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夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

【花組】永久輝せあ&聖乃あすか、チャレンジ役を制した期待の星|冬霞の巴里

一昨日、大阪公演の千秋楽で幕を下ろした「冬霞の巴里」

 

演出家デビュー作、「龍の宮物語」が好評を博した指田珠子先生演出の作品なので期待していましたが、期待を大きく上回る、素晴らしい作品でした!

 

そして、その作品にふさわしいキャストの皆さん。

先生のこだわりが細かかった、と述懐していましたが、キャストのみんなも見事に応えて見ごたえのある作品になっていました。

 

花組では、3番手、4番手の永久輝せあ&聖乃あすかのお二人が、今まで演じたことのないダークなお役を演じて、新境地開拓していましたね。

 

少しネタバレしてますのでご注意ください。

97期 永久輝せあ

今公演で、主演を務めた3番手のひとこちゃん(永久輝せあ)演じるオクターヴは、父が叔父に殺された時から「復讐」を誓い、自身の胸の内に暗いにエネルギーを溜め込んで生きてきた男。

 

今まで、爽やか青年や、明るいお役が多かったひとこちゃん。

 

スカイステージの「ファーストフォトブックLABO」の中でも、黒っぽい面を観て欲しい、というようなことを言ってました。

 

学年も上がってきて(4月から)研12のひとこちゃんは、2番手は時間の問題、トップも射程圏内。

今のうちに、役の幅を広げて、引き出しいっぱい作っておくのが望ましいですよね。

 

今、この時期に、このお役と出会えたことは、ひとこちゃんにとって、素晴らしいご縁だったと思います。

 

怒りと悲しみを湛えた眼差しは、ファンの心を鷲掴みにしますし、体からほとばしる憎しみという暗いエネルギーは、見るものの目を釘付けにします。

 

ラストの食卓でのシーンは、息をも吐かせぬ大熱演でしたね。

ここは、出演者の皆さんの芝居に圧倒されました。

 

見ごたえのあるストーリーに見応えのある演技、別箱公演で置いておくにはもったいないような濃い作品でした。

 

オクターヴ役のひとこちゃんを観て、そう言えば…と。

VISAのイメージキャラクターを務めるひとこちゃんがいつかトップになる時には、「エリザベート」がお披露目の演目になるのではないか、という意見がありますね。

 

今までのひとこちゃんなら、トート閣下のひとこちゃんを想像しにくかったんですが、今なら容易に想像がつきます、というか、ひとこちゃんのトートを観たい、とまで思わせる今回のオクターヴ好演でした。

 

ひとこちゃん自身、手応えを感じていると思います!!

 

100期 聖乃あすか

人には好みはあれども、聖乃あすかが美しいというのは間違いないような。

 

ひとこちゃんと同じく、爽やかな好青年がぴったりのあすかちゃんですが、あすかちゃんも今回、チャレンジ役ですね。

 

アナーキスト、と聞いただけでもアブナイ人、ですが、あの怪しげな人が集まる下宿屋の中でも異彩を放っています。

 

髪型もツーブロックにして、眉やアイメイクも作り込んで、左頬だけ黒ずんだ感じにしてますが、もっと怖いのは「目」そのもの。

かっと見開いた時の、常人ならざるものの目です。

本気で怖い。

夜道であんな目の人に出会ったら、今来た道を猛ダッシュで走って逃げます!

 

ラストの食卓の場面では鬼気迫る演技、普段の聖乃あすかとのギャップがすごい!

ギャップ萌えとか言っている場合ではない。

憑依型芝居巧者の仲間入り♪ 芝居力がUPUPUP!!ですね^^

 

まだまだポテンシャルを感じさせる聖乃あすか、今後がますます楽しみな生徒さんですっ!

 

トップから4番手まで充実の布陣で

トップから4番手まで、別箱公演で主演を経験済です。

現時点で、別箱公演の主演経験者が、礼真琴と瀬央ゆりあの二人しかいない、という星組と違い、3番手まで東上公演経験済、という花組の抜擢のうまさ。

 

その下にも、早くから抜擢を受けている103期の希波らいとくんも居て、頼もしいです。

今回も、良いお役でしたね、「いい人」で婚約者のエルミーヌ役の愛蘭みこちゃんとともに、緊張感のある場面で一条の光のような、一服の清涼剤のような、素敵なお役でした。

こういう 対比となる役どころを作られる指田先生も巧いな~と唸らされました。

 

ちょこっとワンシーン目立つ場面を当てたりして、適材適所で生徒さんを使い、上手に生徒さんを我々に見せてくださってます。

「冬霞の巴里」では、最下級生も、あれは誰?とわかる場面をもらっているので演出家の愛を感じました。

 

いつまでもモブだと、誰が誰だかわかりにくいし、長所もわかりにくいですもんね。

 

トップ2番手を支える永久輝せあ、聖乃あすかのお二人の成長著しい「冬霞の巴里」。

カンパニーの素晴らしさと相まって 厚みのある芝居で、東京千秋楽で幕を下ろしたときには、スタンディングオベーションで讃える客席が目に浮かびます♪