歴史ファンタジーが、新鮮!
眩耀の谷 2020年2月20日 11時公演を観てきました。
似たような演目が続くと食傷気味になって え~~、またぁ??って全然期待できなくなりますよね。
2014年は地獄でした 笑
3月に雪組が ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-
5月に宙組が ベルサイユのばら—オスカル編—
6月に花組が ベルサイユのばら—フェルゼンとマリー・アントワネット編—
8月に宙組が ベルサイユのばら—フェルゼンとマリー・アントワネット編—
もういいっ!! ヽ(`⌒´メ)ノ
100周年で何かとお金がかかるから再演で乗り切ろうとしたのか 植田紳爾先生へのオマージュなのかわかりませんが、いい加減にして!!ってげんなりしてました。
今回の作品は、古代(紀元前)の中国が舞台、っていうところからしてロマン♪
紀元前、周の国、と言われても、今ひとつピンと来ないのですが それぐらいのほうがファンタジーとして描きやすいですね。
紅ゆずる様の退団公演 GOD OF STARSの舞台は、香港・シンガポールでしたが、現代劇でコメディでしたから 趣は全く違いますね~
瑠璃瑠の神の使いが、丹礼真を、瑠璃瑠神を信仰する汶族の村へ導く、というのも幻想的で・・・神の使いを演じる水乃ゆりちゃんは、真っ白のひらひらとした衣装で優雅に現れて するする~っとスプリッツも滑らかに決めて 優雅に走り去って行きます。神の使いが登場する時は きれいなエフェクトがかかったライトがあたります。美しい~♪
私の好きなMESSIAHや金色の砂漠に通ずるものがある
キリシタンの弾圧から 民衆を率いて立ち上がった天草四郎を描いた花組公演「MESSIAH」。
周の宣王の侵略から逃れ、汶族のリーダー(国王)となって国を建てるところがね、似てます。
明日海りお様演じる天草四郎を囲んで立ち上がろうと決意する原村のキリシタンの人たち。何度も泣いたわ。
ことちゃん(礼真琴)演じる丹礼真を囲んで、汶族が立ち上がろう、と決意するところも、胸熱です。
MESSIAHでは、ラストで、原城に立てこもった島民は 山田右衛門作以外は死んでしまいましたが 死後、はらいそで 皆幸せになりましたね~
眩耀の谷も、ラスト、丹礼真は汶族の仲間と共に新天地を求めて 一列縦隊で旅に出るところは・・・
金色の砂漠のラストを思い出さされました。
余韻を残す感じが好きなんです。あの人達はどこへ流れて行ったんだろう??って考えるのが^^
新たに汶族の汶国を作って 王と王妃になる トップコンビ♪ MESSIAH彷彿!涙
横暴な強国 vs 温かい仲間が大勢いる小国
これは、鉄板の設定ですよね~♪ 絶対小国を応援したくなるように出来てます^^
周の宣王は、国民の犠牲が生じるのは当然のこと、という考えの持ち主。
同じ死ぬなら、飢えや病気で死ぬのではなく、戦場で死んでもらわねばな! 笑 という悪王です。
ことちゃん(礼真琴)は、自分の信念が揺らいでいく過程を丁寧に表現していてよかったです。
信頼し、尊敬していた管武将軍(愛月ひかる)に、自分の考えを直訴する、銀橋での件は、渾身の演技! 素晴らしい!
今回悪役に徹している 宣王の専科の華形ひかる様が、これまたお上手! もう芝居の幅が広くて。
「ANOTHER WORLD」で演じた貧乏神のびんちゃんから この宣王へ、振り幅の広いこと!!
役作りは「声」から。さすが華形ひかる様!
いつも記事に書いておりますが、役者は、声と目、だと思ってます。
滑舌やセリフ回しが悪いと、ムニョムニョ・・・何言ってるんだかわからないです、ストレスたまります。
2月20日付けの 朝日新聞「月刊タカラヅカ」に華形ひかる様のコーナーがあります。
役作りで意識する一つは「お客様の耳に入る声」だという。
「宣王は野太くて地に響く声。力で屈服させていくイメージです」。
芝居を作り上げるうえで、歩き方や身ぶり手ぶりも、その役に染まっていく。「90%以上は頭脳戦。確実に計算し尽くしているところに、最後どーんと感情がのる」
朝日新聞 月刊タカラヅカより
頭脳戦かぁ~~~!! 感性で芝居しているのではなく、計算し尽くした上でのお芝居だったんですね、芝居巧者と言われる所以は、ここにあったのか・・・納得です。
あまり語るとネタバレになってしまうので 語りにくいわw
宝塚OG 謝珠栄先生の挑戦
宝塚のみならず、外の舞台でも振り付け、演出を担当してこられた謝珠栄先生。
ご自分の劇団TSミュージカルファンデーションを主宰されたり、ご活躍ですが、今回 宝塚の芝居の脚本を書き下ろすのは初めてで かなりプレッシャーを感じながらの作業だったようです。
周国と汶族の対立、というだけでなく、汶族のこれまでの経緯や、瞳花の悲しい過去やら 丹礼真の母の出自の秘密やら…あんまり言うとネタバレになるから ストップですけど いろんな事が絡んでいて 最後に種明かしされて ほほぅ~~と納得するのです。
巧いな~と思いました。
ただ、盛り上がりがない、ということで 駄と呼ばれた「邪馬台国の風」の雰囲気を感じ取った方もいらっしゃるみたいです。
「ベルサイユのばら」で言えば、バスチーユの場面のような、盛り上がり(心情的にも、場面的にも)がなかったからかしら?と推測。
最後に トップコンビが、お披露目ということもあって 汶王とその后、というめでたしめでたし、しかも 語り部の春崇が・・・というオチにへ~~~!ボタン連打!w
ダンスシーンに見応え
謝珠栄先生の振り付けはかっこいい、と定評があります。今回もダンスシーンがたくさんありました。
剣舞は、中国のカンフーの世界チャンピオン 陳静先生をお招きして、振り付けてもらったという場面がかっこいいですね! 剣を持った手首をくるくる回すというあまり観たことのない振りでした。
いつもと違う筋肉を使うそうですが見応えありです!! 管武将軍中心に踊る場面と周の軍の兵隊たちが踊る場面です。
謝珠栄先生の振り付けで特に好きなのは、汶族がかつて周に戦いを挑まれた時の怒りを表現する輪になって踊る群舞。音楽も太鼓(パーカッション)のビートがきいていて 躍動感があってすごくパワフルなダンスです!
ここが一番好き!!
後は、舞姫・瞳花の舞空瞳ちゃんが踊る 幕開きすぐのダンスや、終盤、感極まって踊る場面が見どころです。
周王の前で踊る 舞姫たちの長い袖をひらひらさせて踊るところ。寵妃の小桜ほのかちゃんは、新体操のリボンのようなものを二本持って優雅に踊るのもいいですね。
お芝居のキャスト別感想は・・・止めておく予定 ← 気が向いたら書くかも・・・?
お芝居もショーも ワタクシ的に堪能できる公演になってました。
星組の挑戦が楽しみで仕方がないワタクシです!