2番手時代は美味しい、の本当
トップスターは、絶対的ヒーローで、悪役ってあまりないですよね。
「エル・アルコン」ぐらいしか思いつかないです。
2番手は、男の友情を描くこともありますが、基本、恋のライバルだったり、敵対するグループのリーダーだったり、ひそかに悪巧みをしている男だったり、します。
トップスターが、ドンっと真ん中に立っていて 観客はトップスター演じるお役に感情移入します。
そのお役をいかに大きく 面白く魅せるかは 演出家の描き方はもちろんですが 2番手の演じ方、存在感が大きなカギを握ってるとおもってるんです♪
現在の2番手は
花組 (瀬戸かずや)「はいからさんが通る」からなのでまだなんとも言えない…
月組 月城かなと
雪組 彩風咲奈
星組 (愛月ひかる)「眩耀の谷」からなのでまだなんとも言えない…
宙組 芹香斗亜
悪い役は印象的で存在感をアピールできる
…て、これはチャンスですっ!!
明日海りおさんは、プリンスな感じでしたが、いざ 悪役を演じるとなんとも言えない内面からのエネルギーを感じて、とても素敵な悪役を演じられました。
2番手ではなく、準トップスターのときでしたが、
「ロミオとジュリエット」では ロミオがお似合い♪と思ってたら ティボルトが素晴らしい!
「春の雪」では、とんでもなく嫌な男、清さまを好演、いつしか「黒みりお」なることばが生まれるほどでした。
現・月組がチケット捌くのを苦戦してるのも トップのたまきち(珠城りょう)の2番手時代が短かったからじゃないか、と言われています。
「舞音」では悪役でしたけど ダブル2番手の美弥るりか、凪七瑠海がいたので ガッツリな敵対でもなく…ダブル2番手は、同じような役の大きさで2つお役を作らねばならず 演出家泣かせだったのでは?と深読みしてます。
やっぱり トップと2番手の1対1の、せめぎあいがあるからスリリングで面白いのだと思ってます。
月組・月城かなと
わりとおとなし目のれいこちゃんは、「エリザベート」のルキーニ役で弾けてましたね!いい感じ。
海外ミュージカルなので トップ2番手などの番手無視のストーリーですから狂言回し的な役割もあったけどすごくステップアップしたんじゃないかな、と思ってます。
IAFA(アイアムフロムオーストリア)では、悪いマネージャーのリチャードでしたが、悪い感じは、本場オーストリアの俳優さんが、ひと目観ただけでも悪そうでした。ちょっと薄味でしたが、これは演出によるところも大きいので単純な比較はできませんが…
雪組・彩風咲奈
咲ちゃんは、あんまり悪い役なさげ。
もっと振り幅大きいお役をあれこれやった方が美味しいのだけれど…こればっかりは 自分が選ぶわけにもいかず、ですね。
もっと個性的なお役をいろいろ観たかったような気がします。
トップになってしまったら 絶対に観れないから。
あ!轟悠さん星組特出の「The Lost Groly」みたいだとトップが2番手役を演るので 悪いところを観れて面白かったです。
トップになったら プリンスや英雄役ばかり回ってくるので 食傷気味になってきますものね。
星組・愛月ひかる
「眩耀の谷」からなのでまだなんとも言えない…と書きましたが、愛ちゃんは、宙組時代に、個性的なお役をたくさん演じてきました。
トップに敵対する役ではないですが、「エリザベート」のルキーニや「双頭の鷲」のフェーン伯爵、「神々の土地」のラスプーチン、「異人たちルネサンス」のグイド司教から
「TOP HAT」のアルベルトや「王妃の館」の金沢貫一、「メランコリック・ジゴロ」のパロットなど個性的で面白い役まで幅広くこなしてきてるのがたのもしいです。
毎回モチベーションを上げるのが大変かもですが どれも印象に残っています。
宙組・芹香斗亜
キキちゃんは、星→花→宙、と異動してきて、安蘭けい、柚希礼音、蘭寿とむ、明日海りお、そして現トップ、真風涼帆、といろんなトップさんから薫陶を受けてきてるので、引き出しが沢山ある気ががしてます。
「邪馬台国の風」のクコチヒコや「異人たちのルネサンス」のロレンツォは嫌な男でしたが グイド司教には負けたな!
悪役はとても印象深いです。
悪役を演じて一皮むける感
2番手が悪ければ悪いほど、トップスターの正義は強まりますから そこはすごく考えて演じていると思います。
そういう悪役や複雑なお役と向き合う時、「一皮むける」という状態になるのでは、と思っています。
役者として一回り大きくなる感じ。
だから 2番手時代をしっかり経験して様々な役に挑戦することはとても大切ですし面白いですよね。
以前 韓国ドラマにハマっていた時に、ヒロインをいじめる嫌な役を演じた女優さんは、後で主役をもらうようになる、という話しを聞きました。
やはり 印象的でプロデューサーなどの目に止まるのかもしれないですね。
2番手が必ずトップスターになれるわけではない、というのはわかっていますが、現・2番手(目)の皆さんは、トップになれるでしょうか?