2021年9月30日15:30公演を観てきました
今日は、カメラが入っていました、多分スカイステージ。
NHKのバズーカ砲のような大きなカメラではなく通常の、でした。
いや~ 今日も、ふと気付けば両隣が眠りに落ちてるし。
客席がお目々キラキラさせて、食い入るように舞台を見つめてるのとは温度が全然違う気がします。
舞台上からも結構客席見える、って言うから、盛り上がりに欠ける空気が生徒さんにも伝わるのでは??とちょっと心配な程。
山田風太郎さんの「柳生忍法帖」は、残虐極まりないシーンが出てきて、とても舞台に載せられないです。
宙組のデリシュー!の「フォレ・ノワール」で文句言ってる場合ではないぐらいエグいのです。
お上品な紳士淑女向けの宝塚歌劇の舞台に載せるために毒とえぐ味を取り除いたら…なんだか腑抜けた代物になった感。
極悪人がいるからこそ、正義の味方が輝くのですが?
堀主水(美稀千種)が、娘に手を出そうとした加藤明成に反旗を翻し 加藤家を出奔。
報復として、明成子飼いの芦名七本鎗のメンバーに堀家の女達を襲わせます。
女達は鎌倉の駆け込み寺・東慶寺に逃げ込んでいて…
小説では、七本鎗が、無理やり山門を壊して乗り込んでいき、女達を捉えて堀主水一行の目の前で残虐な殺し方をします。
舞台では、七本鎗は山門を壊さず、尼僧自ら門外へ出てきますし、七本鎗も千姫(演:白妙なつ)の登場で、逆らってはまずい、と自ら捌けていきます。
小説では、東慶寺の門前、血の海なんですが。
残虐な当主・加藤明成と芦名七本槍憎し、という感情が湧き上がってこないのです。
だから、堀家の女性たちの復讐心にも説得力が弱く、柳生十兵衛に軍法指南をしてもらうのも取ってつけた感じがするのです。
ストーリー上、柳生十兵衛は手を出さず、女達に復讐させる、というのは分かるけど、クライマックスで対決の立ち回りの見せ場!!とかがなく不完全燃焼気味です。
敵が悪ければ悪いほど、正義のヒーローは輝きます。
「柳生忍法帖」、なんだか中途半端なんですよね・・・
柳生忍法帖で、コメディを期待してない!
ちょこちょこ笑う場面があるのですが…シリアスな方がよかった。
悪役・加藤明成に、オレキザキ(輝咲玲央)をキャスティングしたのはグッジョブだと思ったのに…
全然その持ち味を活かせてないのが残念。
小説の中の明成と全然違う描かれ方で不満。
情けない殿で、全く怖くないし、どちらかというとへなちょこ。
七本槍の面々は、悪事を働いている場面がないので、残虐な男たちかどうかは伝わりにくい。
だから、堀家の女性たちにめった刺しされるのが可哀想なほど ^^;
沢庵和尚(沢庵宗彭)は、「夢現無双」に登場したときは、重みのある役どころでした。
同一人物ですが、「柳生忍法帖」の沢庵和尚は、軽い感じに描かれているし、雲水の多聞坊(演:天飛華音)も笑いを取る場面ありで、コメディなんです。
この場面は大野先生の創作ですね。
多聞坊が、十兵衛に弟子入り希望とかも原作にないし、原作では多聞坊、上巻でいち早く死んでしまうんですが。
そして、主役の柳生十兵衛(演:礼真琴)も、軽い。
父親(柳生宗矩 演:朝水りょう)に頭の上がらない、お調子者のような印象の十兵衛です。
十兵衛はビシーっと強くカッコよく、明成+七本槍はどこまでも悪く、対比を見せてほしかったわ。
愛ちゃん(愛月ひかる)の銅伯も謎
銅伯は、加藤家が来る前から、会津の地を所有していたのです。
七本槍の面々と領地を守っている長老108歳。
天海大僧正と双子でも、別人格なのに、天海が自害すると、銅伯も死んでしまうのが謎。原作本の下巻をまだ読んでいないので…。
人間、と言うより妖怪扱いの七本槍のメンバー。
そんな彼らのトップに立ち、指示を与える銅伯は、陰の黒幕的偉大な存在…と思いきや、ビジュアルはすごいけど あんまり凄みが感じられず…残念。
トップ娘役のお役がなぜ「ゆら」だったのか?
配役出たときから、疑問に思っている方が多数。
ワタクシは、原作本の上巻しか読んでないのですが「ゆら」のゆの字も出てこなかったんですが…
宝塚では、幕開き、「柳生」「忍法帖」の扉が開いたら、一番に登場するのがゆら。
これはプロローグなのでいいのですが・・
ゆらは、父が芦名銅伯、夫が加藤明成、とすごいファミリーの一員。
トップのこっちゃん(礼真琴)と敵対する役なのは何故??と
クエスチョンマークが飛びまくってました。
やはり、途中絡みがなく、「香の術」あたりから、十兵衛は気になる存在に?
「殺してはなりませぬ」と命をつないであげたのも愛ゆえ?
そして十兵衛に向かって「恋い焦がれておりました」に客席失笑。一体いつから?と。
こういうテキトーなセリフが、一気に駄作評価につながるので気をつけていただきたいです。
トップ娘役・舞空瞳のお役は、なぜ 堀主水の娘・お千絵(演:小桜ほのか)ではなかったのか?
お千絵なら、十兵衛と心をひとつにして、敵に立ち向かう、という構図も納得できるし、ラスト、千絵が十兵衛に感謝して、そこに尊敬と愛が芽生えるのもありなのに。
ラスト、ゆらは香炉銀四郎に刺殺されてしまい 十兵衛の腕の中で息絶え 十兵衛はゆらに口づけた?
ラスト銀橋で捌ける時、「弔ってやれるのは俺だけだ…」決め台詞。
そうなん? もうどうでもいい…w
残念なのは、生徒さんを確認しづらいこと
とにかく、舞台上がごちゃごちゃしている、と19日の観劇感想で書きましたけど。
誰が誰だかわからない。
特に雲水。
笠を被っているのでわかりにくい上に、雲水7人と、堀家の女性たちが雲水に扮していていさかいになる場面は、僧侶姿が14人、同じ墨染の衣で、男役か娘役かの判別もつかず、お顔も見えず orz
江戸で、祝言をあげる男女が行方不明になる、という場面では、娘役さんは綿帽子でお顔見えず。
香の術で惑わされる女達がわかりにくい。また今度観て確認します。
生徒さんの頑張りに救われるも、観劇に気合入りにくい
メインの役者さんには、ソロのお歌がありますし、男役の群舞もある。
七本槍は個性的で、それぞれの個性が見どころで良かったです!
銅伯、明成も目立ってましたし…沢庵和尚に至っては、セリフも出番も2番手を凌ぐ勢いでしたね。
歌唱に立ち回りに、と礼真琴の魅力全開なのも嬉しい♪
キレのある動きに定評のあるこっちゃんですから、剣さばきも鮮やかで観てて小気味いいです。
そして、こっちゃんの声にやられます!
ハリのある声、音程がしっかりとれている歌唱、耳福~♪
こっちゃんの歌に、すごく救われている気がしました。
こっちゃんの声で、はっ!と覚醒される方も…^^
観劇は後2回。
そのうち1回はSSなので、舞台で頑張ってる生徒さんに失礼のないよう お目々パッチリで寝ないようにしたいと思ふ~~♪
明日から、またチケット販売されるかもです。
ご興味あればぜひ!!