「カルトワイン」という作品
宝塚の作品と言っても、世間一般に浸透している 宝塚→夢の世界→ベルばらというステレオタイプは今は昔。
たとえ宝塚に百余年の歴史があるとしても、「歌は世につれ世は歌につれ」、ではないですが、伝統を守りつつも、新しい風を入れていかないと腐っていきます。
ですから、いろんなテイストの作品を観ることができるのが宝塚の魅力ですね♪
個人的好みとして、ハッピーエンドが好きなのですが、
現在東京で公演中の「冬霞の巴里」、復讐劇でラストは姉弟で冬霞の中に消えていきます。
二人はどうなったんだろう? どうやって生きていったんだろう?と含みを残すラストでした。
今まであまり観たことがないラスト。
退団された上田久美子先生作「金色の砂漠」も、余韻を残しました。
次回宙組別箱公演は、コロナで流れてしまった「桜木みなと東上公演初主演」仕切り直し。←「壮麗帝」が東上初主演、とも言われていますが。
公演ラインアップが出た時に…
21世紀初頭のニューヨーク。狂乱のヴィンテージワイン・オークション会場に華やかに登場するのは、高級スーツに身を包んだヒスパニック系の男、カミロ・ブランコ。誰もがその名を知る、若きワイン・コレクターだ。羽振りの良さ、膨大な知識、確かな舌、上品な物腰と人懐っこい性格で信用を得たカミロのコレクションに、人々はこぞって高値をつけていく。
だが、そのほとんどは安ワインをブレンドして作られた偽造品で、カミロという名も偽名だった。
彼の正体は10年前に貧しい中米の国・ホンジュラスから入国した不法滞在者、シエロ・アスール。マラスだった彼は、殺るか殺られるかの暮らしから抜け出すため、幼馴染のフリオと共に命懸けの旅に出たのだった。
シエロは何故ワイン偽造に手を染め、如何にして業界を揺るがすワイン詐欺師となり得たのか?
貧しい一人の青年が、被害総額1億ドルの偽造ワイン事件犯として投獄されるまでを描いた、ちょっぴりビターなスウィンドル・ミュージカル!宝塚歌劇公式HPより引用
マラス=メキシコ、エルサルバドル、ホンジュラスとグアテマラで広がっているギャングの一種である。(マラス Wikipediaより)
先行画像は、作品に対する期待値を測るツール
他の作品でも、先行画像が出た段階で、その作品世界を垣間見ることができるので、ファンは、衣裳やメイクで時代背景や役回りを作品解説とともに想像します。
今回のずんちゃんは、表の顔は、羽振りがよくて、博識なカミロ・ブランコ。
高級スーツをパリッと着こなす上品な物腰の、人懐っこい性格の人物なら、お近づきになりたい、と思わされますね…
表の顔をメインにするなら、上品なスーツを着て、ワイングラスを片手ににこやかに微笑む画像でも良かったんでしょうけど…
先行画像は、裏の顔。
ヒスパニック系の詐欺師、シエロ。
派手なシャツに浅黒い肌、ニヤリと不敵な笑いを浮かべています。
右手で黒い蛇を握りつぶして、腕に血が滴り流れています…エグっ!!!
違う違う…(笑)
右手に握っているのは、
赤ワイン用のぶどうですね ^^;
ずんちゃん(桜木みなと)は、現在東京公演中の「Never Say Goodbye」で、黒い役・アギラールを好演してますね^^
「オーシャンズ11」のベネディクトより、やらしさ倍増で大好きです♪
こういうお役は振り幅が大きければ大きいほど、印象に残りますし、芝居が面白くなりますから。
最近、花組の「巡礼の年」の先行画像とポスターが素晴らし過ぎて、かなり話題になりました。
「カルトワイン」は…特に話題になりえず…orz
外箱公演なので、主演のずんちゃんしか発表になっていません。
花組で上演中の「冬霞の巴里」も、実際には、ヒロインは星空美咲ちゃんでしたが、公式にはヒロイン不在です。
「カルトワイン」もヒロイン不在の気配濃厚です。
配役は、ワインの偽造に関わる人たち、騙される資産家とその夫人たち。
警察と裁判官?…そして、偽造を見抜いた女性…
男役20名、娘役10名、専科1名という布陣。
男役まつり。
「カルトワイン」は実話がモデル!全米を揺るがした偽造ワイン事件
中国系インドネシア人、ルディ・クルニアワンの偽造ワイン事件は、2016年公開のイギリスのドキュメンタリー映画「すっぱいブドウ」(原題:Sour Grapes)に描かれています。
2001年頃から、ワインオークションに参加し、2004年に開催されたワインオークションで、次々に落札をして注目を集め、大富豪の息子と噂されるまでに。
存在しない偽のヴィンテージワインを出品したことが転落の始まりでした。
出品したワインの真贋について訴えを起こされます。
ワイン業界のシャーロック・ホームズ(そんな人がいるんだ!!)とも言われる鑑定家モウリーン・ダウニー女史が、偽造を見抜きました。
2012年に逮捕されるまでに、約120億円稼いだそうです…
鑑定家、モウリーン・ダウニー女史は、五峰亜季さんが演じられるのでしょう。
ハッピーエンドでないのは確か。
実際には、詐欺師・ルディはカリフォルニアの自宅で逮捕され、服役後の2021年にインドネシアに強制送還されています。
宝塚版では、どのような結末で締めくくられるのか、栗田優香先生の手腕に注目です!!
栗田優香先生の演出家デビュー作「夢千鳥」は、コロナの影響で、6公演しか上演できませんでしたが、各方面からの「観たい!!」の要望に応えて、無観客ライブ配信をしてくださいました。
注目の新進演出家、栗田優香先生! 楽しみにしてます!!