路線がみんな巧い!!
誰だって、贔屓の生徒さんのいる組を観るのが一番楽しいのは当然ですよね~^^
私が宙組を観劇して楽しいと思うのは、トップコンビ、二番手、路線の生徒さんが破綻なく歌えて踊れて、
「なぜこの人がこのポジション?」と疑問に思うことがないからなんです。
以前、記事に書きましたが、番手ピラミッドがしっかりしているからなんですね。
今回、海外ミュージカルで歌唱力が求められる公演ですが、みんなきっちり仕事してて観ていて清々しいです!
2020年11月12日公演を観ました。
真風涼帆
今公演「アナスタシア」は名曲ぞろいで組子全員、気合が入っていると思いますが、海外のクリエイティブスタッフが真風のために 楽曲を書き下ろしてくれた、というのがものすごくモチベーションアップになっているのではないかと思います。
そして、期待に応えていたのもお見事。
最初は、すごく丁寧に歌っている印象でしたが、大きな舞台に一人、ソロを歌う場面は圧巻。
声量も声の伸びもよく、手応えを感じたのでは? それが自信につながってさらなる高みを目指せそう。
今回真風演じるディミトリは、マリア皇太后の「アナスタシア」探しで一攫千金を目論んでいる男。
ちょいワルだけど憎めない、「メランコリック・ジゴロ」のスタン的なかほりがします。^^
ダニエルとスタンとは少し関係性は違うけど、仲間に引き込んだヴラド(桜木みなと)とのコンビ感がすごくいい! 楽しく軽快♪
兄貴な真風を満喫!!^^
真風は、コンビ芝居が巧い。(メランコリック・ジゴロ、オーシャンズ11など)
それぞれの個性を引き立て合う感じが楽しいですね!
ディミトリとアーニャ(星風まどか)の掛け合いも、テンポよく、わたくし的に、大好きなトップコンビなので、二人が出てるだけで微笑ましいのです。
余談ですが…ディミトリたちが根城にしているのが、ユスポフ宮殿のプライベート劇場なんですが。
ユスポフ宮殿は、「神々の土地」で真風が演じていたフェリックス・ユスポフのために建てられた宮殿なのです。こんなところでつながっているとは♪ ^^
星風まどか
外の舞台では、タイトルロールで主演のところですが、宝塚はトップスター真風涼帆中心に潤色されています。
それでも、数奇な運命を生きるアーニャを好演♪
掃除婦から、大公女アナスタシアへの変貌ぶりは、シンデレラの様に、さなぎから蝶々に変わるように美しくて魅了されました。
まどかちゃんも破綻なく歌えるので安心して観ていられるのがいいです。
真風との安定のコンビ感も好きです。
桜木みなと
まず、ビジュアルにびっくりでした。そして、オジサマ風味な役作りもお上手! 軽妙な芝居で笑いを取るのもうまく、芝居の潤滑油的働き!!
いや~ 95期、月組の美形のれいこちゃん(月城かなと)も「ピガール狂騒曲」でお髭のオジサンを好演してましたが、宙組でもずんちゃん(桜木みなと)がオジサマで…(*´艸)
役の幅を広げていますね。
トップになったらできないので、今のうちに悪役やオジサマや、いろんな「こんな役まで」と思うようなお役を演じて役の幅を広げておくのは 自分の芝居の肥やしになるので、とてもいいことだと思います。
ずんちゃんは、真風、星風との絡みも多いですが、時間は短いけど、リリー伯爵夫人(和希そら)と、濃密に絡む場面が見どころですね。
若いカップルではなく、酸いも甘いも知り尽くした大人の恋の再燃、といったところ。
それでも「ずんそら」ですので ワクワクしますよね~!^^
芹香斗亜
今回は上記三人組とは敵対するボリシェビキのグレブ。
明るく楽しく笑いの起きる3人組のシーンとは打って変わって、キキちゃん(芹香斗亜)のシーンは、暗く、重苦しい雰囲気で、キキちゃんも抑えた演技ですごみを出すのに成功しています。
ニコリともしないグレブですが、私が観た回は、自分の執務室にアーニャを呼んで…「私は怖そうに見えるけど…こんなこともできちゃうんだ」って ラインダンスの足上げをやって客席の笑いを取ってましたw
ここは、アドリブポイントなのでしょうか。^^
月組でも、珠城りょう&千海華蘭&鳳月杏で 毎回アドリブポイントのお楽しみがありましたね。
で! トップコンビが出番が多いので、一緒にいるずんちゃん(桜木みなと)の出番も多いです。
二番手なのに…と、ちょっと割を食った感のあるグレブですが…
では グレブとヴラドを演者を入れ替えたら?? ちょっと違う。
やっぱりにらみを効かせるはキキちゃんのほうがすごみがあってハマるし、ひょうきんなヴラドはずんちゃんの方が合っている気がします。
キャスティングは成功しているけど 番手的にちょっと…モヤモヤします。
キキちゃんのお歌が素晴らしいのは特筆すべきですね。
低音で凄みをだしつつも 伸びのある歌声。
銀橋に立って一人で朗々と歌うシーンは、引き込まれました。
どの歌もお上手で…
雪組トップコンビ退団後は 歌で魅了するのは礼真琴ただ一人かと思っていましたが、キキちゃんも!仲間入り~♪
和希そら
このところ、飛ぶ鳥を落とす勢いのそらくん。
アクアヴィーテ!!でも女役のだるま姿を披露してましたが 今回は「WEST SIDE STORY」以来のお芝居での女役。
アニータとは全く違う趣のお役、伯爵夫人、リリー。
ハイトーンの声もきれい~♪ 発声、滑舌、セリフ回し、すごくいい!
登場してきた瞬間に掴まれました!
やっぱり、舞台人は、一声、二顔、三姿、声が一番に来るのが頷けます!
皇太后に仕える、しおらしい女性役もぴったり。
ヴラドとの、何年ぶりかの出会いにときめく女心を見せるところも可愛いです♪
そして、週末の息抜きに、クラブで踊るリリー。
やっぱり、このお役は、男役だけど そらくんが適任だったな、と納得です!
寿つかさ
こちらも男役にしてマリア皇太后を演じるすっしーさん。
幕開きの、幼いアナスタシアにオルゴールを渡すシーンの、高貴で美しい姿に惚れ惚れ。優しく諭す姿も素敵~!
が、後半のパリでの皇太后は、報奨金目当てに偽物のアナスタシアが引きも切らず、失望の連続に苛立ち、ギスギスしたちょっと怖いおばあさまになっていました。
ちょっと「神々の土地」に出てくる皇太后のように威厳のある姿を好演。
ディミトリが、直接話しかけた、と怒り、帰ろうとすると背を向けた、と怒り、アーニャが皇太后より先に座ってしまい叱られる。
皇太后としての振る舞いはプライドからくるものなのか…面白いです。
宝塚以外の舞台はキャストが少ないですね
目立ったセリフのあるキャストは以上です、他にもセリフのあるキャストはありますが だいたいこの6人で話が進みます。
普段はいいお役がつく生徒さんでも、今回はセリフがなかったり メインの1場面以外は、モブでいろんな場面でいろんな役をこなしてらっしゃいます。
それを発見する「ウォーリーをさがせ」的お楽しみもあるんですけどね!
セリフのつく役が少なくても、この作品が回ってきた宙組生の意気込みが感じられます。
まだ幕が開いて1週間、これからどのように進化していくのかとても楽しみです。
マイ楽は12月13日ですから1ヶ月の間にどんどん研ぎ澄まされていくことでしょう、楽しみです!