「夢介千両みやげ」2022年3月24日11時公演を観てきました。
従来の和物とは違う演出
ミラーボールが回り、ロック調の音楽が使われていました。
手品も…花組の「風の次郎吉」(2015年)の時は、仙名彩世さまが、伝統的な手妻を披露していましたが、今回は手妻ではなく、イリュージョンでした。
「オリーブの首飾り」(ポール・モーリアグランドオーケストラ)が流れた~
愛すみれちゃん演じる春駒太夫と、夢白あやちゃん演じる助手が、赤い幕の中で一瞬にして入れ替わります、お見事です!!
ほっこりするいい話ではあるけれど…トップらしからぬお役の夢介
通人になれ、と大金を渡されて江戸に来た夢介(演:彩風咲奈)。
名前からして脱力感漂っているのですが、夢介を形容する言葉が「牛のように大きくてのろま」。
「夢介千両みやげ」のあらすじを読んだときから、夢介には愚鈍なイメージしかなく…
これ、咲ちゃん(彩風咲奈)が演るのか…とちょっと引き気味だったワタクシ。
優しいことはいいことだ!
「盗人に追い銭」を本当にやってしまう夢介の行動は、盗人に改心させるぐらいのインパクトがあります。
50両(650万円ぐらい)をポンと上げてしまうので、ケチな悪事を働いた自分が恥ずかしくなってしまうのでしょう。
咲ちゃんは、田舎もん設定で、訛りもすごいです。
昨日、「たどたどしい片言」を話すロベルトを演じるホッティー(帆純まひろ)、巧いな~と思ったんですが、咲ちゃんの訛りもなかなか!
のろまなので、台詞回しもゆっくりで、善人ぷり全開です^^
咲ちゃんの新しい一面開花!!と喜ぶべきなのでしょうが…ワタクシ個人の好みとしては、ん~~~~~~~。
トップさんは、英雄や王侯貴族、役人などの「ヒーロー」を演じることが多いので、ワンパターンになりがちですから、こういう異色のヒーローもありだとは思うけどね。
前回の、超絶かっこよくて、ちょい軽の冴羽獠からの~ 振り幅を楽しむべきなのでしょう。
次回でごっくんできますように…
縣千の金の字がかっこいい件
あがた(縣千)は、宝塚の男役らしい男役ですね。
洋物もいいけど、和物の鬘も似合って、キリリと鯔背(いなせ)。
動きがキビキビしていちいちかっこいいし、眼力にやられます。
最後にお白州の場面。
あがた演じる「金の字」はオリジナルキャラ、ということでしたが、遠山の金さんですね~。
長袴で、お裁きを下す場面のかっこいいこと!
あれやこれやの事件を丸く収めて大団円に持ち込み…
あっはっはっは!の高笑いには、客席から笑いがもれました^^
役者は声、と改めて思わされた 雪組の和希そら
本では子供のようですが、年齢を上げて、17歳設定の三太役のそらくん。
17歳にしては、しっかりしすぎてるぜ!
とにかく声がいい!滑舌がいい!思いがビンビン伝わってきます。
もともとダンサーで、歌も攻略、最近は芝居でも味をだしてて頼もしい存在。
宙組から組替えしてきて、同期のトップ娘役・朝月希和ちゃんとの絡みも多く出番たっぷり♪
そらくんへの期待の大きさが感じられた公演でした。
朝月希和のハマり役かと思うオランダお銀
生きるために、スリを働いていたお銀が、夢介の人柄の良さに惚れて、真人間になろうとするところが見どころで、可愛いですね。
夢介の様子を見に来たじいや(汝鳥伶)に、信じてもらえず「毒婦」とまで言われてしょんぼり。
このお役、希和ちゃんにとってもハマってて、応援したくなります^^
立ち回りはドタバタ
かっこいい立ち回り、というより、喜劇の中の立ち回り風です。
一つ目がヤクザで、仲間もひとくせもふたくせもある男たち。
キャスト入り乱れてのドタバタは、コメディだからこれでいいのか…?
夢介千両みやげ、とは
千両が底をついたので帰ることにするか…と夢介は故郷へ帰る決意をします。
故郷へのみやげは…お銀♪
値千金、いや 値千両の女房・お銀、ということね^^
めでたし、めでたし、のハッピーエンドは、ひとつ前の公演「Never Say Goodbye」で満たされなかった満足感をこの公演で満たして頂いて、スッキリしました!!
咲ちゃんのチャレンジが報われますように!!