宙組全国ツアー公演「バロンの末裔」@梅田芸術劇場 観てきました
ショーの感想の記事と同じ写真~^^
「バロンの末裔」四半世紀ぶりの再演。
サクッとWikipediaを読んで流れは知っていましたが、ストーリーを知っていたからと言え、芝居は出演者が作るもの。
観てみるまではわかりません。
実際、初演はもう少しシリアスだったようですが、笑わせる場面やセリフがちょこちょこ盛り込まれていて楽しかったです。
11月22日月曜日のマチネを観ました。
⚠ネタバレあります、ご注意ください。
まだ初日の幕が上がって2回目の公演でしたが、エドワード(真風涼帆)、ローレンス(真風二役)と、軍隊時代の友人・リチャード(桜木みなと)との掛け合い、
銀行家親子、創業者で父のトーマス(凛城きら)と頭取のウィリアム(瑠風明)の掛け合いも面白いです。
リチャードは、友人・エドワードに遺産が入ったら 「自分の夢」のために、お金を借りようとしているちゃっかりもの。
欲と期待を隠そうともしないリチャードは「人の死を願うんじゃないぞ」とまで言われる始末w
こういう設定だから、随所で笑いがもれました^^
それで、ボールトン家のリビングの高価そうな壺に目をつけていて…エドワードが相続すると知って 大喜びしてずんちゃんリチャードが壺をポーンと投げるとヘレン(山吹ひばり)がキャッチ!!のはずが、私が観た回では、ひばりちゃんが壺を落とした!!
けど、割れるはずもなく、客席の爆笑を誘っていました^^
初演で未沙のえるさんが演じていた父トーマスを、最近老け役が多かったりんきら(凛城きら)が好演♪
「シャーロック・ホームズ」のマイクロフト役のような、飄々としていながら、クスッと笑わせる演技がお上手^^
ちょっととぼけた感じがいいです^^
もしや…未沙のえるさんの後継者になるとか?
今回、専科から、初の特出でしたが、特出というより、いつもの宙組子で違和感なし♪
相対する、もえこ(瑠風輝)は、やり手実業家
「シャーロック・ホームズ」の時にも銀縁眼鏡似合ってて、インテリジェンスを感じさせてたから、今回のお役もぴったりでした^^
3番手役で、「シャーロック・ホームズ」のときから、ポジションUPした感のあるもえこ、番手ギチギチから脱出か。
今回、真風の二役が見もの!!
このお芝居の肝は、全然タイプの違う双子の兄弟と幼馴染の女性との秘めた愛。
兄弟揃って、キャサリン(潤花)のことを愛していたのだけれど、爵位のない次男のエドワードは、思いを告げないまま身を引く形で軍隊へ。
長男・ローレンスは病に倒れ、婚約者のキャサリンが面倒を見ています。
ローレンスはロン毛で、ガウンを羽織りゆったりとマイペースな兄。ちょっと病弱。
エドワードはしっかり者の弟、と振り幅大きいから、演じ分けやすいし、演じてて楽しいと思います。
ローレンスの部屋のベッドは天蓋付きでレースのカーテンがかかっているので、シルエットしか見えないですから、ここでうまいこと、ローレンスとエドワードが入れ替わっていたようです。
そして!!!ここでは、特殊マスク(映画で使われるシリコン製のような)が使われているんですね~ スタッフに、特殊マスク、の文字。
コレと影武者を使って入れ替わっていたのね…
特殊マスクは 株式会社REAL-f というところが制作されたようです。
お兄さんがほんわかしてて、笑い取る場面多かった~♪
「キャ~サリ~ン!」って部屋から呼ぶだけでも笑いが漏れてました^^
歩き方が、「シャーロック・ホームズ」でグラパン風に変装したシャーロック味がありました。
弟・エドワードは、銀行に乗り込んで、疑惑に決着を付けに行く、惚れ惚れする切れ者。
お着替え忙しいし、セリフの切り替えも混乱しそうだけど、真風がんばってました♪
切なさが押し寄せる「雉撃ち」の場面
雉撃ちをするエドワードの元へ、馬に乗ってキャサリンがやってきて。
キャサリンは、エドワードのことが好きで、いつか軍隊から戻ってきたら、一緒に居れると思ってローレンスと婚約した、と告白。
もともと キャサリンへの思いを秘めていたエドワードだったから、心を通わす一時。
こんなこと(ボールトン家が逼迫する羽目)なら、兄からキャサリンを奪えばよかった…と後悔するエドワード(真風涼帆)。
自分の心に素直になりたいのに、兄のことを思うと、キャサリンへの思いを封印しなければならない、と思い詰める真風…いやエドワードを観るのが苦しい。
このキュン場面は最高です!!
