宝塚ブログ 心は青空♪

夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

「笑う男」 観てきました。

笑う男 2019年5月16日 18時公演を観てきました。

 

私 梅芸のエントリーを忘れて 2次の希望順エントリーだったようで

珍しく後ろの端っこでした。

 

だからというわけではないのでしょうが なんだかビミョーフォーミーでございました。

 

190516笑う男

 

 

 

テンション低め 辛口の部分もありますので 苦手な方は この先の閲覧ご遠慮ください。

ネタバレも含んでいますのでご注意ください。

 

 

作者の ヴィクトル・ユーゴー自身が「この本よりも優れた小説を書いたことがない」言うほどの

自信作「笑う男」

いかほどに 面白い作品なのか、と期待♪

 

小説は時代背景や 登場人物の細かい心の動きなどが活写され面白いのかもしれませんが、ミュージカルは…

 

 

私のお目当ては 主演の浦井健治と ジョシアナ侯爵 朝夏まなと。

それで チケットを取りました。

 

★浦井健治

 

彼の舞台を観るのは 一昨年の「王家の紋章」以来です。

 

戦隊モノ 「仮面ライダークウガ」出身だけあって ビジュアルに大満足♪

(「窓の外から猫の声」の不二子さまからご指摘頂き訂正しました)

そして 特に音大を出たわけでもないのに 甘いヴォイスの艶のあるテノールです。

 

決闘シーンの剣さばきも鮮やかで惚れ惚れでした。

 

歌唱シーンが多めで耳福。

 

ジョシアナ侯爵に見初められ、言い寄られるところは なかなか生唾ゴックンもの??

 

そして 出自が明らかになり 急にうやうやしく跪かれる場面は、サプライズ感があって面白かった。

 

正真正銘のヒーローにぴったりな浦井くん、センターの似合う男、です!

 

★朝夏まなと

 

宝塚退団後のご活躍の様子はすべて見守りたいワタクシ。

 

マイ・フェア・レディは、日程が短くチケットが取れませんでしたが それ以外は漏らさず観たいと思ってます。

 

で、「笑う男」 ジョシアナ侯爵。

いかにも高慢な貴族、という役どころで 浦井健治演じるグウィンプレンを弄ぶ女性です。

 

望まない結婚をアン女王から強いられ 心の隙間を埋めるためにグウィンプレンを…

でも 実際 亡き侯爵の嫡男がグウィンプレンだとわかり  彼が夫となると決まったら喜びもせず…

結局は慰みものにしていたのですね。 哀しい女性です。

 

今年1月に観た「ON YOUR FEET」でも すでに元男役の気配は微塵もなく

きれいな女声で歌い 長い手足を生かして踊る姿が最高に格好よかったです。

 

今回もジョシアナの大きな衣装に着られることなく 

ゴージャスな衣装をきれいに着こなしていて 高貴でいて傲慢な貴族を上手く演じていました。

 

力強い歌唱と グウィンプレンとの絡みも見応えタップリで楽しみました。

 

★石川禅

ストーリーテラー的に出てこられて 東宝の舞台ではおなじみのキャストですね。

大真面目に演じていてもどこか 親しみのあるというか ほっこりとしたものをもってらっしゃる役者さん。

 

グウィンプレンに出自を告げて これからいかなる権利を有するのかを説明する場面も面白かったし

育ての親には」グウィンプレンは死んだと思わせる冷酷さも見どころです^^

 

声が良いので 芝居に厚みがでます。

 

★宇月颯

彼女の名前は 宝塚ファンにしか知られてない、と言っても過言じゃないのでは?

宝塚月組で 歌に、ダンスに、お芝居に活躍された トシちゃんこと宇月颯(うづき・はやて)

 

今回出番の多さ 役割の大きさにびっくりでした!

 

宝塚時代は 路線でもなく番手も付かなかったトシちゃんですが 実力は十二分にありますし

 

2017年の「グランドホテル」の 運転手役 渋かった~

2017年の「All for One」アトス役 渋かった~

2018年の「カンパニー」阿久津 超絶かっこよかった~~

役作りもお上手でした!

 

としちゃんが 「笑う男」にキャスティングされたと聞いて おぉ!!と嬉しかったんですが

ま、まさか…こんなに場面もらってるなんて!! 役名(フィービー)もあって シングルキャスト!!

そして 短い時間ですが ソロで踊る場面もあり…すごい!としちゃん!!

 

幕開けすぐの貴族のドレスもお似合いで ドレス捌きも問題なく 素敵な女優さんになりましたね♪

 

ヒロインのデアより よっぽど目立ってるやんw

 

とにかく 宝塚退団したら、というか 舞台のお仕事は 実力がないと務まらないですね!

今後のご活躍がますます楽しみにまりました。

 

【自分用備忘録 スタッフ】

《演出》 上田一豪 (他にキューティ・ブロンドなども演出)

《音楽》 フランク・ワイルドホーン

《衣装》 前田文子

ミュージカル、歌舞伎、バレエなど数多くの舞台を手掛けている衣装デザイナー。

ものすごく繊細でゴージャスでため息のでるような 素敵な衣装は 主にジョシアナ侯爵用ですが^^

前田さんの名前は覚えておこうと思います。

 

舞台装置をどなたが担当されたのか気になります。

幕開けの船着き場からの出港からの場面転換がダイナミックで引き込まれました。

 

 

追記には辛口批評を書いてますので 心の狭い方はお読みにならないでください。

 

 

さて。 この作品のヒロインは 盲目の少女・デア。

 

えっ?これがヒロイン? 全然存在感ないんですけど…。

 

ポスターに大きく出てるけど 主演のグウィンプレンと心を通わせる場面、あった?

