耳に残る名曲の数々、やはり楽しくて心温まる物語
月組公演 I AM FROM AUSTRIA 2019年11月7日15時公演を観てきました。
10月10日に1回目、10月22日は新人公演を、そして3回目が昨日の観劇でした。
初回から 個性豊かな登場人物に楽しませてもらいました。(特にエルフィ^^)
ジョージとエマの恋と ジョージの両親の愛の再生という 愛の二本立て、というのも見どころダブルで良かったです! 実はパブロは…と 愛の三本立て?^^
音楽も耳に残り マッチョマッチョのようなノリノリの明るい曲から しみじみと聴かせるバラードもあり、と、これから再演を重ねたら、あのシーンの、あの曲…と エリザベートの数々の名曲のように語られるようになるのかも知れません。
上は二幕開始5分前です。
ウィーン劇場協会の「エリザベート」は全世界で500万人以上の観客動員を誇るメガヒット作品で、日本でも宝塚や帝劇で上演して毎回大人気を博してますね~♪
いい加減飽きてきた、とかいいながらも 観るとドラマティックなストーリーと名曲に心揺さぶられて、あ~やっぱり観てよかった!と思わずにはいられない作品ですよね。
再演を重ねて来年で20年とか。
「I AM FROM AUSTRIA」は、新作ミュージカルで 本国オーストリアではロングラン公演となった大人気作品。
日墺国交150年を記念して、この度月組で上演されましたが オーストリアほどの人気がでるのかちょっと疑問…と言った感じです。
前から少し懸念してたこと
オーストリア出身というのを隠して アメリカでハリウッド女優として成功したエマが、故郷・オーストリアへお忍びで帰ってきて ジョージと出会い、生まれ故郷のオーストリアの良さを再認識します。
「I AM FROM AUSTRIA」というタイトルは、故郷を誇らしく思い アイデンティティを取り戻したエマがふるさオーストリアを賛美する意味が込められていると思います。
オーストリア国民なら I AM FROM AUSTRIA のエマに共感を覚え 胸が熱くなると思いますが、日本人が観るのとはちょっと温度差があるのでは?
オーストリア全土を熱狂させたとしても 日本のミュージカルファンを熱狂させられるのかどうか…今後に注目です。
エリザベートは 頼りない夫、厳しい姑…と どこの家庭にもありそうな設定で共感を呼んだ部分はあると思いますけど~^^;
海外ミュージカルは 実は宝塚には向いてない
役が少ない
宝塚は世界に類を見ないほどの大所帯の劇団です。
だから 海外ミュージカルを持ってくると 断然お役が少ないです。
劇団四季ぐらいが丁度いいんですよね。
お役が少ないから 下級生の多くはモブになります、すごくもったいないです。
スターシステムに合ってない
宝塚は番手中心主義です。
まず男役が中心で 2番手役、3番手役…と役の比重も決まってきますが、番手関係なく作られた海外ミュージカルをそのまま宝塚に当てはめると少々不具合が生じますよね~
エリザベートもタイトルロールは女優さんが務めるところを 男役中心主義の宝塚は トートを主役に置き換えて成功しました。
今回のI AM FROM AUSTRIAも オーストリアではエマ役の女優さんが主演、といった感じですので 珠城りょう・美園さくらがウィーン ライムント劇場のカーテンコールに登場した時 現地の皆さんはさくらちゃんを主演と思っているように感じました。(宝塚は男役が主演です、と事前に説明したかどうか知りませんけど)
今公演で3番手のありちゃん(暁千星)は 世界的サッカー選手 パブロ・ガルシア役でしたが 1幕は殆ど出番がない、というもったいなさ。
下手すると ジョージの友人の何をやってもダメな僕~~の、フェリックス(風間柚乃)の方が目立ってたかもしれない、というイレギュラーさ…orz
そして美味しいところはエルフィ役の光月るうさんが持っていくという イレギュラーなお役のパワーバランス。
現地オーストリアでは エルフィ役の女優さんは大ベテラン女優で堂々の演技で客席の心を鷲掴みにされてるみたいです。宝塚でも 月組組長の光月るうさんが 芝居巧者っぷりを発揮して 客席の笑いをとってましたね。
キャトルレーブで るうさんの四つ切ブロマイドが早々に売り切れてた、と言う情報も耳にしました(もともとプリントした枚数が少ないのかもしれませんが)。何を演っても様になる、というのは 役者として最大の武器ですね~。
エリザベートのように再演を重ねるのだろうか?
海外ミュージカルを演るには、歌えるキャストが揃ってないと無理です。
今回 オーストリアではエマが主人公、ということで さくらちゃんの歌唱場面が多かったです。さくらちゃん、見事にその期待に応えてました。
前回の「夢現無双」は イマイチ活躍の場面がなかったので 今回トップ娘役になって2作目で 面目躍如のいいお役に当たったな、と思いました。
ウィーン劇場協会と宝塚歌劇団は 蜜月関係にあると言っても過言ではないと思っているので ウィーン劇場協会はこれからも再演して 版権収入を得たいでしょうけど…どうでしょうね?
エリザベートは衣装も豪華で 宝塚ファンのツボでしたが I AM FROM AUSTRIAは現代劇なのでコスチュームは至って普通ですし‥
今回人気が出れば 再演もありうるでしょうけれど、今の所、公式HPに出ないけど チケットは、あるところにはイッパイアッテナ。下級生が気の毒です…
この演目の人気がどうであれ、編曲の楽譜も作ったし、衣装も作ったし 舞台装置も作ったから再演されるだろうとは思います。ウィーン劇場協会の手前もあるので 「エリザベート」のような人気作品にしなくてはいけない、という使命感のようなものがあるかも知れません。
私は 曲もいいし、気持ちが温かくなる素敵な作品だと思ってます…
ワタクシ的キュンポイント
・山小屋のシーン ジョージとエマが二人で朝を迎えるところ。
・ジョージの父・ヴォルフガング(鳳月杏)が母・ロミーとの出会いを回想して歌うシーン。ちなつちゃんの高温が素晴らしい。泣ける…
・ラスト近く 銀橋下手から センターにいるたまきちに向かって さくらちゃんが駆け寄り抱きつくところ。
がっしりと受け止めるたまきちが男前。
・フィナーレのショー以外の全員がオペラ座の舞踏会で大団円。華やかで楽しくてそれだけで幸せに♪
・フィナーレのショー ダンサー9人が銀橋でキレッキレのダンスを披露するところ。眼福♪
・フィナーレのデュエットダンス。今や 柚希礼音様のように リフトできるのはたまきち(珠城りょう)ぐらいですね。力技。高い位置から徐々に下げていって、スッと着地させるのは、さすが。(ダンス下手な男役は、ドン、と置きます)体が資本の舞台人、たまきちも女性なので 無理にリフトさせなくてもいいと思いますけど。
宝塚大劇場公演も残り少なくなってきました。お怪我なく 千秋楽を迎えられますように。