宝塚ブログ 心は青空♪

夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

【花組】キャストの個性輝く!|マスカレード・ホテル

舞台化するとこうなる! 原作を踏まえて巧い演出♪

マスカレード・ホテル 1月7日(火)13:30公演を観てきました。

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私は、東野圭吾さんの著作は2回読みましたが、映画は、食わず嫌いで観てません。

だから、登場人物を可視化すると、こうなるのか~という感動は 初めて味わったので楽しかったです!

 

原作にも登場する ホテルマンとしての心構えなどがそのまま セリフに生かされていて、良かったです。

ホテルのフロントと客室がメインでたまにレストランが出るぐらいでしたが、シンプルなセットでも 雰囲気がよく出ていました。

月組の大劇場公演「I AM FROM AUSTORIA」も、ホテルが舞台でした。

日本オーストリア友好150周年記念作品でウィーン劇場協会の新作人気ミュージカル、ということもあって、予算は随分違うんじゃないかと下世話なことを考えたりしてますがw マスカレード・ホテルもフロントの雰囲気が良かったです。

あきら! 東上公演初主演おめでとうございます!

バウホール公演「アイラブアインシュタイン」に続き、今度は東上公演初主演、おめでとうございます♪

今や花組でなくてはならない存在感のある男役さんで 花組のアニキとして指導的立場でもいらっしゃるあきら。

トップコンビとダンサーの生徒さんたちは、「DANCE OLYMPIA」で今日から公演が始まりましたが その裏で、しっかりといい芝居を見せていただけるのが嬉しいですね。

 

星組も新しいトップコンビに代わりましたが、先月、トップコンビの「ロックオペラモーツァルト」が代好評を博す裏で、瀬央ゆりあ主演の「龍の宮物語」も絶賛され、星組全体が、層の厚い組だということが証明されました。

 

花組も、トップコンビの公演の裏で 東上公演組が頑張っていて 層の厚さを拝見できてよかったです!

以下、ネタバレがありますので、全く本を読んだことも 映画を観たこともない方は、ご注意ください。(ここでUターンお願いします。)

個性の光るキャストが見どころ

新田刑事とフロントクラークの山岸尚美のやり取りが面白く、笑いが起きるところも (*´艸)

2人の丁々発止の掛け合いはテンポが早く、セリフに苦労している、と あきら(瀬戸かずや)やひらめちゃん(朝月希和)がナウオンステージで話されていたのも納得です。

特に、あきらも言ってましたが、一度登場したら、ワンシーンが長いので、大変だと思います。頑張ってました。

 

 

1幕に登場する、新田に恨みをもつ栗原健治(高翔みず希)と新田とのやり取りは、小説でもジリジリするような嫌な気分になるシーンですが 栗原の無理難題に ホテルマンとして誠心誠意応えて 栗原をギブアップさせた時は、心の中で快哉を叫びましたし、新田の成長に目頭が熱くなるという…感動場面でした。

それを遠くで見守っていた 総支配人(汝鳥伶)のかける言葉にもジーン。

それにしても…高翔みず希さん、嫌なお役を好演されてました^^

 

総支配人も太鼓判を押す、優秀なフロントクラーク山岸、にひらめちゃん。

雪組に行って一回り成長して花組に戻ってきました。

滑舌もいいし、歌もスキルアップされて、ヒロインにふさわしい佇まいになってました。

 

なんといっても、頑張りが伺えるのが、飛龍つかさくん!

品川署の能勢刑事は、新田の相棒ですが、小説では風采のあがらない、オッサン刑事、を新田より年下で、刑事になったばかり、という設定に変更してもらって演じてました。更に、アメリカにいる、新田の妹を彼女にしようと狙っている、というエピソードまで追加。 そのおかげでラストにワンシーン、登場しませんが 新田の妹ネタで笑わせます。

つかさくんは、明るい能天気キャラでとっても可愛いです。わざと、ダサめの衣装に身を包んでますが、今回の好演で、お芝居の幅が広がって勉強になったのではないか、とお察ししてます。

 

そして、そして、歌上手だけではない、と感心させられた 音くり寿ちゃんについて書きますが 重要なネタバレがありますのでご注意ください。

 

 

 

 

 

おとくりちゃん(音くり寿)のお役は、目の不自由な夫に代わって、ホテルの下見をしに来た老婦人。実は、老婦人は、人を欺く仮の姿。

本当は、フロントクラークの山岸尚美に恨みを持つ女で、山岸の命を狙っていたのでした。

巧い!!

本当にもう、唸りました。(実際に声は出してないです!w)

声も、歩き方も、一挙手一投足、高齢者の雰囲気が出てて よく研究しているわね、と感心!!

長丁場で、セリフも多いけれど 惹きつけて離さない凄みさえ感じさせます。

 

そして、ラスト近くで

音くり寿劇場

後ろのソファに、口にガムテ、後ろ手に縛られたひらめちゃんがいるとは言うものの、

おとくりちゃんのほぼ 一人舞台!