信頼関係、いつできたん?

薄幸の少女で グウィンプレンが大切にしているのはわかるけど

2人の感情が盛り上がるところも 心を通わせる場面も 切ない思いも全く感じませんでした。

 

だから ラスト デアを抱いて海に向かって去っていく(入水)も 唐突な感じで

えっ?? って 訳わからず。

 

しかも フィナーレのご挨拶、 デアの衛藤美彩ちゃんは ヒロインなのに ジョシアナ侯爵より先に登場する。

 

でも カテコで浦井くんと子役と手を繋いで出てくるのはデア。 

 

ラストが狐につままれたようで 全然納得いかないけど みんながスタオベするので 私も立って一応拍手は送りました。

 

会場にはいつもより男性が多く、これはもしかして ヒロインの衛藤美彩ちゃん目当てのファン??

私の前の列にも男性が4人 私の後ろにも 男性が3人…

 

主演やヒロインに ジャニーズ系タレントやAKB48や乃木坂、欅坂などの

女性アイドルグループの誰かを起用するのは興行として 商業演劇として 正しいです。

そして客入りに成功してます。

 

が、本当にミュージカルが好きな者が観ると そういう方たちの出る舞台というのは

「物足りない」。

 

以前 オーシャンズ11(主演:香取慎吾)が上演された時に 嫌という程思い知りました。

 

でも 昨年観た 地球ゴージャス「ゼロトピア」の宮澤佐江ちゃん(元 AKB48)がお上手で

舞台人に馴染んでおられたので気が付かなかったんですが 彼女が特別お上手だったみたいです。

 

今回 チケットをエントリーする時に どちらのキャストを選ぶかで…

 

夢咲ねねちゃん。 

宝塚歌劇団 元トップ娘役…ながらお歌に少々難あり。べちゃっとした歌い方が苦手なヅカファン多し。

退団後の歌唱は 宝塚時代に比べマシになっていると聞き及びますがそれを確認するのに13000円は惜しい。

 

という消去法で 衛藤美彩ちゃんの公演でエントリー。

 

が! 全然声が出てない! 蚊の鳴くような細い声。 これは 「儚さ」表現されているのでしょうか??

舞台人の声とは程遠いです。こちらを選んで後悔。

ヒロインでこの歌唱力は残念。 きれいな声だ、と絶賛されてる方もいらっしゃいますが

きれいな声と 私が求める 歌唱力があることとは別ですからね~

 

「初ミュージカル」ってどこかでご挨拶されてましたが 今後もミュージカル女優として生きて行かれるなら

今のままでは ダメでしょう。 他のキャストに失礼です。

 

乃木坂46ファンの方には申し訳ないけど 正直な気持ちです。

 

衛藤美彩ちゃんのファンの方は 彼女が出演されているだけでOKかもしれませんが

私のような キャストだけでなく ミュージカルとしての完成度も求めるものには まだ舞台経験豊富な

夢咲ねねちゃんの方が 満足できたのかな、と思いました。

 

板に載せる以上、演出家にも責任はあると思ってます。

蜷川さんのように 灰皿は飛ばさないまでも 叱咤して 実力の底上げをして欲しい。

これで通用する、とミュージカルを甘く見られたくない気持ちでいっぱいです。

 

ENJOY THEATERという 「ネタバレ口コミ評価あらすじ」を書き込むサイトを見ましたら概ね好評なんです。

 

声がきれい、というのと歌が巧い、というのは別物なので 声が綺麗のはもちろん大事ですけど

声量や伸びや 歌に感情を載せるのが ミュージカルなのだから そこ、大事なんじゃないの?

 

「他の出演者の皆さんも歌も演技もとても上手で、生のオーケストラの演奏の迫力もすごかったです。

 

……なのでその分、元乃木坂の衛藤さんの……………いや、かわいいよ、かわいいけどさ……。(多くは語らない)

いや、Wキャストだったし、よく調べないで夢咲ねねさんの出演日に行かなかったのがいけないんでしょうけどね」

     ENJOY THEATER書き込みより引用

 

「う〜ん、なんだろうこのモヤモヤっとした感じは」

     ENJOY THEATER書き込みより引用

 

という 正直な? 私と同じ意見の方もいらっしゃって ホッ。

 

「モヤモヤしている理由考えてみました。

①話にメリハリがない

②訴えたいテーマがぼやけてる」

     ENJOY THEATER書き込みより引用

 

それも ありました! 最後にスカッとした爽快感で帰路につけなかったのはテーマがぼやけてる、それ!!

 

冒頭に出てくる「貴族の楽園は 貧者の地獄でできている」っていう キーフレーズ。

 

貧者として描かれるのが 見世物小屋のウルシュス一座だけ、っていうのも 薄いな、と。

ストーリーに破綻はないけど 深みのない笑う男、わたしの個人的感想です。 

 

複数回観れば また違った感想になるのかもしれませんけどね。