限らず、金の切れ目が縁の切れ目、肩書のない人間に用はない、と周囲の人が去ってのは古今東西どこにでもある話ですが。

 

一度栄華を味わった人間が頂点から転がり落ちるのは、辛いことでしょう。

やっぱりナポレオンを思い出してしまう。

 

ジョージ・ブランメルの父も一度味わった上流階級の世界が忘れられずお酒におぼれていましたものね。

 

一人の男が、階級差別の厳しい18世紀末のロンドンで、壁を破ってまさかの快進撃。

下町育ちのジョージが、プリンスの寵愛を受け、社交界の寵児となってブイブイ言わせていた…

 

でもそれは、常に走り続けていないと倒れてしまう危うい勢いだったんですね。

 

ロンドンの議会の人たち

大筋はブランメルと社交界ですが、議会の人たちは、トーリー党(与党)がメイン。

 

デボンシァ公爵夫人はホイッグ党推しです。

 

トーリー党は、プリンスの浪費に物申します、ネッケルがルイ16世に浪費を止めるよう進言したかの如く。

 

海の向こうではフランスが大変なことになっている、と。

 

トーリー党員が頭を抱えているところに、皇太子妃・キャロライン(音彩唯)が登場。

何やらお困りのようですね?と自分と手を組むことを提案。

 

今公演、音彩唯ちゃん、前半出番なく、出番全体に少なかったような?

華純沙那ちゃんにスポット当たっています。

音彩唯ちゃんは、次期トップ娘役、と発表されましたから今公演は華純沙那ちゃんのターン、ということで。

 

トーリー党の中でも、華世京くんが、新公学年とは思えない落ち着いた芝居で巧者ぶりを発揮。

出番はあまり多くないですが印象を残していました。

 

ラストシーンが美しい

落ちぶれたはずのボー・ブランメル、あーさが、白のスーツに白のマント、白のトップハットで登場。これぞトップスター、のような出で立ち。

まぶしい! 

 

ハリエットは、劇場で観客を前に挨拶をしている所、この劇場のセット、素敵です(装置担当:國包洋子先生)。

 

國包先生と言えば…この前の花組の『DEAN』の舞台セットも素敵でしたね〜^^

 

舞台を下りてきたら、ドレッサーの上にある真っ赤なバラの花束に気づきます。

あやちゃんも真っ白のドレスに真っ赤なバラの花束を持って、上手から銀橋経由で下手花道へ捌けていくのです。

 

今公演を最後に宝塚を去るあやちゃんと、ハリエットが重なりました、巧い!(演出:生田大和)

 

舞台でそれを見送るあーさ、なんだか…いいもん観た…なラストシーン。

 

美しいトップコンビを堪能

トップのあーさ(朝美絢)は顔の美しさ✨ばかり取り沙汰されるけど、そこばかりピックアップされるのももったいない話。


歌唱もいいし、回っても軸ぶれないし、役者としての熱量が半端ないし、
いい役者さん💕

 

そこ、もっと語られていいのに、もったいないし、物足りないです。

 

お披露目公演の『ROBIN THE HERO』でもミス・オフィーリア(愛すみれ)に、

「イケメン!」と言わせていました。

 

今公演でも、プリンス・オブ・ウェールズが、あーさと夢白あやちゃんの並びを

「美しい!実に美しい!」と褒め称える場面がありました。

毎公演、これでいくのかしらね??

やりすぎはダメよ。

 

あーさ自身が切磋琢磨して身につけた歌唱力や演技力やダンス力より、顔?

 

でも…やっぱりあーさとあやちゃん、きれいでした✨