膨大なセリフを操って、あの美声で歌って、お腹の子供を亡くした悲しみと悔しさを怒りに滲ませて。

Twitterで「主役泥棒」という言葉を目にしましたが、わかる! わかります!!

圧巻の5分(時計見えないからわからないけど、もう少し長かったかな?)でした。

 

主演、ヒロイン、第2のヒロインと言える おとくりちゃんのご活躍。

お歌は折り紙付きで 悲しみを訴える歌唱シーンは、まるで海外ミュージカルのワンシーンを観ているようでした。

おとくりちゃんが、この芝居をレベルアップしてくれたのではないか、と思うほど。

もし、ここまで魂のこもった演技が出来る生徒でなかったら マスカレード・ホテルはもっと違うものになっていたのでは、と思います。

素晴らしかったです!

演出の谷正純先生が 「音(くり寿)がのびのび演ってる」とおっしゃってた、というのもさもありなん、の演技。

老婆の役の声から、徐々に、若い35歳の女性の声に変わって行くところも、お見事でした。

おとくりちゃんについて たくさん語ってしまいましたが、物語のキーパーソンであると同時に キャストとしても素晴らしいのでこれからご覧になる予定の方はどうぞご堪能いただきたいです。

さすが! 愛にあふれる宝塚

ネタバレで申し訳ないけど、ここまで読んでこられた方は ネタバレ承知ですよね?

原作で(映画でも、らしい)、ラスト、レストランで2人でお食事を、その後、特に2人の関係が深まるわけではないのですが、

宝塚はハッピーじゃなければエンドじゃない(by 紅ゆずる)ので、最後は2人が口づけして 幕。

これで安定。

小説、なんか中途半端というか 尻切れトンボというか…はぐらかされたような気分で嫌だったんです。

だから、最後に 共に助け合った2人が Yes,フォーリンラブがスッキリします。

悲劇の「ロミオとジュリエット」でさえ、「天国のシーン」を付け加えて、地上で結ばれなかった2人は、天国で結ばれましたとさ、めでたしめでたし、に持っていきましたから。

最後は 幸せや成功で終わるのが美しい、と私は思っています。

報われないと辛い…

ちょこっと残念ポイント

ホテルを訪れる、いろいろなお客様のシーンもあり、警視庁捜査一課が連続殺人事件を追っているという物語のベースがあり、新田刑事と山岸尚美の対決があり、と盛りだくさんで、

歌上手さんが大勢こちらに振り分けられていますが、歌唱シーンがなくて残念でした。

和海しょう、羽立光来、若草萌香、糸月雪羽、咲乃深音 他 (下級生よく知らなくてごめんなさい)

しーちゃん(和海しょう)は、相変わらず滑舌がよくて惚れ惚れします。セリフ聞き取りやすい~♪ 刑事さんとして、捜査本部?(原作では、ホテルの事務棟に刑事が詰めてる部屋がある)で事件の説明をするのも立て板に水でも、全部聞き取れます。

ホテルマンや、警察に扮していてもセリフが殆どない生徒さんが多くて お役の比重がメインキャストに集中してましたね。

まぁ、あきらとひらめちゃんありき、で、第二のヒロイン おとくりちゃん大活躍で、そばでいい味だしてる飛龍つかさくんががっちり締めているので 安心して観ていられるという 眼福耳福な公演ではありました。

フィナーレ 

壮大な雰囲気の音楽で ちょっとスパニッシュ系な印象も受けました。キビキビと切れのある振り付けのダンス、そして二番手ポジションの飛龍つかさくんがセンターでキラッキラの衣装でスポットライト浴びて 美声披露しているのを観たら、本当にかあさん嬉しいよ状態です!

 

なんせ、初めて飛龍つかさくんを認識したのが、バウホールへ見に行った、望海風斗ブリドリネクストの公開収録の場だったんです。

だいもん(望海風斗)宛にお手紙を読むPちゃん(鳳真由)の後ろで 感極まったような表情で胸の前で手をグーにして見守っている姿が可愛くていじらしくて…^^

あれから5年、どんどんお歌がうまくなって…花組でも存在感がいや増している今日このごろ。

まだまだ伸びしろがありそうで 楽しみにしています!

 

そして…中央奥から 真っ白なキラキラのスーツに身を包んだあきら登場。

左右に分かれた組子が待ち受ける中、スターのきらめき♪

後から登場してきたひらめちゃんとのデュエットダンスも美しく、さすがあきら! 力強いリフトでした。

スタッフ

いつものように、気になるスタッフのみ書き留めておきます。

脚本・演出     谷正純

音楽・作曲・編曲  吉崎憲治

作曲・編曲     植田浩徳

振り付け      尚すみれ 御織ゆみ乃

装置        新宮有紀

衣装監修      任田幾英

衣装        加藤雅美 

演出助手      熊倉飛鳥