潤花ちゃんの声が綺麗で滑舌がいいから、す~っとキャサリンの感情が胸に入って響きます。
真風&潤花コンビ、ずっと観ていたい~!!
でもキキちゃんにも早くトップになってほしい~!!
ジレンマ!!!
その他のキャスト
すっしーさん(寿つかさ)最高!
そんなにセリフもないのだけれど、慇懃な感じで独特の存在感。
言わずとも醸し出すボールトン家の執事としての誇りとか…背中での演技も素晴らしい。そして笑いを誘う^^
あのん(亜音有星)くんも目立ってました
真風との二人だけの場面があるので、美味しいお役ですね。
羊飼い役ということで、「アルプスの少女ハイジ」のペーターのイメージだったんですが、もっとかっこいい設定♪ ←当たり前?
ボールトン家の領地にまつわる秘密がわかる場面にも出ています。
あのんくんに強い追い風が吹いているのを感じます。
娘役 トップ娘役・潤花
前任の星風まどかちゃんが好きだったから、コンビ解消して、他組から来たらどんなふうに感じるだろう…と思ってたけど、潤花ちゃんもいい~♪
むしろ潤花ちゃんの方が合っているようにも思います。
一方のまどかちゃんは、今新トップコンビお披露目公演中ですが、とてもお似合いで、ふたりともよかったです❤
潤花ちゃんは、声が聞き取りやすい、滑舌がいい!! 大柄で華やか。
舞台人で必要なことが揃ってます。
お歌は、特筆するほどでもないけど下手でもない…というより、すごく努力されているのがわかります、結果出す子が好きです♪
好みは分かれると思いますが、バーンと舞台度胸よく演じているので私は好きです。
娘役 山吹ひばり
今回2番手役。
ずんちゃん演じるリチャードの恋人役、という目立つお役で、壺を…w
美味しい場面もあり、歌えるし可憐な容姿でトップを見据えて上がっていきそう。
ちょっとアニメ声なのが気になるけど、滑舌がいいのがいい!
小春乃さよちゃん、お上手、
水音志保ちゃんもひばりちゃん同様「夢千鳥」以来、役付がよくなってますね。
最後はハッピーエンドではないけれど…
羊飼いのヘンリーの家で聞いた、ボールトン家の領地に石炭が眠っている、証拠の書類をもって銀行に乗り込むエドワード。
男爵家として先祖代々の土地を守り抜くために 邸宅をホテルに。
ずんちゃんリチャード大喜びで、ホテル支配人に。
兄を裏切っては一生後悔する、とキャサリンを諦めることにしたエドワード。
やっぱりそうなる??とちょっと切ない。
そんな話をしている二人の耳に、ローレンスのホテルオープンの挨拶が聞こえてくる…
もうだめだ…と言って床に伏しがちだったローレンスが、当主として張り切っているので、めでたしめでたし、かしら?
二人の恋は成就しなかったけれど。
笑いをまぶしてあるけれど、芯は、しっかり美味しい「バロンの末裔」でした。
正塚晴彦先生の作品、ゲリラや秘密警察など出てくる作品が多いイメージですが、
「マジシャンの憂鬱」はストーリーが面白いし、
「メランコリック・ジゴロ」は男役ワンツーの掛け合いが最高でした。
「バロンの末裔」も好きな作品に加わりました♪
配信を観るのが楽しみです!