昨年9月に宙組の生徒さんが亡くなられたことから、劇団がハラスメントを防止するための「リスペクト・トレーニング」研修をする、と発表しました。
すでに一部で始まっている、とした劇団ですが、
改善に尽くします、とか努力します、とか口先で唱えたところで事態は変わらないでしょう。
本当に改善したか、結果が出て初めて努力したのだと評価できます。
劇団は、変化を嫌うところだ、というのが個人的印象です。
伝統を守ることと、変化しないことは同義ではないはず。
今回、久々に出た文春記事の冒頭の部分(課金なし)を読んで暗澹たる気分になりました。
目次:
今回の文春記事は、星組のパワハラ
「角会長は辞めろ!」。怒号が飛び交う株主総会を乗り切った宝塚。だが、現役の星組生が明かす。「労働時間は前より長くなった。上級生のパワハラ指導は今も続いています」――。
「◯◯さんのことがあって、やっと宝塚は改善されるんだと希望を持っていました。でも現状は一向に改善されません。今でも過重労働や上級生からのパワハラがある中で働いています……」
小誌の取材に声を震わせるのは、星組の現役タカラジェンヌAさん。昨年9月に亡くなった宙組の◯◯◯◯(享年25)の事件以後、宝塚歌劇団で進められた「労働改革」が空回りしている現状を告発した――。
引用元:週刊文春記事(課金なしで読める範囲)
⚠️亡くなられた生徒さんのお名前は管理人判断で伏せ字にしています。
今年3月28日、ご遺族側との合意書が締結されました。
その際に、劇団は
「宝塚歌劇団宙組劇団員の逝去に関するご遺族との合意書締結のご報告並びに再発防止に向けた取組について」いう文章とともに
「再発防止に向けての取組の状況」をPDF 8ページにわたって発表しました。
それなのに、全く改善されていないとはどういうこと?
本気で改善しようと、大鉈を振るえばピタっとなくなるはず。
上が何もしない、見て見ぬふり、だから何も変わっていないのではと思わざるを絵ないです。
そう言えば、亡くなられた生徒さんのご遺族が、パワハラはどの組にもある、とおっしゃってました。
今回は星組からの告発。
星組で過重労働やパワハラがある…って宙組と同じではないですか。
音楽学校時代から厳格な上下関係を叩き込まれ、「下を締めるノウハウ」が伝承されていたと言われていますからどの組にもあるのでしょう。
「退団する」という選択肢を選べないまま苦しんでいる生徒さんも多いのだろう、と想像しています。
現役タカラジェンヌが告発「このままでは第2の飛び降り事件が起きる」、という見出しもあながち大げさではないのかもと思っています。
組織的なマネジメント、できていますか?
3月28日、劇団は「組織的なマネジメントやサポートを強化するための体制・システムの整備」として
① 稽古スケジュールの見直しと時間管理の強化
②劇団員の心身の健康管理体制の強化
などを発表。
それに先駆けて、1月には、
劇団がハラスメントを防止するための「リスペクト・トレーニング」を導入した、と報じられていました。
これ、各組実施しているのでしょうか。
星組は昨年11月初旬から『RRR』のお稽古が始まり、4月上旬まで公演に携わっていたのでリスペクトトレーニングを受けていなかったかもしれませんね。
稽古スケジュールの見直しと時間管理の強化で、
•活動時間管理の強化
より良い舞台づくりのために活動時間が長時間に及ぶ傾向にある状況に鑑み、劇団施設へ入退館時間の制限を強化し、在館可能時間を短縮するとともに、客観的な入退館時間を記録できる体制を整備します(2024年4月より実施予定)。引用元:宝塚歌劇公式HP
こちらも活動時間管理の強化も今年度、つまり4月からですから、星組は適用されていなかった可能性はあります。
入退館時間の制限強化したところで、生徒たちは「自主練」を行いますから、あまり意味がないのかな、と思ったりしています。
自主練はあくまでも「自主」のはずですが、強制の場合もあるようです。
ひとつの場面は大勢で構成されていますから、一人抜けてもうまくお稽古できない場合もありますから難しい問題ですね。
責任者不在のイメージの組の組織
亡くなられた生徒さんは、苦しい胸の内を宙組のプロデューサーに打ち明けても掛け合ってもらえなかったそうです。
彼女を追い詰めた「お話し合い」が行われたのを知っていながら(部屋はPが予約)見て見ぬふり???
組プロデューサーというのは何のために存在するのですか。
正しい方向に導く指導的立場の人が明確ではないです。
強いて言えば、組長さん。
組長さんも、毅然とダメなことはダメ、と指導力を発揮する方もいらっしゃれば、
憎まれ役になるのが嫌でトップに迎合してなぁなぁで乗り切った方もいらした。
個人の資質に掛かっているところが問題。
この状況はダメだ、と思ったら、注意できるか、話し合いを持てるか、
いじめの風潮があっても、組をいい方向に導く責任者は??
劇団のトップと生徒をつなぐプロデューサーはしっかりして欲しい
一番近くで生徒たちを見ているのがプロデューサーと呼ばれる人たち。
阪急の方ですから、何かあれば上に働きかけることも可能なのでは。
劇団トップは、阪急から出向してきた「おじさん」ばかりで、稽古場に入ることはまずありませんから、
現場で何が起きているかを全く知らないまま劇団を運営しています、これが問題なのでしょう。
生徒さんたちを一番近くで見ているからこそ、問題解決の先陣を切れるはずなのに、宙組は機能していなかった。
宝塚には女性の劇団員はいても、劇団トップはみんな男性で、女性同士のことはわからない、と頬被りしてそうです。
何年か経てば、阪急に戻れるので、本気で改革とかする必要もないですし。
今回も改革を唱えてはいますが、どの程度本気で出来ているのか。
文書化して終わりではなく、ここがスタート、きっちり結果を出してほしいです。
だらだらといつかできるさ、ではなく、自ら期限を切って、結果を見せないと、せっかくの「再発防止の取り組み」も絵に描いた餅。
現役生のリークは、心の叫び
劇団に窮状を訴えても、自分が不利になるだけです。
組の中を改善してほしくても、組長が動かなければ改善の余地なしです。
自分のちからではどうしようもないからメディアに訴えたのかな、と宙組に文春砲が打ち込まれていた時に思いました。
今回も、なんとかして組を変えたい一心でメディアの取材を受けたのかな、と想像しています。
実際、犠牲者が出て、初めて劇団の暗部に焦点が当たった感がありました。
これほどのことがないと改革できないのか、と思いましたが
いま進捗状況はいかほどか、
掛け声ばかりで何もかわっていないのではないか、と心配しています。
古い体質の組織は潰えていきました
野球の名門と言われ、甲子園で活躍したPL学園野球部も暴力事件で休部に(当時廃部と言われていたような?)なりました。
宝塚は暴力もあるようですが表には出てません、言葉の暴力は日常茶飯事?
パワハラなどを放置していると如何に歴史ある宝塚でも今までのように安泰とは行かなくなってくるでしょう。
伝統の上にあぐらをかくのではなく本気で改革を勧めていただきたいものです。