宝塚ブログ 心は青空♪

夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

花組公演のショー『Fashionable Empire』 のできるまで|ミライ演出家#1~稲葉太地~

Fashionable Empire の裏側が興味深い

先日、「ミライ演出家#1稲葉太地」をスカイステージで見ました。

 

華やかな表舞台を作る仕事人にも興味があるので、楽しく拝見しました。

 

以前、演出家さんがゲストと対談する「演出家プリズム 〜未来への扉〜」という番組があり、稲葉先生は、草野先生とお好み焼き屋さんで対談されてましたが、あの時より、今回のほうが断然おもしろかったのは、舞台を作るプロセスを見せてくださったからです。

 

音楽に後から歌詞を載せていく作業

会議室で一人で作業中の稲葉先生。

 

ショーの音楽は、先に曲を作ってもらうので、ストップウォッチ片手に楽譜とにらめっこで 歌詞を入れる作業をされていました。

 

「ここから時間を取って 4秒、17秒…

これで 転換の時間 上出し(盆を時計回りに回すこと)って書いてあるのは ここから盆回し。時間の計算をしていく」

 

秒単位で、生徒と舞台機構をどう動かすかを考えていらっしゃいます。

 

構成表をつくって 各先生と打ち合わせしていくそうです。

 

スマホに音楽を録音して、何百回も聴いていると、ある日突然言葉が降ってくるそう。

 

先生のアイデアが詰まったピンク色(花組カラー)のCampusノート

全ては美術の打ち合わせから。

セット、衣装…デザイナーとしゃべってる時に 口からアイデアが出るのだそうです。

 

ノートを開いてオープニングの構成を見せてくださってました。

小節数、ボーカルの人、だれが踊るか、せりの動き…など、細かくびっしりと記入されていて。

群舞や若手だけのダンス、なども名前記入されているんでしょうか、膨大な作業ですね。

 

これをもとに、プログラムの香盤を作成されるんですね^^

 

「俺の手を取るか」とれいちゃん(柚香光)が歌うから みんながれいちゃんに手に向かって手を伸ばす映像というか絵が浮かんできて、あのプロローグの場面が出来たんですね♪

 

想像してるのがすごく楽しい、と。

振り付けの先生に話して、実際にふりを与えてくださって現実化していくのは楽しい作業。

 

スタッフと稲葉先生

打ち合わせは綿密にするが、音は委ねてくださるので、選択肢があって作る楽しみがある、と音楽担当の太田健先生。

 

打ち合わせしてる時に、いろんなアイデアが思い浮かんでくるので人と話すことは大事だと思っているそう。

 

自分の思いついたことを具現化してくださってるのはスタッフの先生方には感謝しかない 、

たとえ意見が違ってても面白ければそれを当然いただく。

 

より良いものを作るためには、人の意見を聞く耳をもっている柔軟な姿勢、偉いなと思いました。

 

中学時代から!稲葉先生も筋金入りのヅカファン

以前から歌劇誌は読んでいたけれど、中学の時(1990年)初めて、3階席の4列目で宝塚を観た先生。

「(オペラグラスで観ると)のぞき穴から素敵な物を見せてもらってる感じがした」

 

当時3階席は1000円だったけど ショーが好きだったから ショーだけなら800円で売ってくれてたので(幕見方式)、ドはまりして学校が終わってからショーだけ見に行ってたぐらいのガチファン。

 

ジーザスディアマンテ』で、歌劇の演出をするっていう仕事があると知り、

『マンハッタン不夜城』の初日に、草野先生にロビーでお手紙を渡して一緒に仕事したいと…^^

熱い高校生の想い、草野旦先生は嬉しかったでしょうね^^

それで、「演出家プリズム」では草野先生との対談だったんですね~♪

 

宝塚歌劇と出会えたことに感謝していて、運良く入れてもらえて働けている。

個人で演出家としてやってたら到底出会えない人たちと出会えたし、と感謝しかないと。

 

宝塚劇団は、一流の指導者や海外の演出家さんを招聘されているので、素晴らしいな、といつも思っています^^

生徒さんたちも幸せですね。

 

