宝塚ブログ 心は青空♪

夢の世界☆宝塚のあれこれを語ります♪ 5組観劇派

じわ~と温かさに満たされた!「銀二貫」観劇♪

雪組バウホール公演 銀二貫観てきました。

 

雪組95期の月城かなと主演。

 

 

原作は NHKドラマで知って 読みました。

 

人情味あふれるお話に感動したのですが

宝塚では 谷正純先生がどのように演出されるのか

楽しみにしていました。

 

月城かなとくんの

端正なマスクが 武家出身、の背筋のピンと伸びた鶴乃輔にぴったりで

丁稚はどうかしら?と思ってたのですが

 

初日開けてすぐの今日の舞台、ちょっぴりまだ青く堅い感じはしましたが

英真なおきさん 世界の恋人?華形ひかる、専科のお二人に助けられ

上々の出来。

 

真面目で 心根の優しい松吉を好演していました。

 

私が「月城かなと」を認識したのは、「心中 恋の大和路」でした。

あれから 1年半。

 

歌唱力もUPして 堂々の存在感がありました。

雪組若手の中心として これからのさらなる成長が楽しみです!

 

 

原作を谷先生、上手にまとめておられました。

これは、私が原作を読んだからわかりやすかったのかもしれませんが

原作に登場する エピソードや 事件をきっちり盛り込み

(あんこと糸寒天で羊羹を作る件はなかったものの…)

笑いを取ったかと思えば、ホロリとさせられ

 

二幕では客席、涙で 洟をすする音があちこちでスンスンするし

そっと涙を拭う方多数。

涙腺堅い私も 今日はハラハラと涙、涙。

 

 

寒天問屋 井川屋の主人(華形ひかる)の懐の深さに、泣く。

 

気前のいい 井川屋の主人を陰で支え きっちり締めるところは締めていて

チクリと 鶴乃輔改め 丁稚になった松吉に

嫌味を言う番頭の善次郎(英真なおき)。 ここ毎回笑いポイント!

 

専科お二人の老け役は、特にみつる(華形ひかる)が新鮮!

幕開けすぐの登場から よっこらせ、と足を引きずり老いを演出。

口跡もゆったりと 貫禄を出していました。

 

学年からして 井川屋主人は 英真なおきさんで 

番頭が華形ひかるくんだと思ってた。

 

が、逆のキャスティングにえっ???と思ったけど

オーバーアクションで 笑わせたり チクチク嫌味を言ったり、

客席の心を掌握!

主人と番頭、お二人のお芝居も阿吽の呼吸で 引きこまれました。

なるほど、納得!のキャスティングでした。

 

鶴乃輔(松吉)の命と引換えに主人が武部玄武に渡した「銀二貫」。

それを根に持つ番頭(英真なおき)は、

人形浄瑠璃曽根崎心中」を観に行く山城屋を見送った後

松吉に聞きます、曽根崎心中で返せなかった お金はいくらだったか、と。

「銀二貫」と答える 松吉に、「人の命と引き換えにするほどの大金だ」(←ニュアンス)

銀二貫でおまえの命を助けてやったのだ、と言わんばかりに…

 

ここから 黒衣が出てきて 人形浄瑠璃が始まります。 

面白い趣向でした!!

 

人形に扮するのは 徳兵衛=月城かなと、お初=桃花ひなちゃん。

黒衣が、左右から手を動かして お初徳兵衛は 

カクカクとお人形のような動きで、

月組の「CRYSTAL TAKARAZUKA」の

ドールオペラ 自動人形のちゃぴ(愛希れいか)を彷彿!

 

ここで歌う 愛すみれちゃんと 久城あすくんのお歌が素晴らしい!!

こういう若手中心の舞台で 普段はわからない

若手の実力を目にできて収穫を得た感じ♪

 

愛すみれちゃんは 全編元気のいい女衆役。

人情味あふれるとてもいいお役を 好演していました。

いや、ほんと、涙を誘うよ。

 

ナウオンステージで「役を生きる!」と皆さんおっしゃっていたとおり

いきいきと演じられていて良かったです!

 

天満の大火事以来 消息がわからなくなっていた

想い人・真帆が てつとして生きていたことを知った松吉。

 

家事で父を亡くし、お広の娘「てつ」として生きることにした真帆は

病で育ての母親・お広も亡くし 天涯孤独になってしまった。

 

父とも母とも死に別れ、兄弟もなく、故郷にも戻れない松吉もまた同じ境遇。

 

それでも 父が最後に残した言葉「何があっても生きろ!」を胸に

 

自分の故郷は 寒天場であり 寒天問屋井川屋なのだ、

これからは 自分たちが幸せになる、

自分を思ってくれる人たちのために、幸せになってみせる。

 

そう誓う 松吉と真帆との婚礼の儀に 一同がうち揃う。

 

幕開けより更に年老いて 背もまるくなった 井川屋主人に

番頭(えまなおき)が、銀二貫を払ったけれど

「安い買い物でしたなぁ・・・」と 目を細め・・・また涙。

 

主人の和助は、ほな行こか~と 上手に向かって歩き出すと

すかさず 番頭の善次郎がこっちでっせ、と下手に向かって歩き出す。

客席 笑い。

 

ボケツッコミと絶妙の間は、さすがじゅんこさん(英真なおき

 

泣いて 笑って じんわりと心が温かいものに満たされました。

 

今年の夏、雪組は 大劇場公演で「星逢一夜」という名作に出会いました。

 

今また、バウホール公演で新たな人情モノの名作の誕生に

立ち会った気がしてます。

 

 

このところ 雪組には 怒涛の和物の波が来てますね。

 

えっ?また~~?と思ったけれど いい作品でよかったです!

 

◆関連記事

銀二貫 配役発表~♪ 2015.10.15