稲葉先生の生徒への思いが形になる

ナニ組の誰々さんの主演でということと、何月公演です、ということを言われないと考えられない」

 

座付き作家さんは、組のトップさんの魅力を最大限に引き出すのがお仕事ですよね。

 

「今回 花組のれいちゃんで、って言われてJOSEPHのメインキャラクターもしてるし、時代の先端をいくようなショーが良いと思った」

 

その前が、ラテンショーと花組100周年の記念レビューだったから 都会的なものがいいと思った、と、納得。

 

似たようなタイプのショーが続くとお腹いっぱい!てなるので、違うテイストが求められますね。

 

そう思い描いているうちにオープニングはロック調でいきたい、とか

フィナーレでコートを翻す踊りをやりたいとか 浮かんできたそう。

 

スターを言われないとだめ!^^

 

稲葉先生の心がけが素晴らしい

心がけてるわけじゃないけど 元気に応対するようにしているそう。

稽古場のセンターにいる人の元気がなかったら士気が落ちる気がして…と。

 

『Fashionable Empire花組のれいちゃんの稲葉先生評は、

夢中になってお話されてる熱い想いが滾っていて、言葉と愛情が溢れているそう。

 

 

柚香光と水美舞斗は本当に若い時から知っていて、

『Mr.Swing』のオープニング、銀橋に出る前に、本舞台で一列になった時、蘭寿とむを挟んで、柚香光&水美舞斗で、当時最下だった。

 

その人達が今、花組の看板になっている。

当時から柚香・水美に興味あったそう ←ここポイント^^

 

花道の端にいる生徒がいつかまたセンターにくるから、いつまでも若手に興味をもっていたい。

 

振り付けの御織ゆみ乃先生の稲葉先生評

段取りが良いので、進行しやすいし、理解しやすい。

多分 出演者も理解しやすいと思う。

通し終わって終わって幸せだった、とおっしゃるので、

出演者、スタッフにも伝わる みんな頑張ろうという気持ちになるそう。

 

振り付けの若央リサ先生の稲葉先生評

作品に対しても人に対しても誠実 

 

宝塚の演出家として

制約がある、ルールがあるっていうのは素晴らしい、「ルールを守って作る」ということが座付き作家には求められていますから、

 

ショーは55分 その中でどういう勝負するか。

すみれコードもあります。 上品で、美しく有ること。

縛りがあることを窮屈にかんじるのではなく、ルールを守りながら作っているのが心地良い、とおっしゃる稲葉先生。

 

1ヶ月半かけてやってきたことを、通し稽古 8時間余で確認する

始めて衣装つけてヘアメイクして演るのでアドレナリンが出てるそう^^

 

初日の舞台後、「稽古よりもすごいパフォーマンスしてくれて感動した」と。

 

パレードでお客様が笑顔で手拍子してくださってる、今日もやれてよかった(ウルッ)。

 

私も、フィナーレのパレードで、手拍子をしてると、何故か不思議な高揚感と感動に包まれます、ふぁ~幸せ~ってなります。

演出家さんもそうなんですね~♪

 

芝居は書かないのか、という問いに対して

芝居は自分以外の先生方のほうが良い脚本を書かれますから…

『アナスタシア』と『ウエスト・サイド・ストーリー』はお芝居の演出されましたけど?

 

大劇場の巨大な空間をどう埋めるかはショーの醍醐味、と言い切る稲葉先生。

これからもショーを演り続けていきたいそうです。

 

年を追うごとに、自分と年齢が離れていく出演者とスタッフに興味を持ち続けていられるかが課題。

 

人に感謝を忘れず、興味を忘れずにいることが一番大切。

 

本当に、同感です!

 

宝塚愛、生徒愛の深い先生、とスタッフの皆さんも口をそろえておっしゃいます。

中学の時にドはまりして、高校の時に演出家にお手紙書いて、決意表明。

見事お手紙どおり、宝塚の演出家としてご活躍の稲葉先生。

 

今、まさに働き盛り。

 

これからのショー作品も楽しみにしています。

 

ストップウォッチ片手に楽譜とにらめっこで、生徒さんたちに熱い思いをこめて作っている稲葉先生を思いながら…